第807回「令和時代幕開け」

 深谷隆司の言いたい放題第807回

 「令和時代幕開け」

 10日間の連休、前半は空いているとの交通情報を信じて、28日御殿場の冨士霊園にまずお墓参り、なんと40キロの渋滞であった。2日間箱根の山荘で過ごし、30日、「退位礼正殿の儀」のテレビ中継を見るため帰宅、天皇として最後のお言葉を伺った。「象徴としての私を受け入れてくれた国民への感謝と平和への祈り」、最後に「幸せでした」と言われた時、私は滂沱の涙であった。上皇陛下への感謝こそ国民全体の思いである。

 昭和天皇の「大喪の礼」を経験し、特に「即位の礼」の時、私は郵政大臣であった。崩御された昭和天皇のお声をお聞きすることは勿論無い。喪に服した1年間、世は全て自粛ムードで悲しく暗いものであった。

 令和元年5月1日の新天皇の御言葉を伺い、これから10月の即位の礼まで、お祝いの明るい日々が続く。改めて生前譲位の良さを噛みしめたものだった。



 それにつけても「令和」と言う元号は素晴らしい。1200年前、奈良時代に作られた日本最古の歌集「万葉集」からの新元号、初めて日本の古典から作られたことが特に嬉しい。

 4500首からなる歌集は、天皇、皇族のみならず農民から防人まで、あらゆる社会層に及ぶ。まさに民主主義が芽生えているではないか。万葉集は日本の豊かな国民文化と長い歴史と伝統を象徴している。

 民主主義の発生は古代ギリシャとかローマと言うが、奴隷の上に成り立った国にそんなものなどありはしない。日本こそ民主主義発祥の国なのである。

 「令」は清々しい、整って美しいの意で、令夫人令嬢などと使われる。「和」はやわらぎだ。「清々しく柔らかな時代にしたい」との願いが込められている。

 ところが何事にもけちをつけるものがいる。韓国の報道も、ロイター通信やBBC電子版まで、「令」は命令で権威主義的ニュアンスがある等と書いている。 

 朝日新聞や毎日新聞にも同じような事が書かれているが、「難癖をつけるのが報道」と信ずる彼等が、いつものように「つげ口」情報で流したのではないかと勘ぐりたくなる。日本の政治家にも同じような連中がいて、共産党の志位委員長、社民党又市党首はいつもの事だが、自民党の石破元幹事長まで「違和感がある」と語った。いい人なのに時々余計な事を言う。世論調査(産経・FNN )で87%が好感を持ったと答えている。各地の大歓迎振りはマスコミ報道で明らかで、そんな国民の心も理解出来ないのか。

 令和の時代も日本の内外とも困難な問題が山積している。国を挙げて「国家戦略」を議論し、少しでもよき時代を作らなければならない。私も感激と覚悟を持って、この時代に「為すべきこと為し」、立派に生き続けたいと思っている。



第806回「理不尽なWTO」

 深谷隆司の言いたい放題第806回

 「理不尽なWTO」

 25日、17時から「BLOGOS」のダイジェスト動画の取材が始まった。政治ジャーナリストの角谷浩一さんのインタビューの上手さはさすがで、「平成のキーマンが平成時代を総括する」をテーマに、私から様々な話を引き出してくれた。

 カメラを充分に配置し、専門スタッフも大勢で、実に手際よく進行させていく。今まで自宅でテレビ取材を何度も受けてきたが、通常のテレビ取材と比べて遜色が無い、いやそれ以上かも知れない。まさにこれからの時代のメディアだと思った。放送は連休明けとのこと、楽しみである。


 インタビューの中で、私が通産大臣としてシアトルで開かれたWTOに赴き、アメリカ側と激しく渡り合った時の事が話題となった。

 WTOは自由貿易促進を主たる目的で創設された国際機関で164ヵ国・地域が加盟している。国が多すぎる上、4分の3が開発途上国なので、近年なかなか話がまとまらないのが常となっている。

 当時、アメリカがアンチダンピング(国内より不当に高く輸出した場合、輸入国の産業保護のため関税を課する制度)を盛んに濫用し、日本の鉄鋼業界は大変苦労していた。私はこの濫用を規制する為、各国の大臣と次々に会談を行い、いわゆるロビー活動に全力を尽くした。

 ある席では、デイリー米商務長官が「このまま日本が主張を続けるなら、クリントン大統領は沖縄サミットに出席できない」とまで言い出し、私は激怒して「来たくなければ来なくていい」と啖呵を切ったこともある。

 ようやく分科会でペテグリー委員長(カナダの大臣)が、私の主張通りのペーパーを採択してくれた。これで「勝った」とばかり喜んでいたら、なんと米国のバシェスキー議長が突然、一方的に閉会を告げてしまったのである。自国の主張が通らないと平気で閉じてしまう、米国とはなんと勝手な国だと思ったが、外交とはまさに戦場なのである。

 WTO会議では、こうした理不尽な状況が多く、事がまとまらないから、その後は二国間協定のFTA(貿易協定)、EPA(経済連携協定)、更にはTPP(環太平洋連携協定)等へと移行しつつあるのだ。


 最近でも、WTO紛争処理機関で、韓国による福島県など8県産水産物の「輸入禁止措置」に対して、日本が不当と主張し、一審ではそれが受け入れられた。ところが、なんと上級委員会では違反かどうかの判断をせず、一審を破棄して日本の主張を退け、日本は逆転敗訴してしまったのだ。

 明確な科学的根拠が示されているのにこれを軽視した結論である。これでは国際的は風評被害ではないか。被災地の復興の努力に水を差すWTOに私は怒りを覚える。

 目下、日本はこの判断に断固抗議しているが、欧米訪問中の安倍首相もEU首脳との会談の中で、WTOの改革の必要性を訴え合意を得ている。


 平成時代、こうした外交上、理不尽なことが多かった。令和の時代こそ、日本は自国を守るために一歩も引かず、理不尽な事柄を克服して頑張っていかねばならないと強く思うのだった。



第805回「選挙戦終わる」

 深谷隆司の言いたい放題第805回

 「選挙戦終わる」

 大阪と沖縄の補欠選挙で自民党が敗れた。衆参選挙で8連勝中であっただけに残念ではあるが、私から言わせれば「織り込みずみ」のことである。

 知事、市長のダブル選を圧勝した直後の大阪維新の勢いは止まらない。そんな状況の中、死去した自民党の北川氏の甥が出て「弔い合戦」などと主張しても始まらない。今時通用しない選挙戦術なのだ。本来安全保障は国の最大のテーマだが、沖縄の人々にとっての基地問題は、そう簡単に割り切れないものがある。今後の政府の深い配慮と対応が必要だ。

 しかし、どこかの社説のように、これだけで「政権のゆるみが招いた敗北」と決め付けるのはどうか。大臣や副大臣のお粗末な発言で顰蹙を買ったことは事実だが、おごりと言うより、適材適所で立派な人を大臣に選べばよかった・・・と言うことではないか。

 夏の参議院選挙に向けて大事なことは、もっと自民党ならではの政策を堂々と打ち出し、党本部と地方組織とのちぐはぐな状況を改め、挙党一致体制をしっかり築くことだと思う。


 地方選挙では、私が先頭に立って応援した区長候補、中央区の新人山本たいと氏と、文京区の現職成沢ひろのぶ氏が予想通りに圧勝した。特に山本氏は新人だけに力を入れたが、まさに上出来で「ほっと」した。

 夜10時少し前に当確が出たが、両方の選挙事務所での挨拶、万歳に間に合った。NHKテレビ、産経新聞に私の勇姿?も出て、みなさんから「よかったですね」と声がかかった。

 区議選挙では、中央区で自民公認の13人と無所属1人、文京区では自民党10人が当選、ほとんどの人が私が塾長の自民党政経塾出身者で、新人も多かった。

 残念だったのは中央区の現職石田氏、染谷氏、文京区の森氏、橋本氏の惜敗だ。特に昔の秘書だった橋本直和君は32年の区議生活で9期目の挑戦であった。僅少差で破れたが、早朝一番に電話があって「これから伺いたい」と言う。「来なくていい。近く中屋都議と君の激励会をする。体を大事にしてくれ・・・」、夫婦の心情を思い、気の毒で、それしか言えなかった。


 北区の区長候補花川与惣太氏はわが家の最大の話題であった。区議から都議を経て区長になった人だが、なにしろ私と同年齢の83歳(最終日には84歳)だ。おまけに対抗馬は元都議の音喜多駿氏、小池知事問題の時、私とテレビ「ゴゴスマ」でちょっと討論したこともある。その後小池知事と袂をわかったが、それなりの話題を集めていた。結果は1万票以上差をつけて花川氏が勝った。万歳。

 戦いすんで日が暮れて・・・。連休は家族と一緒に楽しさを満喫したい。