第890回「息苦しい世の中」

 深谷隆司の言いたい放題第890回

 「息苦しい世の中」

 緊急事態宣言が沖縄を除いてようやく解除されてほっとしたが、東京大阪など7都道府県は蔓延防止等重点措置に移行するという。

 今まで散々しわ寄せで苦労してきた飲食店がこれで救われるかと思ったら、酒提供は7時まで、営業は8時まで、これでは会社が終わってさあ1杯というわけにいかない。

 その上、小池知事は同行2人で90分までと更に追い打ちをかけた。そんな飲み方が出来ると本気で思っているのか。こんな小刻みな制限をつけることについて、一体どれだけの科学的な根拠があるのか、なんだか都民を小馬鹿にしているようで腹立たしい。

 昔、シカゴに行って、禁酒法の「アンタッチャブル」時代を実感したことがあった。アル・カポネの店があって、自称その子孫が葉巻を吸って座っていた。なんだか今の時代に似ていて、息苦しさを感じる。

 新型コロナウイルス感染症対策分科会と言う長い名前の専門家会議がある。安倍政権時代、科学的根拠もなく誇大に危機を煽って社会活動の制限を提言することに業を煮やし、専門家の組織替えをしようと最初の専門家会議が解散させられた。ところがメンバーの横滑りが多く、主要な顔ぶれが変わっていないのが今の分科会だ。

 尾身会長は菅首相などと並んで記者会見を行い、時には首相の発言を否定するようなことまで言う。首相は国民に対してすべての責任を負うが、尾身会長は何の責任もない。大体、並べて会見を行うようにしたのが間違っているのだ。

 小池知事の「大本営発表(この言葉を知らぬ世代も多いが)」も、盛んに危機感をあおってきたが、その根拠となるとかなり怪しい部分が多い。

 今年3月、東京都の重症病床使用率「86%」としていたものを、突然1週間後に「33%」と急に減らしたことがあった。重症者が大きく減ったのかと思ったらそうではなくて、分母の数、すなわち東京都の病床確保数が500床ではなく、2倍の1000床だったと大幅に修正されたからであった。

 これだけの間違いがあっても厚労省に修正報告しただけで、都民に一切謝罪も無い無責任さであった。

 大体政府が管理しない、保健所から上がる数値で国策が左右されることは異常ではないか。


第889回「都議選始動」

 深谷隆司の言いたい放題第889回

 「都議選始動」

 6日10時から自民党本部8階の大講堂で、25日から始まる都議選挙の自民党候補者公認証書授与式が行われた。

 4年前の選挙では、小池ブームで都民ファーストの候補者が圧勝、なんと自民党議員の3分の2が落選するという大波乱であった。台東区でもよく働いていた和泉浩司君もわずか2千票差で落としてしまった。

 ところが第1党となった都民ファーストの議員は自民党の落ちこぼれか、全くの素人ばかりで、記者の質問にもろくに答えられず、小池知事が上から緘口令を出すほどの体たらくであった。

 前回も書いたが、例のワクチン接種でも台東区は他区と比べて格別遅い。議員がやり手なら、思い切ってワクチンを奪い取るほどの力を発揮してくれるものを、2人の都民ファースト議員は動こうともしない。最近はその姿も見かけない。ポスターはあちこちに貼ってはいるが、こまめに働く姿が無いのは一体どういうことなのか、期待外れとの声が聞こえる。

 都内全体でも都民ファーストは同じような低い評価で、まさに今回こそ自民党議席奪還のチャンスである。

 自民党は60人の候補者を決めた。けっして身びいきではなく一騎当千のつわもの揃いである。

 舞台で檄を飛ばす役は相かわらず私で、候補者を背にマイクの前に立つと、後ろから強いエネルギーを感じ、若い時代の自分を思い起し、感慨一入であった。

 「都議会は君たちを待っている。」「これからの都議会は君たちの時代だ!」、思わず私の声も大きくなる。

 大会終了後、今度は台東区に飛んで帰って鈴木純候補の事務所開きだ。

 「もう85歳になる私だから、4年後は応援出来ないかも知れぬ、だから今回全力で戦い、必ず勝たせる」と断言した。

 次は13時からの中屋文孝候補の事務所開きに駆けつける。

 ここは共産党が強く、前回は薄氷を踏むような僅差でかろうじて勝てた。私の何十年来の秘書で、大臣秘書官も務めた、絶対勝たせなければならない人材だ。

 「私はもう85歳だから・・・」と同じようなことを言うと、次に立った辻代議士が「何を言われるのですか。憲政の神様と言われた尾崎幸雄は95歳まで現職でした。まだまだ4年後も8年後も元気で応援してください」と逆に檄を飛ばされた。

 「あと30年は頑張ると言われていたのに!」、これは参加者からの声であった。まだまだ老人扱いされない。内心では嬉しく思った。

 いよいよ、都議選挙が始動した。25日からは毎日応援の日々となる。

 緊急事態宣言が終わると自民党政経塾も温故知新塾も本格的に動き出す。月刊誌「Hanada」の連載も佳境に入っている。ちなみに今は「田中角栄氏の思い出」、次々号は「壮絶引き揚げ体験・最後の語り部」を書くつもりだ。

 コロナで時間余り現象の時はいつも気が重かった。やっと忙しくなるようで、心がうずうずする。やっぱり私は忙しく暮らすことが性に合っているようだ。

 大いに頑張ろうと思っている。




第888回「ワクチン、台東区の遅れは何故か!」

 深谷隆司の言いたい放題第888回 

 「ワクチン、台東区の遅れは何故か!」

 荒川区に住む妹や、江東区、墨田区、世田谷区などの友人から、ワクチンを打ったかと心配して連絡が来る。すでに彼らの区は1回目の接種がおわり、2回目の日程も決まっているという。

 今日6月1日現在、台東区に住む私はまだ接種の機会を得ていない。この台東区の遅れ方は何故なのか。

 いろいろの理由があると思うが、長年政治家として暮らしてきた私にはわかるような気がする。はっきり言って、台東区選出の2人の都議会議員がその役目を果たしていないからだ。

 都議というせっかくの地位にいるのだから、ここが政治家としての正念場ではないか。しかも都民ファーストで小池知事に近い筈なのだから、まず台東区民の為にいち早くワクチン接種の機会を確保しなければならないのだ。

 政治力が無いのか、地元に対する愛郷心が無いのか、あるいはただの怠慢か、いずれにしても許されない状況だ。

 去年、東京都はコロナ患者の療養の為に浅草田原町駅に近いホテルを使うことになった。

 都の部長クラスの幹部が私のもとに説明と了解を求めて来た。勿論、患者を救うためにホテルを活用することについて私は反対ではない。ただ心配は、浅草観音様に近い繁華街だけに、患者がふらふらと外出して住民に感染させることが心配であった。そこでその対策を質した。

 都側は「その点は万全を尽くします」というのだが、詳細を聞くと、要は終日監視カメラで見張るというだけのことであった。これでは万全とは言えない。

 私は24時間体制で警備員を配置するよう要請したが、そのような例はないと拒まれた。

 私は憤然として「それが出来ないなら反対する、区民を守るために、場合によっては私が玄関に座りこんででも反対を貫く」と、久しぶりに啖呵を切った。

 結局、初の試みとして24間態勢で警備員を配置することになって、終了するまで大過なく患者を受け入れることが出来たのである。

 その時も強く思ったのは「地元の都議会議員は何をしているのだ」という不信感であった。彼らはこうしたことについて一切関わらず、その姿さえ見せなかった。

 今、日本全体がコロナ禍で苦しんでいる。ついに緊急事態宣言も更に6月20日まで延長された。飲食店など時短、酒の提供禁止で死活問題、関連する小規模企業は倒産の危機に瀕している。

 こうした逆境にある時こそ「政治家の腕の見せ所だ」と、いつも自民党後輩議員たちに言ってきたが、他の党の連中にはそんな機会はなかった。台東区の都議は2人とも都民ファースト、注意や指導も出来ない。

 菅首相が必死に主導しているように、今やコロナ対策は感染対策と、ワクチン接種にかかっている。この二正面作戦を生かすも殺すも地方自治体、地方議員の働きによる。

 台東区のワクチンの遅れに切歯扼腕しているが、これを正常に戻すには自民党都議の復活しかない。

 間もなく始まる都議選で自民党復活の為に、私も老骨に鞭打って断固頑張らねばと思っている。