第790回「謹賀新春」

 深谷隆司の言いたい放題第790回 

 「謹賀新春」

 明けましておめでとうございます。

 あなたはどのように新春を迎えられましたか。今年があなたにとって素晴らしい年になりますよう、まず心よりお祈り申し上げます。

 私83歳、妻80歳、かなりの高齢となりましたが、心身ともに健やかで、この幸せは家族の支え、友人達のご交誼、そしてなによりも神仏のお陰と感謝しております。  

 今年は亥の年、まさに私の年ですが、ここまで生きてくると格別に大きな夢を改めて描くことはなく、ひたすら健康に留意して、今までと同じように日々を大切に、為すべきことをしっかり行うことだと思っております。


 私の最大の仕事はなんといっても後輩たちの育成です。今の時代の若い人たちをしっかり育てていけば、日本の将来は安心なのです。

 自民党政経塾は14年目を迎え、温故知新塾は4年目になります。私は塾長として精一杯教えてきましたが、すでに2000人以上の人が巣立って、それぞれの分野で活躍しています。嬉しいことです。

 未来は不確定ですが、過去は確実なものです。過去の様々な事柄が今の時代に大いに参考になることはいうまでもありません。私が学んできた歴史、私自身が体験して来たことを率直に語り続け、後は彼等が参考にし、自分なりの思いを加えて立派に生きてくれたらと思います。私は「時代の語り部」として、今年も一層頑張るつもりです。


 それにしても日本にとって今年は内外共に厳しい時代になると心配です。昨年暮れ、TBSの特集にほんのわずか出演し語りましたが、グローバリズムを否定し、アメリカ第一主義を唱えるトランプ大統領の動きにどう対応していくのか。特に米中両国のパワーゲームの狭間で、日本はどう舵取りをしていくのか。  

 北朝鮮はわが国とって目前の脅威です。昨年米朝首脳会談が開かれ、史上初の会談と大騒ぎでしたが、何も決まらず何も変わっていないのが現実です。

 今年はプーチン大統領と安倍総理が平和条約締結の交渉を加速させようとしています。しかし、したたかな相手だけに危うさを禁じえません。

 今春、今上天皇が譲位され御世が代わりますが、自分の国を守る為の憲法改正さえ議論できない現状は日本の未熟さを表していると思います。

 私のブログは790回を迎えました。今年もこのブログや、他のあらゆる機会を捉えて、日本の内外の問題について獅子吼し、存分に警鐘乱打していきたいと思っています。どうか今年もよろしくお付き合い下さい。

 ありがとうございました。




第789回「取材2時間、出番ちょっと」

 深谷隆司の言いたい放題第789回

 「取材2時間、出番ちょっと」

 TBSの「報道の日2018」が30日11時から実に6時間報道された。

 取材にスタッフが大勢でやってきて、わが家で長い時間収録したが、報道されたのはほんのわずかな時間、これはいつもの事だが、ちょっと残念だった。

 どんな些細な事でも、しっかり調べ、完全な準備をするのが私の日常の生き方だ。今度の場合も当時のあらゆる資料を整え、その上、わざわざ着物姿に着替えるなど、まさに準備万端だったのだが・・・。

 ただ短い時間の割にはポイントをよくついていて、大事なことは伝わったと自負している。ありがたいのは私のファン?の人々、まず親戚一同から、そして親しい友人から「よかった」と連絡が来る。嬉しい。

 報道特番のテーマは、「世界が激変した30年〜平成のアメリカと日本」だが、グローバリズム否定、アメリカ一国主義に翻弄されながら、必死で頑張ってきた日本の姿がよく現れていたと思う。内容に若干の異論もあったが、まずはよく出来た番組であったと思った。

 今度テレビに映るのは大相撲正月場所、1月15日、土俵際の「溜まり」で私は見ている。別に意味は無いが・・・。


 アメリカ主導で始まったTPP、トランプ政権になってあっさり抜けてしまったが、日本など11カ国が参加して、30日午前0時に発効した。

 アメリカ抜きでも発足すべきと私は講演やこのブログ等で何回も主張してきたが、この発効によって約5億人を越える巨大な自由貿易圏がアジア地域に誕生する。 

 日本の関税撤廃率は将来的に約95%になり、このことで食品の値下がりは家計にプラスになり、輸出も追い風になる。政府の試算では日本のGDPが年7兆8千億円押し上げられ、雇用は約46万人増えると言う。

 ただし、農業関係には不安が残る。国は適切な対策を立てねばならない。今まで、例えば米の部分開放をした際、巨費を投じたのに農業衰退に歯止めがかからなかった。お金を出せばよいのではない。大切なのは品質やブランド力に磨きをかけたり、IT活用などで生産性を高めて競争力をつけることだ。

 守りから農産品を輸出する攻めの経営が必要で、すでにこうした動きは若い人達に芽生え始めているのだから、そこをしっかり支え育てることが国の仕事なのである。

 アメリカがTPPに戻りたいと考えているとの報道もあるが、むしろ私は二国間協議に移行していくのではないかと思っている。その際、大事なことはTPPを上回る譲歩はしないことを原則とする、ということである。

 報道特番のように、今後もアメリカの強硬姿勢は続くが、どう上手く対応していくべきか、来年は安倍政権の正念場を迎えると思っている。

 この1年、ブログを見ていただいた方々に、ひたすら感謝の意を伝えたい。



第788回「アメリカ第一主義への不信」

 深谷隆司の言いたい放題第788回

 「アメリカ第一主義への不信」

 世の中がクリスマスで浮かれている時、1年3ヶ月ぶりに株価が大幅に下落した。クリスマスイブの下落では過去最悪だと報道されている。

 アメリカ経済への先行き不安からだが、その元凶はトランプ大統領の無責任なつぶやきからだ。

 政権を得て以来、常に独断専行、アメリカ一国主義をうたい続け、国連ではなんとグローバル化否定の演説まで行った。

 気に入らない閣僚や側近を次々と罷免したり、辞められたりしている。

 マティス国防長官までが来年2月で辞任することになったが、トランプ政権で外交・安全保障政策の「屋台骨」として、日本や欧州の同盟国から深い信頼を集めていただけに、ことは重大だ。

 トランプ大統領は、かねてから日本や韓国、北大西洋条約機構(NATO)加盟の同盟国が更なる負担を負うべきだと主張し、貿易赤字削減には同盟国といえども容赦せずに追加関税や輸出規制を迫ってきた。

 「強固な同盟関係を維持し、同盟国を尊重しない限り、米国自身の国益を守ることはできない」、これはマティ氏の主張だが、こうした正論を彼に代って言える人が出てくるのか、大いに不安なのである。


 もっとも、アメリカ第一主義は今に始まったことではない。

 今月30日にTBSは「報道の日特番」を午前11時から6時間にわたって放映するが、アメリカファーストの嚆矢は1999年(平成11年)のWTOから始まった、との内容になるという。

 実はこの時の通産大臣が私で、既にTBSの長い取材を自宅で受けている。

 当日の報道でどんな風に登場するかは分からないが、シアトルでアメリカの大臣たちと大いに渡り合い、時には啖呵を切った私のマル秘の話題も披露している。(報道番組の私の出番は午後1時頃からか・・・) 

 当時アメリカは日本の鉄鋼業に対して、アンチダンピングを濫発していた。国内よりも不当に安く売った場合のペナルティとして高い関税をかけるのだが、決してそうではないのに、不当に訴えるアメリカに対して、WTO で濫用規制をかけることが私の使命であった。

 各国大臣とバイ会談を重ね、ロビー活動の成果で日本の主張がほぼペーパーでまとまった時、なんと米国のバシャスキー議長が突然閉会を宣言した。自国の為にはなりふり構わず行動するアメリカにはあきれ返ったものだが、その姿勢は今も変わらないのである。

 来年は日本を取り巻く環境が一層厳しくなりそうだ。政府も国民も腹をくくって新年を迎えなくてはならないと思っている。