第811回「老後2000万円不足問題」

 深谷隆司の言いたい放題第811回

 「老後2000万円不足問題」

 金融審議会の報告書をめぐって、国会の争点になり、マスコミも連日報道して大騒ぎである。

 麻生大臣は「政府の考え方と異なり、誤解を招く内容だから受け取らない」と言って、これも炎上。諮問しながら受け取らないとはかつてないことで、有識者が積み上げた議論の結果を、本来は政策に生かすべきだ。納得できなければそれを国民に正確に説明すればよい。


 総務省の家計調査の平均値から、機械的に不足額を割り出したに過ぎない数字を平気で明示したことは全く無責任の極みだ。高齢者の生活は、現役時代の貯蓄や子供の同居の有無、収入に応じた節約など、老後の生活スタイルによって大きく異なってくる。

 多様な生活状況や資産規模などを踏まえない説明で、公的年金への不安を助長する事は許せないことで金融庁の猛省を促したい。


 政府の提唱する「100年安心」は、年金制度の持続性についての言及で、個人の生活を年金だけで賄う事を保障したものではない。定年後の収入が現役時代より減ることは当然で、だから引退後の生活は公的年金を基本にしながら、資産の活用で賄われる。そもそも、国は年金で全ての支出を賄うことなど想定していない。

 辻元委員長などが「制度の長期的安心」と「個人の生活保障」を混同し、「安心安全詐欺」と口汚くののしっている。意識的かどうかはわからないが品位に欠けることはなはだしい。


 かつて年金未納問題で騒がれたことがあった。45%が未納なら国民年金は破綻したも同然と一部マスコミも書いたが、国民年金の上に、厚生年金、共済年金があり、これらに未納はあり得ないから、全体で計算すれば未納はわずか5%に過ぎなかった。


 少子高齢化で年金の給付水準抑制など今後の課題は多いが、老齢世帯の柱であることは変わりがない。

 支給開始年齢を遅らせ、毎年受給額を増やす制度もある。2009年から若者の負担を減らすため、高齢者に支払われる半分は税金から支払うことになっている。年金の将来の負担に備えるための膨大な「年金積立金」も在る。現状はまさに100年安心の制度持続は可能だが、今後を考えると、まさに与野党の建設的議論が必要な時で、そろって立ち向かい対処すべきだと私は思っている。



第810回「香港人の不安」

 深谷隆司の言いたい放題第810回

 「香港人の不安」

 2003年、香港で「国家安全条例」に反対する市民による50万人規模のデモがあった。今度のデモは103万人というから、香港の人の7人に1人が参加したことになる。

 日本の議会と同じなのが「立法会」だが、ここで出されようとしているのが「逃亡犯条例改正案」で、これが通ると恣意的に運用され、民主活動家等が中国に引き渡され、中国批判の集会等も出来なくなる。

 香港に暮らす外国人も中国本土に引き渡されたりする。そうなれば海外からの投資も減り、ビジネスに悪影響を与える。 

 香港の司法は英米法体系(コモン・ロー)で、イギリス植民地時代と同じで、透明性が高く司法制度が確立している。ちなみにいえば死刑制度もない。

 一方の中国は司法機関が共産党の指導下におかれ、国の考えが法の上でもまかり通る。香港がそうなっては大変だと市民は考え立ち上がったのだ。


 昔、私もよく訪れたが、長い英国植民地として活気に溢れ、高いビルが林立し、まさに世界的金融都市であった。

 1984年に主権が移動し、香港特別行政区となって「一国二制度」がとられるようになった。一国二制度といかにももっともらしいが、私は当時から、要するに中国化だと思っていたが、その傾向が近年益々露骨に出始めている。

 今や中国の覇権主義は一層激しくなり、それは台湾にも及んでいる。

今度の超大規模なデモが、どのような結末を迎えるのか・・・、中国に危機感を持つ日本にとっても重要で、遠くの火事などと決して思ってはいけないのである。


 このところ、又私は忙しく飛び回っている。自民党都連支部長合同会議で檄を飛ばし、新人議員研修会では当選したばかりの地方議員達に「いかにあるべきか」を説き、200名を越えて部屋に入りきれないほどの満員の政経塾で熱弁、政木後援会会長と石塚、鈴木台東正副議長祝いの会を開いたり、「居合道全国大会」で武士道精神を語ったりした。

 二宮さよ子さんの「ひとり芝居」、歌舞伎座に招待されて2日間連続観劇、相撲の旭秀鵬関の結婚式・・・。

 この間、例の「耳鳴り」は相変わらずで病院にも通った。こればかりは困ったものでなかなか治らない、後は如何に馴れるかということらしい。

 こうしてパソコンを叩くのは一番しんどいが、少し休むとみんなが心配してくれるので、頑張ろうと思っている。

 皆さんの御健勝を祈っている。



第809回「トランプ大統領大相撲観戦」

 深谷隆司の言いたい放題第809回

 「トランプ大統領大相撲観戦」

 安倍首相が令和初の国賓として招いたトランプ大統領が3泊4日の日程で来日し、初日はゴルフ、大相撲観戦、夜はなんと炉端焼き屋で会食した。

 世界一忙しいはずの大統領が、こうして日米の絆を世界に示すことは、中国、北朝鮮問題等を抱える日本にとって好ましい事である。

 思えば岸信介元首相は62年前アイゼンハワー大統領とゴルフをし、個人的な関係を生かして日米安全保障条約の改定につなげた。孫としてその外交で信頼と強調を根付かせたということか。


 大相撲で私が一番気にしたのは、不測の事態が起こらないようにという点であった。1995年、私は国家公安委員長になったが、当時開かれる予定のサミットで万全を期するため、大阪に全国のSP等を千人以上集めて大訓辞をした。あの頃を懐かしく思い出していた。大歓声に包まれ何事もなくてほっとした。


 安倍首相が優勝した朝乃山関に、総理大臣杯を直接手渡した。小泉元首相の例はあるが、一般的には代理として官房副長官や総務副長官が行っていた。私は千代の富士に2回、琴風に1回、代理を務めた。なにしろ40キロもある大杯だから、手渡すのも大変だ。安倍首相も危なかったが、朝乃山関は両腕でしっかり受け止めていた。さすがである。

 トランプ大統領からも大統領杯が渡されたが、朝乃山関は幸せな人である。富山県連会長の友人桑山氏は万々歳であった。


 私は二所ノ関部屋の後援会長だが、友人の松村氏が応援する関係で、横綱白鵬や友綱親方ともよく会食する。その横綱の弟子、今売り出し中の炎鵬関と二所ノ関部屋の松鳳山関が、最終日、勝ち越しを掛けた大一番を演じた。

「死ぬほど疲れました」と倅隆介にメールがあったが、素晴らしい取り組みで見事に勝ち名乗りを上げてくれた。

 千秋楽は何時ものように祝賀会に出席したが、一山本も十両に入るようで、親方を中心に盛り上がった。このところ耳鳴りで不調だが、この夜はお酒もすすんで上機嫌であった。耳鳴りは病気では無い。「全ては気の持ちよう」か・・・。


 27日、トランプ大統領は皇居を訪れ天皇皇后両陛下に会われた。皇室を大事に思う心がしっかり伝わってくるようで嬉しかった。

 首脳会談では、様々な問題が話しあわれたようだが、心配された日米貿易交渉については夏の参議院選が終わるまで、合意締結を待つ考えを表明したようだ。

 日米の絆がさらに強くなるよう見守りたいものである。