第728回「報道は歪んでないか」

 深谷隆司の言いたい放題第728回

 「報道は歪んでないか」


724日、25日の2日間、衆議院予算委員会は閉会中審査を行った。出来るかぎり中継を見ていたが、前段の与党質問は、何故加計学園獣医学部が愛媛県や今治市にとって必要であったか、それが何故文部科学省の岩盤規制で拒否され続けて来たのか、その本質に迫る議論であった。

前回の時も、前愛媛県知事加戸守行氏は、加計学園誘致は10年前から始まり、15回も申請したにもかかわらずはね返されてきたことへの不信を強く主張していた。しかし、何故かこの発言をほとんどのマスコミは無視していた。

今回も自民党の小野寺五典氏の質問に、家畜伝染病などで悩まされてきた県や市にとって獣医師が確保出来ない状態は死活問題であることを強調し、更に加計学園理事長が安倍首相の友人であったことを昨年まで知らなかったと、安倍首相の関与を否定していた。

資金力など強い力のある獣医師会は、既得権益を守るために獣医学部新設を文部科学省をはじめ国会に強く働きかけ拒んできた。この50年の間、日本国内で獣医学部の新設は一切ない、これは異常なことではないか。特に加計はずしに奔走してきたことなど、もはや周知の事実である。

前川喜平前文科省事務次官の答弁はかなり揺れていた。和泉洋人首相補佐官が「首相は自分の口から言えないが、代って私が言う云々」と言った事から、首相の意思と判断したと説明していたが、「加計学園について一切触れていない」と和泉氏に断言されると、前川氏も否定しなかった。

更に「面会の時点で獣医学部を作る意向を持っていたのは加計学園だけだった」とも述べたが、京都府と京都産業大学が283月に政府に新設を提案していたと指摘されると、「その計画は承知していなかった」と釈明する始末であった。

加戸氏は「何故虚構をテレビで話すのか、その後も想像がすべて事実であるかのごとく発言している。それが国民をそういう方向に持っていくことになると危惧している」「自分の後輩ながら前川氏の精神構造を疑う」と発言していた。

前川氏は禁止されている「公務員の天下り」を役所挙げて平気で許し、事実上更迭された人物だ。その上、「面従腹背」が座右の銘と言ったり、売春の温床である「出会い系バー」に審議官の頃から通うなど、およそ教育行政に携わる役人として失格、いや人間失格の人だと、私はかねてから批判していた。テレビをしっかり見た人なら、今回の審議で化けの皮がはがれたと思うに違いない。

一方、後半の野党審議に入ると、もっぱら首相と加計学園理事長との交際を槍玉に挙げることに終始した。「関与があったと思う」「加計学園の特区申請を知った時期はいつか」など、獣医師問題の核心には一切触れようとしない、まさに政治的な質問が目立った。

民進党の蓮舫代表は首相や稲田朋美防衛相に舌鋒鋭く迫った。特に防衛大臣の地位利用の選挙演説を取り上げ、公職選挙法違反だと迫ったが、今月18日に昨年秋まで「二重国籍」だったことが分かり、過去の選挙公報の記載が誤りであっとことが判明したばかりだ。はて、そんなに張り切って言える立場かと白けた思いに駆られた。

総じて野党の質問、追及の声だけは激しい。これがテレビなどで報道されるともっぱら安倍首相が追いまくられ苦境に陥っているといった印象になる。

岩盤規制に穴を開けるには、政治の力が必要なことは言うまでもない。仲が良いとかは普通にあることで、賄賂など不正がないかぎり問題はないと私は思っている。北朝鮮やテロ対策など、国としての課題が山積している時、マスコミの報道が正しくあって欲しい、国民ももう少し冷静になってもらいたい。今は感情が国を動かしているように思えてならないが、貴方はどう思われるか・・・。



第727回「戦い済んで平時の暮らし」

 深谷隆司の言いたい放題第727回

 「戦い済んで平時の暮らし」


引退して随分経つのに、自民党政経塾、温故知新塾、講演や大学の講義等で忙しく、その上、次々と後輩達の選挙に追われ、あっという間に日々が過ぎ去っていく。選挙も勝てばいいが、今度の都議選のように記録的惨敗になると、特に身近の落ちた人が気の毒で、一緒に悲しみ、空しい思いに駆られる。

台東区のいずみひろし君の場合、こんないい人が何で落ちたのか悔しいが、再起のためにどうしたらいいか考えなくてはいけない。友人にも頼んで取り敢えず私の秘書も兼ねてもらい、何とか日々の糧だけは確保するようにした。

12日は恵理の家「おもてなし教室」で、区長はじめ区議夫婦全員を招いて「いずみ激励会」を開いた。8月には自民党支部幹部や選対幹部と一堂に会し、「再出発の会」を開く予定だ。選挙前から公言していたように、ここで辻清人代議士と自民党台東総支部長はバトンタッチしてもらう。

一方の文京区なかや文孝君、僅少差で危なかったが勝てば官軍だ。私たちを招いてくれたり、打ち上げも自分でやってくれるからありがたい。

中央区の石島ひでき君については自民党中央支部が全ての段取りをつけてくれる。彼も苦労した。私も色々な角度から今後も支えていきたいと思っている。


懸案の私の新刊「すばらしい日本人(仮題)」の最終仕上げは、選挙ですっかり遅れたが、幻冬舎からはっぱをかけられ、目下必死に取り組んでいる。なにしろ神話から始まって現代に至る膨大な歴史の歩みを書いているので、つい張り切って予定の頁数をはるかに超えてしまった。どう削るか、これが難事業なのである。

徳真会松村先生から依頼の「黄龍・昇り龍」も、やっと下書きに取り掛かったが、300号(たたみ6畳)の超特大の絵だけに初体験、どうなるか分からないが、9月中には完成させたいと秘かに胸を熱くし、張り切っている。


すっかり家族にも苦労をかけたが、せめて連休は家族サービスと、15日は孫達一同引き連れて横浜へ。いつものように元町を散策し、馴染みの店で買い物、後は中華料理を堪能した。翌日も全員で映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」を観賞、その後強烈な要望を受け、カラオケ屋に繰り出した。孫達の歌はさっぱり分からず熱唱を聞きながら白河夜船、「今度はおじいちゃん」と起こされて私も歌う。家内や娘達のリクエストはもっぱら往年の歌謡曲、ディックミネの「夜霧のブルース」から始まって後はやっぱり石原裕次郎シリーズであった。歌は衰えていない?

戦い済んで、ようやく平時の暮らしに戻った。やっぱりこちらの方が楽しい。



第726回「敗者に思いを」

 深谷隆司の言いたい放題第726回

 「敗者に思いを」


都議選において自民党は惨敗で終わった。

過去最低の38議席を大きく割り込む23議席、まさに歴史的敗北であった。

私は平成19年の第1次安倍内閣の時に行われた参議院選挙を思い出している。松岡農水大臣自殺、赤城大臣の事務所費問題、久間防衛大臣の「原爆投下しょうがない」発言などが続き、選挙前の内閣支持率は30%前後まで急落、改選議席6437に減らす大敗となった。2ヵ月後に退陣したが、ねじれ現象で政治は混乱し、これが21年夏の民主党政権誕生の遠因となった。

今回は森友学園の国有地払い下げ問題、加計学園の獣医学部問題、豊田代議士の暴言事件、稲田防衛大臣発言、その上、下村都連会長の闇献金問題とまさに泥沼状態で、これではどう頑張っても自民党の勝利はおぼつかない。あまりにも候補者がかわいそうでならなかった。

台東区のいずみひろし君の場合、辻代議士、服部区長、自民党区議団、それに後援会はじめ各種団体と、熱心な態勢で整然とした戦いが出来たのだが、3000票差で惜敗した。「不徳のいたすところです」と本人は言うが、不徳は国会側と私は怒りさえ感じている。「私も何度も苦労した。敗れたときが始まりだ。一緒に頑張っていこう」と励ますしかなく、悲しかった。

中央区の石島ひでき君は、都民ファーストの会に惨敗したが、相手は区議を2年しかつとめていない素人だ。豊洲市場、築地市場問題ひとつとっても、全く役に立つとは思えない。保守王国を誇った中央区、たった1つの自民党議席を失ったことは大きな痛手だ。そもそも都民ファーストの会を中心に強大な小池連合が出来てしまったが、これでは小池知事の追認議会になってしまうのではないか。都民から選ばれた二元代表制、お互いに緊張感をもって激しい議論のなか、初めて良き都政が生まれるのだが・・・。

文京区のなかや文孝君はわずか215票の僅少差で辛くも当選した。夜中11時近く、当選決定の報で事務所は沸いたが、私は区議の諸君に「自重せよ」と戒めた。嬉しい気持ちは私も同じなのだが、色々な背景を思うと手放しで喜んでいるわけにはいかないと思ったからだ。

なかや君は大臣秘書官等、私の元で政治を学んだベテランだ。今後、都議会の中で自民党が埋没しないためにも、彼に期待する面が多い。どうか都民のために正々堂々の発言で存在感を一層増して欲しいと祈らずにはいられなかった。


戦いすんで日が暮れて・・・、空しさは残るが、気分を転換させて、次の仕事に取り掛からなければならない。幻冬舎から出す新刊「それでも すばらしい日本人(課題)」の最終校正、松村先生に依頼されている300号の黄龍の作成・・・、ありがたいことに、私にはやるべき仕事が山積し、休む暇はないのである。