第756回「茶番はやめ国難に備えよ」

 深谷隆司の言いたい放題第756回

 「茶番はやめ国難に備えよ」


衆参両院の予算委員会証人喚問を4時間、あくびを我慢して見ていた。佐川氏の答弁に「茶番じゃないか」と野党から野次が飛んでいたが、あの委員会そのものが全くの茶番であった。

6野党の議員が23日と26日、大阪拘置所の籠池被告と接見し、さも新しい事実を得たかのような発言をしていたが、「隠し玉」なども皆無であった。大体、詐欺罪で起訴されている人物と接見して真実が明らかになる筈もない。ただの思わせぶり、陳腐なパフォーマンスに過ぎなかった。

19日に新たに提示した削除文書によると、土地を所有していた国土交通省航空局がごみの撤去に費用がかかるとして、自ら8億円余の値引きを見積もり、財務省近畿財務局に提案していた。こんな一地方の些末なやり取りに安倍首相や、まして安倍夫人が関わることなど、元々考えられないことではないか。

虚言癖の籠池氏の言葉が確認も無く一方的に流され、まるで魔女狩りのようにメディアも加わって総理夫人の介入が喧伝されて来た。1年余も続く追求だが何一つ具体的な証拠も出されていない。明らかな人権侵害ではないか。

真実がどうかではなく、安倍政権のイメージを悪くさせるだけが野党の狙いなのである。


証人喚問が行われているまさにその時、金正恩朝鮮労働党委員長が電撃的に訪中し、習近平国家主席と会談したと報道された。2013年、中国とのパイプ役であった叔父の張成沢を処刑して以降、最悪の中朝関係であったが、金正恩が最高指導者に就任以来、初の外国訪問が中国とあって本当に驚かされた。

南北首脳会談、米朝首脳会談の前に、中国に頭を下げることよって、安全保障問題、経済問題を打開しようとの「したたかな魂胆」だ。

このことによって中国が再び北朝鮮に影響力を持つようになれば、朝鮮半島情勢は新たな局面を迎える。日本への影響は大きく、心配の種はひろがる。

折からトランプ大統領は、鉄鋼、アルミニウムの輸入制限措置に署名した。日本について除外を求めたがトランプ大統領は極めて冷ややかであった。彼が仕掛ける貿易戦争では、日本も標的の一つであって、本当に信頼関係があるのかわからない。いざとなったら「同盟」も怪しいものだ。

安倍首相は就任以来、世界を飛び回り、国際的成果を挙げてきた。おそらくこれだけの外交手腕を持つ総理は少ないのではないか。

世界の中でしか生きられない日本にとって、厳しい環境が深まる中、いつまでも不毛の議論を繰り返す国会であってよいはずがない。

もう茶番はやめて、与野党一致結束して国難に備える議論をして欲しい。そう願うのは、決して私一人ではないと思うが・・・。




第755回「人間の器」

 深谷隆司の言いたい放題第755回

 「人間の器」


麻生太郎財務相が、19日から20日にかけてアルゼンチンで開かれるG2020ヵ国・地域、財務相・中央銀行総裁会議)を欠席することになった。

私の大臣時代も、社会党を中心に野党はなにかにつけて国際会議出席を拒み、いつもぎりぎりのところで出発したものだった。

今回の会議ではマネーロンダリングが懸念される仮想通貨の規制が大きなテーマだが、世界に先駆けて業者の登録制を導入した日本は、議論を主導する立場であった。世界の中でしか生きられない日本にとって、国際会議はまさに重要な場で、これに出られないのは国家にとって大きな痛手になる。


国会空転のあおりで予算関連法案の審議が遅れ、3月中に成立しなければ期限切れになるものもある。待機児童解消策を盛り込む子供・子育て支援法改正案などはまだ衆議院も通過していない。それにしても良識の府と言われる参議院は一体どうなっているのか。これでは又参議院不要論も出てくるのではないか。

財務省の決済文書改竄などはもってのほかで、官僚の姿勢を問い、責任を追及することは必要だ。しかし、国家国民にとって大事な問題がそのために滞るようでは本末転倒なのである。


安倍総理は昨年217日の衆院予算委員会で「私や妻が、認可あるいは国有地払い下げに一切関わっていないことは明確にしたい。もし関わっていたのであれば総理大臣を辞める」と答弁している。この内容はよほどの確信と覚悟がなければ言えないことだ。政治家として人生をかけたこの言葉を私は信じたい。


今流行の「忖度」が役人の一部にあったであろうことは想像に難くない。しかし、法を犯してまで総理を庇おうとするのだろうか。あり得ない事だ。

もっとも卑劣な人物は籠池氏で、彼が人の善意を利用して、あらゆる手練手管で有利に国有地払い下げ交渉を行ったことは明らかだ。いずれ司法の手で事実が解明されていく筈、期待して推移を見守りたいと思う。


それにしても外野もかまびすしい。特にメディアは無理やり安倍首相夫妻に結びつけようと躍起だ。産経新聞の「極言御免」で「魔女狩りか集団リンチのようにすら映る」と書いていたが私も同感である。

小泉元首相も含めて色々の人が発言している。盟友であった山崎拓氏までが、石破派集会で政権批判をしていた。引退をして何年も経つのに、何事につけてもしゃしゃり出る姿は未練がましいし、人間の器が問われる。長老格として国家のために、陰で指導、支えることが出来ないのだろうか・・・。




第754回「感激の日々」

 深谷隆司の言いたい放題第754回

 「感激の日々」


37日午前11時から、両国国技館において「自治体消防制度70周年記念式典」が、天皇皇后両陛下御臨席のもと盛大に開かれた。

両陛下のすぐお側に、安倍総理はじめ三権の長と共に私も自治大臣経験者として壇上に並んだ。

式典は40分程度だったが、両陛下が御退場の時、2万人を越える参加者に、名残惜しげにお手を振られた。そのお姿に、生前御退位を思い目頭が熱くなった。

式典前の控え室には、秘書役の和泉君が思わず「すごい顔ぶれ」と言ったが、歴代大臣が揃っていた。その中で私は大長老、皆が久しぶりの私に「先生は若い」と盛んに言い、私を囲んで何度も記念写真を撮ってくれた。照れくさいやら嬉しいやら・・・であった。

2001年の省庁再編で、郵政大臣、自治大臣(いずれも私が経験者)が廃止され、今は総務大臣となっている。今回の主催者は野田聖子総務大臣だ。

旧内務省の流れをくむが、かつての内務大臣は実質上の首相で、初代は明治維新の三傑の1人大久保利通であった。私の大臣時代、後ろに大久保利通の揮毫が飾られていた。大臣の机は暴漢の刃から守るためにびっくりするような大きさだったが、今もその明治時代の机が使われているという

安倍総理が親しげに声をかけてくれる。大島衆議院議長は「この国技館を一杯にしましたね」と私の後援会大会のことを言われた。よく覚えてくれたと感心したが、実は蔵前国技館のことであった。


5日は正則学園高等学校の卒業式、私がこの学校に関わって50年近くなる。

長い間,理事、後援会長を勤めていて、生徒達を迎え、送り続けて来た。今では珍しい男子校で、塩澤理事長、金子校長が質実剛健をモットーに頑張っている。

卒業生に「親にとっては自慢の息子たち、私から言えば、君たちは国の宝、素晴らしい人生を送って欲しい」と檄を飛ばした。


6日は自民党政経塾の卒業式だ。私が塾長をつとめ、小田全宏君が塾長代行で12年目が終わる。常に定員の倍の塾生が集って、既に2000人に及ぶ人達が学んできた。国会議員12名、地方議員は170人になるが、他の分野でもリーダーとして活躍している。「今時こんな素晴らしい人達がいるのか」といつも感心している。渋谷の「温故知新塾」の塾長でもあるが、「育するを楽しむ」で、彼等といる時が至福の時である。

最後の打ち上げの宴では、私の前に行列が出来て、握手を交わしたり、写真を撮ったり、本にサインをしたりで名残は尽きなかった。惜別の情を抱きながら、本当に感激の日々だと幸せを噛みしめているのだった。