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言いたい放題 第40号 「夫婦別姓は誰も幸せにしない」

 民主党が選挙のマニフェストに載せず、法律化しようとする動きのもう一つは、夫婦別姓の民法改正案である。
 さきの外国人参政権にしても、夫婦別姓にしても、元々民主党の政策集に書き込まれていた。それをあえてマニフェストから削除したのは、国民の中に賛否両論があるからで、つまり選挙に少しでも不利になるものは避けるというのが本音である。
 だとするならば、政権をとったからといって、これを直ちに持ち出し、法制化しようとするのは、選挙民に対する欺瞞ではないか。
 現行民法では、その750条に、婚姻時に夫又は妻のいずれの氏を選択する夫婦同氏原則の規定となっている。
 今回、鳩山政権下、法務省が出そうとしている改正案は、選択的夫婦別姓制度の導入で、別姓を選んだ夫婦の間に複数の子が生まれた場合、子の姓は夫婦どちらかの姓に統一することなどが盛られている。
 勿論、鳩山首相は賛成だが、亀井金融相は反対を主張するなど、外国人参政権と同様、政権の内部も意見はマチマチである。
 今までなら、こうした状況を「閣内不一致」といって野党の格好の攻撃材料となり、議会で糾弾されるのだが、与党は圧倒的多数にあぐらをかいて平気な顔、野党自民党にも残念ながら追求の気力迫力が無い。
 もっとも、この夫婦別姓問題は、自民党の中の意見も色々で、必ずしも反対で統一されている訳ではないから始末が悪い。

 私は、この問題は、国や社会の基本を「家族単位」とみるのか、「個人単位」とみるのかの考え方の違いであると思っている。
 一般的に、このテーマの当初は、男女同権思想から出発したといわれている。
 女性が次第に社会に進出していく中で、結婚すると女性は姓が変わるが、男性は変わらない。女性の権利の侵害だという声である。
 しかし、この主張は、今の制度の上でも実は必ずしも正しくはない。夫婦どちらの姓にしてもよいことになっているし、生活上不都合が生じるからと、女性が自分の名を引き続き使いたければ、現法でも、「通称」は許されていて可能なのである。
 社民党党首である福島瑞穂女史は、夫婦別姓論者だが、彼女の著書の中で、家族の基本型は無いとして、シングルマザーも独身者も、「一人家族」としている。複数で構成する共同体を家族というのだが、一体何を考えているのか分からない。
 左翼的イデオロギーから個人主義を貫けば、家族という共同体は崩壊していく。それが目的なのかと勘ぐりたくなるが、もしそうなら大変なことである。
 かつて、日本の良さは家族がしっかり結ばれているところにあるといわれ、家族が社会を構成し、国をつくっていて、これこそ日本のアイデンティティといわれたものだ。

 私の場合、第2次大戦の終焉を遠く満州で迎え、1年後、まさに命がけで日本へ引き揚げて来た。あの時代、中国の幾山河を越え、飢えと不安に耐えて帰国出来たのは、両親が必死で子供を守ろうとし、子供らも、その親の愛を信じて夢中で従って来たからである。もしあの家族愛がなければ決して生きて帰ることなど叶わなかった。
 戦後の日本での暮らしも、今では誰も想像出来ない程の赤貧状態が続いた。その頃はどの家も同じような貧しさだった。
 父は5人の子供を育てる為に、馴れぬにわかづくりの靴職人になって、母と一緒に夜なべ仕事に励んでいた。
 木造ボロ家の都営住宅で、私と弟は戸棚の上下を勉強部屋にして、両親の期待に応えなければと学んだものである。
 夜中12時近くになってようやく仕事が終ると、皆で近所の公衆浴場へ行き、仕舞い風呂に入り、戻ると父は晩酌を楽しんだ。
 食事時、母は父には必ず子供達より多いおかずを用意したが、我々にとっては、私達の為に働いてくれる父親なのだから当たり前のことと、何の不自然さも感じなかった。
 父は、一杯飲んで酔うと上機嫌になって、決まって口三味線で都々逸などをくちづさむ。
 華やかだった戦前を思い浮かべて、その頃のことをよく語ってくれた。現実の不遇さや苦労を愚痴ることなど一度もなかった。
 いつの間にか中学生の私や小学生だった弟も、一緒に都々逸をうたい、覚えた。今でも私にとって得意の十八番で、酔うと亡き父と同じように名調子?で都々逸をうたう。
 こうした一家団欒の時は、日に一度は必ずあって、親を敬い、子を慈しむ心を、いつの間にか、その中で学び身につけていったように思う。
 一方、厳格な父でもあって、男の私達に何か誤りがあると、時々鉄拳が飛んだ。父の、「恥を知れ」という言葉は今でも脳裡に刻み込まれている。
 「今は貧しくても、必ず骼iらが世に出て、深谷家は盛んになる」、父母は口ぐせのように願いをこめて私に語ったものだ。必然、私も期待に応えたいと努力を重ね、振り返れば長い政治家としての道をひたすら歩んで来たものだ。
 私や弟妹達にとって、「深谷」という名の家庭は、人間の営みに必要な、あらゆることを学ぶ教室であった。
 藤原正彦が「国家の品格」の中で、いみじくも述べている武士道の精神「慈愛、誠実、忍耐、正義、勇気、惻隠、名誉、恥」など、あらゆるものを、いつの間にか家庭の中で学んでいたのだ。
 両親共、格別に学問を積んだ訳でもない。恐らく秩序だって、計画的に教えようとしたものではないと思う。家族の自然の営みの中で、無意識のうちに、人はどうあるべきかを身に付けていったのではないかと思う。

 評論家の櫻井よし子女史は、「夫婦別姓法案の源をたどれば、その考えは戦後の占領政策の下で行われた徹底的な家族制度の破壊に行き着く。現在私達が直面する多くの問題が家庭の破壊に端を発するという側面を持つのは周知の事実だ」と書いているが、まさにその通りである。
 例えば、今、福祉制度は財政面も含めて崩壊寸前にあるといわれている。しかし、少子高齢化が加速する時代、国が全ての面倒を見ることなどとても不可能なことだ。
 本来は、家族や親戚の助け合いこそが中心で、その補完をするのが国の福祉制度なのである。家族が崩壊し、その役割を果たせなければ、当然国の福祉制度は破綻する。
 近年、少年犯罪の低年齢化の流れは大きな問題になっている。
 本来、家族がしっかりして深い愛をもって子供を育てれば、少年は非行に走らない。勿論これが全てとはいわないが、親の愛情不足、これが彼らを孤独にさせ犯行を起させる最大の原因となっている。
 いずれにせよ、家族の絆が壊れていくことが、日本の様々な問題を惹起している。
 私達はこの現実を看過してはならないのだ。

 東京女子大学の林道義教授は、夫婦同姓は単なる形式ではない、家族統合のための大切な「象徴」であり、日本文化の基本の型だと書かれている。
 「どんな集団や組織にも必ず統合の為の象徴があるし、どの国家も象徴としての国旗と国家がある。それは同じ集団に属するという意識を高め、きずなを強める働きをしている・・・」
 われわれの先輩達が長い年月をかけて築き上げて来た価値観、まさに日本の文化文明を反映している家族制度を、様々に理屈をつけて、今、簡単に崩してはならない。
 
 民主党が安易に夫婦別姓を国会に提出し、決めようとする態度は許せないし、連立を組む左翼的イデオロギーの人達が、何を目論んでいるのかも気がかりだ。
 ここは、じっくり腰を落ちつけて、みんなで何が正しいかを見定めたいものだ。


言いたい放題 第41号 「ハレンチ中井大臣、辞職せよ」

 数日前、週刊新潮からの取材があった。
 「深谷さんは、かつて国家公安委員長という大臣をやられましたが、その役割をお聞かせ下さい」というのだ。
 なんでだと聞いたら、実は、鳩山内閣の中井洽国家公安委員長にまつわる女性とのスキャンダルだというのだ。これには、ビックリした。
 すでに書いたように、今の民主党をあらわす「ゼネコン、マザコン、日教組」の3大ばなしに、今度は、女性スキャンダルかよと、いささかあきれて絶句してしまったのである。
 記者が私に一番聞きたかったのは、日本のセキュリティを預かる中井大臣の危機管理能力が皆無なのだが、それでいいのかという点であった。
 勿論、お話にならないことで、まず国家公安委員長は、全国25万人の警察官の頂点に立つ、いわば親玉で、それが、公序良俗に反する行為など許される筈もないことなのだ。
 女性とのみっともない関係は、その後発売の週刊新潮4月1日号に詳細に出ているので見て欲しいのだが、なんと、くだんの女性に赤坂の国会議員宿舎のカードキーまで渡し、何度も宿舎に出入りさせていたのだ。
 家族や秘書といった関係者以外の人にカードキーを渡すこと自体違反だが、国家の機密を知る立場の大臣だけに、どんな秘密情報が流れるか分からない。実は重大な話なのだ。
 私が同職にあった時、絶対に必要なことは、常に機密を保持することであった。
 総理を中心とする安全保障会議のメンバーでもあり、警察関係だけではなく、国の安全問題まで含めて仕事の範囲は広い。
 あらゆることを知る立場にあるのだが、あえて捜査等、具体的な警察業務については首をつっこまない。「君臨すれども統治せず」の立場を常に堅持したものである。
 自分の愛人が議員宿舎に勝手に入れるということは、彼の持つ様々な資料にも目を通せるということで、こんな危険なことはないではないか。
 彼は、羽田内閣では法務大臣もつとめているが、細川政権といい、鳩山政権といい、こんな危ない大臣を抱えていたとは、まずその内閣の価値や品位が問われるというものだ。
 彼は現在、防災担当大臣や拉致問題担当大臣も兼ねている。
 女性とデートして、映画を観ていた3月14日、震度5の福島県沖を震源とする地震が発生している。一体、こんなお粗末な人が大臣とは・・・。もはや言葉もない。
 中井大臣は、24日、平野官房長官に呼ばれ説明を求められたのだが、記者団の質問に「何か問題があるのか、私は独身だし、飲み食いは全部自分のお金だ」と、訳の分からないことを口走っている。
 確かに現在は独身には違いないが、良妻と評判だった奥さんは、平成10年、自ら死を選んでこの世に居ない。
 「大臣を辞めないのか」との質問にも、「なんで辞めなければいけないんですか」と逆ギレの答えしか返ってこない。
 ちなみに、週刊新潮での私のコメントは、「国民の安全と安心を守るべき立場にある者が、女性を宿舎に連れ込んだり、カードを持たせたことが事実であれば、直ちに大臣を辞めるべきです」。
 30分以上語ったのだが、出たのはわずか6行だけ、少し残念だが、一番言いたかったことは、鳩山首相が直ちに辞めさせるべきだということだから、まあ、私の意は通じるか、といったところである。

 私に言わせれば、こんな大臣はすぐ辞めさせるべきだし、なによりも政治家の資格なし、代議士も辞めるべきだと思っている。
 さて、中井氏、一点の良心が残っているか、鳩山首相に決断力があるのか、ここは注目しなければならないことだ。


言いたい放題 第42号 「閣内対立のお粗末」

 亀井静香郵政改革相の独走ぶりと、鳩山首相の相変わらずの対応で民主党は揺れている。
 マスコミは、亀井発言を聞いていないと反発する菅・仙谷大臣のことをあげて、閣内対立と大きく取り上げているが、元々、水と油の人達だ。政策の一致で結ばれている訳ではないのだから、対立するのはむしろ当然の姿と私は思っている。
 小泉元首相が、郵政民営化を進めたのは、官から民への変革を主張した結果であった。
 かつて私は、郵政大臣として郵政事業の発展の為に大いに活躍したことがある。
 前島密翁が全国に広げた通信網は、中央の声を地方に伝え、一方、地方の声を中央につなげ、近代日本の基盤をつくった。
 資金力の無かった時代、地方の篤志家が土地やお金を提供し、つくり上げた全国2万4千以上もの郵便局網は、過疎の地域を支え、国全体のバランスを保たせ、その発展に貢献した。
 しかし、近年、時代の移り変りは早く、大きなうねりとなって、社会全体の仕組みを次々と変えていった。
 例えば携帯電話の驚くべき普及は、人々に手紙やはがきを書く習慣を失わせ、郵政事業の根幹を覆す状況をつくり出した。
 郵政公社時代、郵便局を中心に集めた郵便貯金や簡易保険の巨額の資金(350兆円)は、政府の財政投融資によって特殊法人などに貸し出されて、大きな効果をあげて来た。しかし近年は、これが無駄な公共事業等を続けさせる弊害を生んだと批判されるようになった。もっとも、これは郵政側ではなく使う側の責任だと思うが・・・。
 現在、郵貯・簡保の総資産は減ったとはいえ296兆円に達している。
 本来、これらの資金を企業や個人など「民」に流れるようにするのが民営化であったが、資金の活用や運用となると、元々融資審査能力の乏しい日本郵政グループには無理な話で、いきおい、「国債」の最大の引き受け手となっていく。
 なんと国債全体の約3割を保有しているのだ。これでは資金が官に流れている構造は少しも変わっていないということだ。
 今回、亀井氏は、ゆうちょ銀行の預け入れ限度額を1,000万円から2,000万円に、かんぽ生命保険の保険限度額を1,000万円から2,500万円に引き上げるというのだが、一体、集めた膨大なお金をどうしようというのか、そこのところが全く分からない。
 もともと民主党は、預け入れ限度額を500万円に引き下げよと主張していたのだが・・・。
 今度のことで一番危機感を持っているのは、金融界、とりわけ地方の中小信用金庫や信用組合だ。
 かつて1990年代のバブル崩壊後、個人の金融資産が政府保証のついていた郵貯・簡保にどっと流れ込んだ苦い経験があるからだ。
 その上、全国一律サービスを維持するのに必要なコストをまかなう為に、グループ内取引にかかる消費税500億円を免除する案も浮上しているというのだ。
 亀井氏の思惑は、おそらく小沢氏と共通するものがあると私は思っている。
 すなわち、選挙を有利にさせようという考えだ。
 全国郵便局長会は50万票持っているといわれ、その集票能力はとてつもなく大きい。参議院選挙を第一と考え、これに自分の命運をかけている人にとって当然大変な魅力なのである。
 新トロイカといわれている菅・仙谷氏らが、一斉に異論を唱えているが、国の将来を考えた時、彼らの主張は今回の場合正しいといえる。
 肝心なのは、鳩山首相の対応だ。亀井氏は、首相の了解を得ていると何度も繰り返し言っているが、いくら亀井氏でも首相の了解無くして、こんな重大な発言をするとは思えない。
 鳩山氏は「了解を与えていない」とあわてて否定しているのだが、相変わらずの迷走ぶりが目立っている。
 郵政民営化は、現実にすでにかなり進んでいる。これを戻そうとすることは、もはや無理な相談だ。
 選挙の為に、時代の流れを止め、これを逆行させようとの発想は、土台通る筈がないことは自明の理だと私は思っている。


言いたい放題 第43号 「花の京都へ再び」

 半年ぶりに京都へ行き満開の桜を楽しんだ。3月末から4月3日までの、珍しく長い3泊旅行であったが、曇、雨、晴とお天気も日替わりで、お陰で微妙に異なる桜の各々の風情を楽しむことが出来た。
 その後の土曜・日曜日となると全国から集る人々々で、桜を愛(め)でるどころではなくなる。場所によっては、まるで隊列を組んで、ひたすら歩くだけといった光景になる。
 あと何日かすれば一気に潔く散ってゆくのだが、今は「さぁどうだ」と言わんばかりに咲き誇っている。
 前にも書いたが、坂村真民氏の詩が脳裡をかすめる。「花は散っても悲しくない、ただ一途に咲いたことを喜ぶのだ」。本当にそうだなと改めて思った。
 女房の好きな醍醐寺、天龍寺・・・、私が好んで必ずいく哲学の道・・・、いずれも何種類もの桜が迎えてくれて存分に満喫することが出来た。

 今回、訪れた理由の一つは、今年10月に行う京都での私の講演打ち合わせの為であった。
 京都御所蛤御門前に護王神社があるが、この文室隆紀宮司からの依頼である。
 かつて明治23年(1890年)、時の山縣有朋内閣は、教育に関する勅語(いわゆる教育勅語)を発表したが、丁度、今年で120年目を迎える。10月29日には祭典行事があるが、その記念講演を私が行うことになっているのだ。
 教育勅語は明治天皇が国民に語りかける形式になっていて、12の徳目が明記され、これを守ることが日本国民の伝統であるとし、最後に天皇自らがこれを守る為に努力したいと誓って締めくくっている。
 日本が終戦を迎えると、マッカサー元帥の下、日本を事実上占領統治した連合国軍最高司令官総司令部(いわゆるGHQ)の命によって、教育勅語は失効させられた。(一応、衆議院、参議院で可決された形はとっている)。
 理由は、一口に言って、軍国主義教育はけしからんということであった。
 確かに一部に悪用された部分があることは否定しないが、改めて読み返してみると、国民の道徳のあり方を明確に示していて、その指導原理は、混迷を続けている今の日本にとって必要なことと私には思えてならないのである。
 ちなみに、私が塾長をつとめている自民党政経塾には、授業開始前に全員で唱和する「塾訓」がある。私が作ったものだが、教育勅語とその志すものは同じである。
 親を大切に、兄弟仲良く、夫婦は仲睦まじく、友達は信じ合い、広くすべての人に愛の手をさしのべる・・・云々。
 私自身、この徳育をより多くの若者達に伝えなければと考え、具体的に実践しているだけに、講演依頼に喜んで応諾したのであった。
 あぁ、又、10月に京都に来られると、特に喜んでいるのが女房であることは言うまでもない。

 白川の清流のほとり、辰巳神社を歩いている時、ヤサカタクシーの車が近寄ってきて、私達の横で止り、運転手さんがニコニコ笑いかけてきた。
 今回の京都旅行で強く感じたのは、どのタクシーに乗っても運転手さんが愛想がよいという点だった。特にMKが抜群でその次ヤサカタクシーだ。
 なんだか知らぬふりをするのも悪い気がして、その車に乗り込んだのだが、開口一番、「いやー、深谷さんを乗せられて嬉しい」。
 田中角栄の熱烈なファンだったが、その次がどうやら私だということらしい。
 知恩院に着くまで、彼は政治を語り続けその博識ぶりにはびっくりした。
 「去年10月、深谷さんが四条の井澤屋さんに入るところを見かけたんだ」。私は思わずのけぞった。まさに驚きの連発、これぞ決定打だった。
 井澤屋は京織物、袋物等の名店で、京都へ行けば必ず立ち寄る。もう20年以上になるが、ここの御主人と奥さんは、いかにも京の人といった落ち着いた品の良さがあって、大した買い物もしないのに、いつも良くしてくれる、私達の好きな店なのである。
 「ここで別れるのは残念です」、最後の運転手さんの言葉に、なんだか胸が熱くなった。

 やっぱり花よりだんご、相変わらず食べる飲むこと大好き人間の私、今回も色んな店を訪れたが、大阪の松本隆三御夫妻に案内された「未在」が最高だった。
 円山公園の敷地内にあるこの店には、前に一度、今回と同じ顔ぶれで訪ねたことがあったが、最初正直、あまり気に入らなかった。
 なによりも、時間が来ないと中に入れてくれない。食事の前にはお酒を飲ませない。わずか10数人のカウンター席なのだが、全員が揃わないと料理が出ないのだ。
 ところが、なんと昨年10月に出されたミシュラン京都版で、わずか6件しか選ばれない三つ星に輝いたのだ。
 松本さんが申し込んでくれたのだが、ようやく席が取れたのがなんと4ヶ月目であった。小雨の中、店の近くまで行って迷って電話を掛けると、白い清潔な作業着の若い板前さん2人が傘を持って出迎えてくれた。おや、前と違う雰囲気ではないか。
 すでに客も揃っていて直ちに料理がスタートする。まず炊きたてのご飯と汁、向付が出るが、これは茶事の作法に則っているとか・・・。
 お造りは豪勢に盛りつけられ、一つ一つの産地が説明される。醤油は使わせず自家製の昆布だしを使ったゼリーで味わうのが美味しい。
 出される料理はどれも絶妙な味付けだった。かけ値なしに、これぞ京懐石の名店と感嘆したのであった。
 帰りは雨の中、又2人の若い衆が車まで傘を差し掛けて送ってくれる、礼儀正しい。
 時間厳守だとかなんとか、こっちは客なんだと立腹した去年のことを思い出す。
 頑固、無愛想と思った店主も、実は生真面目で客のためにひたすら一生懸命。やたら愛嬌がありすぎてうるさくされるより、かえって心落ち着けるのかもしれない。
 もともと客は勝手、客種も様々だから、料理を作ったり客の応対したり、料理長・店主も大変な商売で、私にはとても無理な話ではある。
 ちょっと私も、客として三つ星を取らなければならない年頃かな、と思ったりした。
 京都はいいなぁ、花もだんごも、同じように好きだ。

言いたい放題 第44号 「何故、今 毒ギョーザ犯人逮捕」

 本当に言いたくないのだが、中国という国は変な国だ。どうも信用がおけない国だ。
 例の毒餃子事件である。
 事件発生からなんと二年以上経っているのに、今になって何故か犯人逮捕なのだ。
 河北省にある「天洋食品」の餃子に「メタミドホス」という農薬殺虫剤が含まれていて、千葉と兵庫で計十人も中毒症状をおこして入院、中には重体となった人もいた。平成二十年一月のことである。
 当時、中国の捜査の最高責任者、公安省刑事偵査局長は作業チームを引き連れて来日、帰国後の記者会見で、中国製造元での混入という日本側の見解を否定し、中国で混入された可能性は極めて少ないと語っている。しかも、日本の警察庁の協力があまり得られなかった等、勝手なことを一方的にまくしたてていた。
 また、中国の国家品質監督検査検疫総局(厚生省)も、天洋食品の工場長もまるで被害者のような物言いで否定した。
 それが一転、中国政府の急な方針転換である。一体なんだと思ったのは私一人ではない。呂月庭なる臨時工を犯人として逮捕、犯行に使われた注射器も下水道で見つかったという。
 そもそも、水溶性の高いメタミドホスが残留していたなどあり得ないし、同じ下水の中に二年前の注射器が流されずにあったということなど、どう考えても眉唾物だ。
 中国は密告の国である。実は呂は事件直後から名前があがっていたというが、今回はどうやら親族の者からの密告で逮捕されたようだ。
 なにしろ、八百万円を超える懸賞金がついている。中国では情報提供者に懸賞金を付けるというケースはよくあるが、極貧の者にとってお金で身内を売るぐらいは簡単なことなのだ。しかし一方で、呂はスケープゴートあるいは替え玉説まで色々だ。
 それにしても何故二年も経って?との疑問は消えない。五月一日から上海万博があり、それを盛り上げるために温家宝首相の来日、鳩山首相訪中があるが、こうした日中外交の地ならしではないかという説もある。しかし今、毒餃子は中国側の責任を明確にしたら逆の結果になるのではないかとも思うのだが・・・。
 折から、四人の日本人死刑囚が刑を執行された。日本と違って覚醒剤密輸の罪は非常に重い。これは当然だとは思うが、中国には覚醒剤だけでなく、六十八種類もの罪に死刑が適用されるという。死刑大国、こんな国は世界でもまず例が無い。
 今回の日本人の死刑執行にも、前述と同じ理由で、今何故という疑問符がつく。
 毒餃子事件の時、世論調査で実に七割の日本人が中国が嫌いになり、中国産のものは食べていないと答えている。今度の逮捕発表で日本人の気持は、さてどう動くのか。
 隣国中国とは、あらゆる点で深い関わりがあり、仲良くしなければならないと思うのだが、やっぱり変な国だなと、一歩ひく思いが私には残っている。
 六百人も引き連れ媚中外交の好きな小沢一郎さん、あなたはどう思っているのか、聞きたいものである。

言いたい放題 第45号 「五月下旬 拙著出版します」

 テレビの世論調査によると、いよいよ鳩山内閣の支持率は30%を割った。
 一方、低迷を続けて来た自民党支持率も、ようやく上向きになって、調査によっては、政党支持率で自民党が逆転する状況となっている。
 鳩山邦夫氏の離党に続いて、与謝野馨氏や園田博之氏の離党となって、一体どうなっていくのかと心配だったが、それでも少しずつ回復しつつあることは嬉しいことだ。
 この際、自民党の勢力拡大の為に、党員獲得運動を展開したいと、過日、三区の政経塾出身の区議や中屋文孝都議を集めてはっぱをかけた。
 政治の世界で大事なことは、自信と誇りをもって前進を続けることだと思っている。

 鳩山政権になって半年、今、一番多く言われることは日本の将来への不安だ。
 このままでは、日本が壊れていく、子や孫のことを考えると心配でならないという声が私にもかなり寄せられている。
 「こんな時、深谷さん、あなたが頑張ってくれなければ」ともいわれるのだが、その私は選挙で落ちて、目下無冠の身。「そう言われてもねぇ」と困惑しきりといった具合である。
 いずれにしても、戦争で何もかも失った日本を、ここまで発展させて来たのは、我が自民党であった。この数年、総理大臣のあまりに短い交代や、言動の軽薄さが目立って国民にすっかり嫌われ、ついに政権の座を明け渡してしまった。しかし、その民主党の為体(ていたらく)ぶりをみて、やっぱり自民党と思う国民が増え出したということなのであろう。
 この原稿を書いている時に、秘書から電話があって、自民党政経塾の入塾希望者がすでに二百名にも及び、定員の二倍、満員で「どうしましょうか」というのである。来年は地方選挙もあり、今後、更に増え続くと予想されているともいう。
 私が塾長になって五年目、精根を尽くし努力して来たが、毎年増加の一途をたどり、今や、大変な人気となっている。いささか鼻を高くしているが、こんなに期待されたら逆に責任重大、私の心中はまさに「うれしい悲鳴」をあげているといったところである。

 ところで、世の中、現金なもので、自民党が政権を追われると、手の平をかえすように、距離を置こうとする団体が出てきたりする。
 自らの集団を守る為には、時の政権に出来るだけ近づいた方がいいと考えるのは当然だから、政権を追われた自民党の方が悪いのだが、そうはいっても寂しい限りだ。
 一番近い存在だったのが、日本医師会だが、会長選挙で私達を最も理解してくれていた唐沢祥人氏が敗れ、民主党支持派の茨城県医師会長原中勝征氏が当選した。
 小沢一郎幹事長を中心に、支持団体の仕分けが猛烈で、民主党を支持しないところには露骨な冷遇処置が始まっている。
 日本の医療全体を議論する中医協(中央社会保険医療協議会)から「日医」をはずすという極端な動きもあったが、今度の会長選挙にこれが大きく影響したことは間違いない。
 歯科医師会は、いち早く民主党支持に舵を切ったが、診療報酬改定で直ちに有利になった事実もある。
 幸い、私の地元には早くから「区民の健康を守る会」という団体が誕生し、今も強力に自民党を支持している。医師会、歯科医師会、薬剤師会、接骨師会と、健康にたずさわる団体が全て集っていて、ありがたいことに今も不動である。
 私の好きな言葉に「雨の降る時に訪ねてくれる友を大切にせよ」というのがあるが、逆境の時に支えてくれる人々を大事にしなければならないと強く思っている。
 いずれにせよ、自民党が頑張らなければこれからの日本は壊れる。
 こんな思いをこめて「えっ、こんな政治じゃ日本は駄目になる」と少し過激なタイトルの拙著を五月下旬に出版することになった。
 角川学芸出版からだが、一人でも多くのみなさんに読んで欲しいと、今から願っている。

言いたい放題 第46号 「鳩山政権資格なし」

 朝日新聞が4月17日、18日に行った世論調査で、鳩山内閣の支持率は25%まで落ち込んだ。
 すでにテレビの調査で23%という数字も出ているから、格別驚く
ほどのこともないが、国民の目にも鳩山内閣の駄目さかげんがようやく分かって来たのかという思いだ。昨年の選挙中から今日に至るまで、私が散々言ってきたことなのだ。
「一度ぐらいやらせてみては・・・」という安易な判断は、生きている国家国民を扱う政治を考えれば決してあってはならないことなのだ。
政治は「ためしに」といった言葉から簡単に変えてしまう世界ではない。駄目になった場合、日本の将来も含めてとりかえしがつかない事態となってしまう。
 まさに、今の危機がそうなのである。
 選挙目当ての甘言を重ね、明らかな利益誘導ですっかり国民を欺いたが、その気になって大量の票を与え、政権を獲らせてしまった有権者の責任も大きいと思うがどうだろうか。

 子ども手当にしたってそうだ。そもそもどこから毎年5兆3千億円ものお金を出せるというのか。
 15年も子ども手当をもらえば、2人子どもがいる家庭なら新しい家が建てられるが、その財源は国債という名の借金だ。一見、恩恵を受けたかに見えるその子達自身が、将来支払わなければならない理屈なのである。
 しかも、在日外国人の場合、自分の国に残した子供の分までもらえる。悪意を持って養子をつくっても申告すれば事実上支払われる。
 あきれた、いや馬鹿げた話ではないか。
 従来の児童手当への上乗せだという人もいるが、金額のケタが違いすぎるのだ。
 しかも、当初無かった、地方自治体や企業の負担を求める。これでは全く詐欺なのだ。新年度は支払額は半分になったが、次年度から公約の全額を支給するという。
 しかし、財源が無いのだから、そんなことは出来ない相談だ。
 全額支給は考えられないと、今から予言しておきたい。

 高速道路の料金無料化はどうなったのだ。
 今回発表された内容をみると、無料化どころか全体的には値上げだ。私がいつも利用している首都高速は、現在どこまで行っても700円だが、6月から始まる新料金になると、距離別料金が導入されるから最大900円になる。しかもETCを持っていない場合、初乗りから900円と三割の値上げだ。
 確かに一部無料化もあるがわずか18%にすぎない。しかも車利用者の少ないところばかりなのだ。新料金では八割の利用者が何の恩恵も受けないというのが実際なのだ。
 その上、前政権時代貯えてた3兆円のお金を新規の道路建設費にあてるという。まるで好き勝手、「コンクリートから人へ」など、全くの嘘っぱちなのだ。
 テレビ日曜討論で、民主党を除く各党から、次々と批判の声があがったが、出演している前原誠司国土交通大臣、何も語らずだんまりで押し通していた。
 
 その前原大臣、無駄なダムは建設させないと、大見得を切って全面見直しを進めてきた。しかし今年度予算で削減できたダム予算費は、全体で、前年度比のわずか18%にすぎない。補助ダムを求める道府県の圧倒的な抵抗の為である。公共事業の削減が続き、今や大不況を感じさせる状況の中で、地方にとって数少ない景気対策の側面があるだけに一歩も退けないのである。
 一番重要なことは、建設の大前提となる「洪水規模」の判断をどう想定するのか、これらの最大の基本的議論が後まわしになっていることだ。「公約あって政治なし」今の鳩山内閣の支持率が、益々下落していくのは当然だ。もはや政権担当能力も資格も無しと断言して間違いない。

言いたい放題 第47号 「至福の時」

 4月18日行われた佐賀県神埼市の市議会議員選挙で、私のTOKYO自民党政経塾出身の古川裕紀君が当選した。
激励の為書が欲しいというので送ったら、折り返し事務所に飾ったと写真が届いた。
 彼は36歳初出馬だが新人議員の中では一番で当選、息を弾ませるようにして喜びの電話があった。

 今、政経塾の5期生の募集が終わったところだが、なんと定員の2倍の200人を越える大盛況で、低迷自民党の中で唯一大人気なのだ。
 やっぱり塾長が良いからナ・・・、と思いたい。はっきりいって、私は次の世代を育てることに人生をかけて教えている。
 ともかく一層頑張らなければと、5月25日の開講式を今から楽しみにして張り切っているところだ。

 私の地元、台東・文京・中央の3区で、深谷政経塾以来の塾生19人が区議会議員として活躍している。
 今度、都議会議員の中屋文孝君を会長にして、「深谷塾議員の会」が発足した。
 去る4月17日、第2回の会合として連中と車5台を連ねて千葉県日帰り旅行を楽しんだ。
 本当は、箱根の私の山小屋でバーベキューを予定したのだが、なんと季節外れの雪で、急遽変更になったのだ。

 道中、東京湾アクアラインを通るのだが、折から民主党政権のインチキ高速道路料金無料化が話題になっているだけに、感慨深いものがあった。
 この川崎市から木更津市を結ぶ東京湾横断道路は、1997年12月18日に開通したのだが、その計画当初、私は国会議員として関わってきたからだ。
 景気対策とりわけ首都活性化の一環として、約1兆円をかけての建設計画だったが、実際には1兆5千億円に達した。
 川崎側の9.6kmはアクアトンネルと呼び、日本第3の長さだ。木更津側4.4kmはアクアブリッジと言い、これは日本第1位の橋梁だ。
 当初は普通車4,000円と高額の通行料だったから、不人気で予想の半分以下の通行が続いた。そこで平成12年から値下げをはじめ、政権交代直前の8月から更に下げ今800円にした結果、一気に交通量は1.5倍、1日3万7千台となり、目標をはるかに上回るようになった。
 道路料金の大きな参考材料である。
 木更津東口から千葉の友人内山健治郎御夫妻が先導して、まず味楽囲おびつ店へ。ここは地元消費者を中心に、農家の一番おいしい農産物を提供する直売店、JA君津運営のいわば地域農業の情報発信基地である。
 天候異変で、野菜高騰の時だけに、東京の三分の一の値段に一行大喜び、各々が沢山買い込んでいた。
 途中、小湊鉄道里見駅に立ち寄った。
 かの里見八犬伝の地域である。
 大正14年に開通した鉄道だが、一日乗客平均三十人で、なんとも素朴な無人駅である。(平成14年から)
 ただ近年、映画「東京タワー」で利用されるなど、度々テレビ撮影されて、話題の駅となっている。
 事前に伝えていたのか、10人くらいの地元の男女が親しげに迎えてくれる。
 土日になると近隣の人達がボランティアで駅に集る。キャベツやタケノコ等農産物を安く売り、おにぎり、おしんこ、焼き芋等は奥さん達自慢の手作りだ。特にチキンライスを衣で包んで揚げたコロッケは絶品であった。まさに地域おこし運動だった。
 鄙びた、そしてなんとも懐かしい古い駅舎を背景にして記念撮影、なんと地元の人達全員参加希望で皆一緒におさまった。
 この写真を駅舎に飾りたいと内山氏から申し出があった。
「さすが深谷先生、人気がある」と誰かが言ったが「ハイ、過去の栄光で生きてます。」少しギャグがきついが・・・。
 午後5時から「田奴久」という店で大宴会。
 野菜のかき揚げ、牛の煮込み、大トンカツ、おそば・・・それに加えて内山氏提供の伊勢エビ、たこの刺身と超豪華。みんな上機嫌で談論風発であった。
 お酒は持ち込みだが、「お一人3,000円です」と言われて、それもまたビックリ低料金だ。
 都心からわずか一時間以内の近距離、午後2時に出発して6時間の日帰り旅行が、こんなに充実したものになるとは思わなかった。
 千葉はいい、そして塾生の弟子達はもっと良い。
 私ら夫婦にとって素晴らしい至福の時であった。

言いたい放題 第48号 「日本が危ない」

 私が鳩山首相の一番嫌いな部分は、平気で嘘をつくということだ。
そして、もっと悪いことは、本人には、嘘をついているという痛痒が無いという点だ。「恥」という感覚が無いのだ。
 おそらく、お金持ちのボンボンとして、特に母親から何ごとも許され、男の子とはいえ「蝶よ花よ」と育てられて来たからではないだろうか。
 だから、自分の都合の悪いことになると「知らない」とか「僕は一生懸命やっている」とか「なんなら母に聞いて下さい」と、およそ一国の総理大臣としては考えられない幼稚な言葉が連発されるのだ。

 過日、ワシントンで行われた「核安全サミット」の折、鳩山首相はオバマ大統領と非公式会談を持った。実際は夕食会の席が隣同士になっていて、その機会をとらえて10分間程度話しただけでのことなのだが・・・。
 鳩山首相は記者団に対して、大統領に「5月末の決着に向けて努力している」と説明、その上で、「大統領にも協力を願いたい」と申し入れたと語っていた。日頃からオバマ大統領とは特別にいい関係とも吹聴していた。
 ところが、数日も経たぬ間に、大統領との会話は実はそんな好意的なものでは全く無かったことが明らかになってきた。大統領は何も進んでいないことに不満を言い、「きちんと最後まで実現できるのか」と鳩山首相への深い不信感を示したというのだ。
 鳩山首相は昨年11月の首脳会談の時、「トラスト・ミー(私を信じて下さい)」と、なんともみっともない発言をして話題になった。
 「信じて下さい」という意味を、米側は当然、日米で合意した普天間問題の決着を約束したと受けとめていた。
 ところが、日米両国の合意は一向に進んでおらず、それどころか次々と新しい移設先の地名が飛び出し、その度に反対運動が起こっている。
 そもそも、5月結着などということは、米のあずかり知らぬことで、
鳩山首相が勝手に言い出したこと。アメリカの苛立ち、不信、不満はつのる一方なのだ。大統領が首相個人に対して、こんなに不信感を口にすることは極めて異例だ。
 4月中に行う予定のキャンベル国務次官補の訪日もすでにとり止めとなった。行っても成果は考えられないし、下手をすると、うっかり協議のテーブルにつけば、結着していない責任を米側が押しつけられるのではないかと懸念しているからだ。
 鳩山首相はオバマ大統領とのやりとりについて、そんなことは言われていないと否定した。しかし、優秀な通訳がついているのだから首相に伝わっていない筈は無いと米高官は言っている。益々不満をつのらせているのだ。
 党首討論で鳩山首相は「(アメリカの新聞が書いたように)私はおろかな総理かもしれない」と自ら発言した。
 そんなおろかな総理ならおやめなさいと言いたい。
 こんな状況では日本が危ないからだ。
 世界から置き去りにされ、経済は勿論のこと、最も重要な、国の安全も保障されない。
 鳩山首相への一層厳しい評価が続いている。
 そんなことは、最初からわかっている、去年の選挙で私が散々言った通りではないか。本当に無念残念、切歯扼腕の思いである。

言いたい放題 第49号 「鳩山首相は辞任せよ」

 検察審査会は鳩山首相の偽装献金事件を不起訴相当と議決した。
 東京地検特捜部が嫌疑不十分として不起訴とした処分について、くじで選ばれた11人の市民が改めて審査するということで注目されていたが、これで法律上、幕引きとなってしまった。
 本来、母から首相に渡された12億2千万円にものぼるお金が、何にどう使われたのか、当事者の鳩山首相と母親の事情聴取も行わずに、ウヤムヤにされてよいのだろうか。疑問も不満も残っているというのが、ほとんどの人の思いではないだろうか。
 検察審査会は、11人のうち8人以上が起訴すべきだと判断した場合は「起訴相当」という議決を出し、その場合検察官は、その事件を再捜査し、3ヶ月以内に起訴するか判断しなければならない。
 起訴しなかった場合は、再び審査会がメンバーを変えて審査する。そこで再び起訴を求める議決をした場合は、その容疑者は必ず起訴されることになる。
 真実を求める上で、せっかく大きな力があるのだが、今回の結論をみて、本当に残念だった。
 ただ、事情聴取を行わず「上申書」で済ませたことについては、「その中味に疑問を投げかける声が少なからずあった」と議決書に異例の付言を加えていた。
 首相が母親から月1千5百万円ももらい、年1億8千万円もの資金提供を受けながら「全く知らなかった」と説明することに触れ、「素朴な国民感情としてこのようなことは考えられない。鳩山首相の一方的な言い分にすぎない」と指摘している。
 そこまで書くのなら、何故、起訴相当としないのか、どうしても納得できない。
 献金者として自分の名前を使われた人達から、「この判断にがっかりした」という声が上がっているとのことだが、もっともなことだ。
 秘書が政治家の罪をかぶったというのが実態で、これで逃れられたのではトカゲのしっぽ切りと同じである。
 鳩山、小沢両氏以下、民主党の議員は、これで終わりとホッとしているが、そんなことは許されない。
 首相の政治資金疑惑問題や脱税問題は、当然、引き続き国会で厳しく追及していかなければならない。
 政治家の説明責任は別の問題だからである。
 野党時代、秘書の犯罪は政治家が負うべきだと、あれだけ大見得を切った鳩山首相、一日も早く責任をとって辞任すべきだと、私は強く思っている。

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