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第251号 「経済界も三流か」

深谷隆司の言いたい放題 第251号
「経済界も三流か」

 世界経済が揺らいでいるが、そんな中、日本の経済界でこんなお粗末な不正がまかり通っていたのかと、あきれた思いでいる。
 1つは逮捕された大王製紙元会長の巨額借金事件と、オリンパスの巨額不正経理事件だ。

 リヤカーを引いて古紙を集め会社の基礎を築いた初代、ブランドを育て、業界3位にまで押し上げた2代目、そして3代目のバカ息子は会社法違反(特別背任)で逮捕された。
 大王製紙は和紙から洋紙に主力を移し、もっぱら新聞用紙でシェアを伸ばしたが、テイッシュペーパーのブランド「エリエール」で一気に有名になった。
 57年に始めたエリエール・レディースオープンゴルフが戦略的にも当って、61年にはテイッシュペーパー部門の国内シェア―トップにのし上がった。
 皮肉にも今年のそのゴルフ大会が終わるや、待っていたとばかりに会社が、元会長に対して刑事告発を行ったのだ。

 井川意高容疑者は典型的なボンボンで、まるで王族気取りで遊びまくった。それも半端ではなく、高級クラブで100万円を賭けてのじゃんけんを行ったり、はてはマカオやシンガポールのカジノにおぼれ、連結子会社からから借り入れた金106億8000万円の大半を使い果たしたという。
 おこぼれを貰った芸能人や政治家が大勢いるというが、一体誰なのかいずれ分かるから、どんな連中の名前が出るのか今から楽しみだという人も多い。

 親の育て方の典型的な誤りの見本みたいなものだが、子供の頃は蝶よ花よと可愛がり、愛媛から東京までジェット機で塾通いをさせたり、会社に入るやとんとん拍子に出世させ、42歳で社長に就任させた。
 これが帝王学と思っていたというのだから、親の無知にあきれてしまう。
 本人は東大に入ったのだから頭は良いのかもしれないが、人間としては最低の部類になってしまっていたのだ。似たような人は社会に多いが・・・。

 問題は、これほどの御乱行を父の隆雄氏は全く知らなかったということだ。「借入金をカジノで使っていたことも報道で初めて知った」「子会社から借金をしていることを知ったのは今年の3月」だという。
 こんな浮世離れした人がいるのか、私はどう考えても信じられない、これはきっと嘘に違いないと思っている。だから、この隆雄氏はじめ、他の一族が子会社などから金を借り入れたことは「一切ない」という言葉も全く信じられないのだ。
 いくら一族の力が強いと言っても、唯々諾々として金を出した子会社も断じて許されるべきではない。企業の倫理をわきまえない子会社の幹部も共に糾弾されるべきと私は思っている。

 もう一つは、オリンパス巨額不正事件だ。
 これを社内で追及した直後に、社長を解任されたマイケルウッド氏が日本に来て徹底捜査を求めている。もっとも、時事通信の報道によれば、この元社長は「不正を黙認する条件で企業の最高責任者(CEO)職を要求か」と言われている。彼は9月末に当時の菊川剛会長にCEO職を要求し、10月1日に就任している。そして同14日に解任されたのだが、この短時間の急激な移り変わりの中で一体何が起きたのか、何となく疑惑だらけといった感じではある。
 念のために書き添えれば、こうした内部告発は日本の法律で保護されることにはなっているが、保護対象は「労働者」で、社長は対象者になれないというのが一般的である。だから今度のように、現職の取締役がマスメディアを通じて内部告発したのは異例のことになる。

 24日に辞任した菊川前会長は、「損失隠しを知ったのは、最近になってからだ」と言っている。前述の大王製紙の父親と同じような言い方でびっくりする。
 皆「私は知らなかった」と責任逃れをしているのだ。
 オリンパスが損失隠しを始めたのは1990年代初頭の事で、いわゆる[飛ばし]という悪辣な手法である。
 損失を穴埋めするために、子会社を買収する時に投資助言会社に不当に巨額な報酬を支払ったことにし、あるいは企業価値を大幅に水増しし、こうして集めた巨額資金を「損失隠し」の総決算に使うのだ。
 オリンパスが損失の穴埋めに使ったと認めている2つの子会社だけでも、千数百億円に上るという。
 一体、当時の経営者たちは何を考えていたのだろうか。私が一番わからないのは、監査法人は何をしていたのか、主要取引銀行がなぜ見逃してきたのだろうかと言う点だ。

 オリンパスは世界的に知られた日本企業だ。疑惑がフィナンシャル・タイムス1面で報道されて以来、日本企業全体の国際的信用が失われたといっても決して大袈裟ではない。
 この際、徹底的に疑惑を究明し、このような事件が2度と起こらないようにすることが肝要だ。

 それにしても、近頃の道義の乱れはどうだろう。政治経済を問わず、その先頭に立つ人たちの言動も含めて、すっかり道義が荒廃しているように思えて心配でならない。
 日本の誇る武士道精神は影をひそめてしまったという感じである。
 私の今は亡き父は、いつも私に厳しく言っていた。大事なことは「恥を知ることだ」と。
 もう一度、日本人は、日本の誇るべき道徳観を呼び覚まし、あらゆる面において、世界に恥じないような国にしていかなければならないと強く思うのであった。

第252号 「どじょう政権は逃げの一手」

深谷隆司の言いたい放題 第252号
「どじょう政権は逃げの一手」


 臨時国会は延長しないと、8日、野田政権は決めた。
 私は大事な案件が沢山あるのに、「逃げたな」といった印象を持った。
 よく町の運動会などの催しに、「どじょうのつかみ取り競争」と言うのがあるが、ぬるぬるしてなかなか掴めず、最後はするりと逃げられてしまう、そんな光景が浮かんでくる。
 この臨時国会、野田総理は連日厳しい批判と追及に晒されてきた。耐えると言えば聞こえはいいが、要はのらりくらりと詭弁を繰り返し、ごまかしてきただけである。
 10月20日召集以来、総理が本会議や委員会で答弁に立たされたのは29回に及ぶ。大体、総理の答弁は週一回が相場だが平均週4回のハイペースだ。
 消費税増税、TPP、そしてなによりも閣僚達の資質問題、追求されるべき内容が山のようにあった。気の毒なのは支えるべき民主党が、まったくその役目を果たそうとしないとことである。なにしろ自分の党内ですら意思の疎通が図られていないのだから話にならないのだ。
 ご本人の不徳の致すところとしか言いようがないが、迷惑なのは荒波を羅針盤なしに彷徨う国家国民なのである。

 「貴方はその職に相応しくない」と何度も言われ、ついに問責決議案が可決されるところまで追いつめられた一川保夫防衛相、本人は「責任を問われる致命的なものは無い」とうそぶいて一向に辞めようとしない。
 就任時、「私は安全保障の素人」と言い、「だからシビリアンコントロールだ」と訳の分からないことほざき、国賓のブータン国王夫妻の宮中晩さん会を、仲間の資金集めのパーテイーに出席するためにさぼり、沖縄防衛局長の暴言更迭問題への対応のお粗末さなど、愚行暴言は数えきれない。
 米兵の少女暴行事件を「詳細は知らないと」答えた。あまり話題にはならなかったが、記者会見の時には、少女暴行事件の事を「乱交事件」とまで言ったのですぞ! 
 単なる言い間違いでは誤魔化せない。沖縄に対する理解も同情もない、むしろ差別的な感覚をもっているのではないかとさえ思われる。
 どれを取り上げても「辞任しなければならない」致命的なものばかりではないか。

 山岡賢次消費者相など、マルチ商法業界とあまりに深い関わり持っていて、その業界の大会で彼らの味方と公言している姿が映像で何度も放送されている。
 「何処が悪いのだ」と、まるでやくざまがいの、開き直った態度で答弁する姿を見ると、跳んで行って1発殴りたい衝動に駆られる。
 どちらも後ろ楯に、あの小沢一郎氏がついているから怖いもの無しなのである。
 野田総理も、党内基盤が脆弱だから小沢氏の反乱が怖くて手も足も出ない。
 それでも相変わらず「適材適所で選んだ」と、誰もそんなことは嘘だと思っているのに、平気で言い張っている。厚顔無恥としか言いようがない。

 野党は二人の問責決議を出すと言ってきた。ならば何故さっさと出さなかったのか。参議院はいわゆるねじれで、野党は多数だから出せば必ずと通るのに、もはや遅すぎた。今国会では、ただ出したという形だけで終わってしまったではないか。
 衆議院では、内閣不信任を決議されたら、総理は衆院を解散するか、内閣総辞職するしかなく、このことは憲法で定めている。ただし、現国会では与党が絶対多数だから、不信任案は否決される。否決されたら逆に信任されたことになってしまうから始末が悪い。
 問責決議にはこうした法的規制は無い。しかし、これが可決されると野党は対決姿勢を強め、決議の対象になった閣僚が出席する審議には応じないということになる。予算案や法案の審議が進まなくなると、政府にとっては大痛手となって、結局、辞めさせなくてはならなくなる。過去の国会で問責決議された大臣は皆辞めている。
 会期を延長しないと言われ、ああ、これでまんまと逃げられたと思った。
 日本人の気質から言って、新しい年を迎えると、何となく、あれはみんな昔のこと、となってしまうのだ。もう一度、改めて辞任に追い込もうとしてもそれは容易なことではない。よほど新しい材料が出てこなければ駄目なのだ。
 もっとも彼らのことだから、材料はいくらでも出てくるか・・・。

 それにしても、今国会でやらなければならないことが沢山あったのに、大事なことは皆先送りになってしまったといった印象である。
 例えば、公務員の給与引き下げ法案だ。
 民主党は元々公務員の人件費を2割削るという公約をしていた。これを進める為に公務員の給与を平均7.8%下げる法案を出していたのだが、これも先送りとなってしまったのである。民間企業の動向に合わせた人事院勧告の0.23%の引き下げも実現しない。
 野田政権はこの特例法案で、年間2900億円減らし、2013年度末までに計6千億円を震災復興財源に充てる予定であった。しかし、その当てはこれで消えてしまったのだ

 元々、政府・民主党は、人事院勧告に沿って公務員の給与を決める現行方式を辞め、人事院も廃止しようと考えていた。
 公務員の給与を労使交渉で決めるという形にする、その為に労働協約締結権を回復させる法案を国会に出していた。はっきり言えば、すべては支持母体の「連合」の言いなりである。
 しかし、そうなると労働組合の力が強まる一方で、本来の公僕としての使命を堅持できるのかという不安が生まれる。だから基本権回復には自民党は大きな不安を持っているのだ。それは当然のことだと私も思っている。
 いずれにせよ、せっかく公務員給与削減案が出ていたのだから、まずこれぐらいは決めてもらいたかった。

 もっとも、それより先にやるべきことがあった。それは国会議員自身の問題、すなわち国会議員定数削減だ。
 民主党は国政選挙の度ごとにマニフエストで衆議院比例区の80議席削減を掲げてきた。ところが「まずは一票の格差是正を優先すべきだ」と主張して一向にこの問題に真剣に取り組もうとしない。
 近頃の報道を見ると、どうでもいいような議員がごろごろいることが明らかになっている。スキャンダルにまみれた小沢チルドレンなど、具体的に名前が挙がっている「辞めて欲しい連中」が山ほどいるのだ。
 厳しい財政状態の中、まして増税をもくろむ今、思い切った議員定数削減こそ急務ではないか。
 増税よりも先に国会議員が自ら身を削る決意を示すことが先ではないか。

 そして本音を言えば、こういう問題こそ、自民党から提案し、与党民主党を動かし、これを実現させるべきだと思っているのだ。
 ただ批判追求するだけが能ではない。さすが自民党、やっぱリ自民党でなければと言われるような国民政党になってもらいたいのだ。
 ぬるぬるつかみどころ無い「どじょう政権」では、この日本の危機は救えない。「自民党、頑張ってくれ!」、大声でそう叫びたい心境である。

第253号 「オウム裁判終結に思う」

深谷隆司の言いたい放題 第253号
「オウム裁判終結に思う」

 11月21日、オウム真理教による一連の事件の刑事裁判が、元幹部・遠藤誠一被告の死刑を確定させる最高裁判決によって終結した。
 教団元代表松本智津夫死刑囚が逮捕されてから実に16年半の歳月が経過している。これまで計11人の死刑が確定したが、189人にも及ぶ幹部や信徒が罪に問われるという前代未聞の忌まわしい事件であった。

 私が国家公安委員長に就任したのは1995年(平成7年)のことだが、役職上、この事件と深い関わりを持った。極めて重大な位置づけの自治大臣と兼務であったから超多忙な日々であったが、若い私にとっては、まさに願ってもない活躍の舞台で、今振り返ってみてもやり甲斐のある時代だったなと、感慨無量の思いがする。
 当時はまだオウム事件が十分に解明されておらず、私はその根絶のために奔走したものである。
 就任早々の8月17日、山梨県上九一色村にあるオウム教団施設を視察したが、あの時の光景を今も鮮明に覚えている。
 凶悪極まりない事件を起こした総本山の現場には、まだ多くの信者が残っていて、青白く痩せた異様な目つきの若者が挑発的な態度で我々に接し、中には私の動きをわざわざビデオやカメラで執拗に撮っていた。

 捜査を指揮していた警察庁トップ国松孝次長官銃撃事件もあった。彼とは格別に懇意にしていたし、事件現場も荒川区で妹の家の近くであったから、深く印象に残っている。ついに未解決のまま時効になってしまったが残念でならない。坂本堤弁護士一家殺害事件も同様で、裁判が終わっても、これらの事件の解明を怠ってはならないと思っている。
 この年の12月、カナダのオタワで開かれた「テロ対策国際会議」に出席したが、この特異な事件が世界各国大臣の最大の関心事で、もっぱら私が中心になって説明役を果たしたものである。

 一連の事件後も活動を続けたオウム真理教対策として、団体規制法が作られた。活動実態を常に明らかにし、行動を把握する為に、公安調査官と警察官が団体施設に立ち入り出来るようにしているのだ。(処分は最長3年)
 団体側は3か月ごとに役職員、構成員の氏名や住所、活動に使う土地・建物の所在や規模、資産や負債などの報告義務がある。
 これを観察処分というが、まだこれは続けていかなければならないと私は思っている。今度、更新となれば4度目となる。
 観察処分を続けるべきだと思うのは、麻原崇拝が今なお根強く、「オウム真理教」と名乗る教団は無いものの、そこから派生した団体が今も活動を続けているからである。
 主流派は足立区にある「アレフ」で、もう一つが「ひかりの輪」で、「ああ言えばこう言う」とすっかり有名になった上裕史浩元幹部が代表になっている。
 今でも松本死刑囚への絶対的帰依を強調し、「麻原回帰」の動きが強まっているという。しかも彼等は数億円規模の現金や預貯金を持っているというのだから油断できないのだ。

 ラッシュアワーの地下鉄電車内にサリンをまいて無差別大量殺人を企てた彼らは、自分たちを受け入れようとしない社会を壊滅しようとしたという。信徒は松本被告の指導で神秘体験をし、いわゆるマインドコントロールされて、集団で他者の命を奪った。

 ある文化人と自称する人が、「閉塞社会が原因だ」と分かったような口ぶりで語っていた。
 「閉そく感の背景を放り出したまま、社会に反逆した13人もの人達を、報復のために大量処刑で済ませていいのか」と書いた新聞もあった。なんとも呆れた発言で驚いた。
 今は確かに閉塞感のある時代だ。
 その原因の多くは政治、とりわけ民主党政権になってから顕著だ。これを変えていかねばならないことは当然で、社会全体が厳しく糾弾していくことは大事なことだと思う。しかし、だからと言って、犯罪者に同情し、利口ぶって庇おうとするなどとんでもないことだ。そんな言い方が、ともすると通用するのが昨今の風潮でもあるが、私はそのことがかえって恐ろしいと思っている。
 死刑執行を拒むアホな法務大臣がいるが、それは正義でも何でもない。むしろ責任放棄、厭ならさっさと大臣を辞めればいい。正常な人々の人権を守ることが大事で、だから法律があるのだ。法律を守れない大臣がいることは国家社会にとって不幸なこと、さっさと辞めろと言いたい。

 オウム裁判は一応終わった。しかし、残された被害者及び家族の苦悩は残ったままだ。そして、なぜこうした事件が起こったのか、真の解明もなされていない。関連する残党組織の動きも心配だ。
 私達はオウム事件を忘れてはならない、決して風化させてはならないのだと、大臣時代にいささか関わりを持っただけに、一層、強く思っているのである。

第254号 「見つめ支えられて」

深谷隆司の言いたい放題 第254号
「見つめ支えられて」

 今年もいよいよ最後の月となったので、年末のご挨拶と思いサントリーホールデングス社長の佐治信忠氏を訪ねた。
 今は亡き先代社長佐治敬三氏は、私の経済後援会「南洋会」の初代会長を務めてくれた。私の妹が酒問屋に嫁いだことと、中曽根康弘先生の肝いりがあったからだ。
 80歳で亡くなられた後、御子息の信忠氏がそのまま受け継いでくれたのである。
 サントリー創業者鳥井信次郎氏は「やってみなはれ、やってみなわかりまへんやろ」の名言を残したチャレンジ精神の持ち主であった。
 佐治敬三氏は意欲的な事業家であるばかりでなく、これにユーモアに満ちた文化的な精神を加えたような、いわゆる大人の風格を持った魅力的な人であった。
 サントリーホールを建てたが、当時、ヘルベルト・フォン・カラヤンの助言を受け、「ほな、そうしまひょ」の一言ですべてを決めたという。

 信忠氏は「ヒゲのジュニア」と呼ばれ、気負いとは無縁の自然体の人物である。国際化と多角化に乗り出し成功を収めている。私より10年若い。

 応接間に入ると、いつものような張りのある大声で、元気いっぱいで爽やかに現れた。声の大きい人は、何事にも必ず大成功すると私は自分の経験から思っている。
 「いやー、相変わらずお元気ですな、奥さんもお元気ですか」
 「ええ、お陰で二人とも健康に恵まれています。我々二人がこんなに元気なのは、サントリーのサプリメントのお陰ではないかと思っているんです。毎朝、セサミンとアラビタと黒酢にんにくを片手一杯に飲んでいます。もう10年以上続けていますよ。
 その上、食べる時は脂肪を除くために黒烏龍茶、おまけに近頃、夜は角のハイボール、まあ、一日中、サントリー漬けです。」
 これは、決してお世辞では無く、今朝もそんな話を家内としたばかりである。風邪ひとつひかず、不思議なくらい健康なのだ。勿論それ以外のこともあろうが、飲み続けてきたという点で、やはり一番の効果ではないかと、私達の実体験としてそう思っているのだ。
 余談だが、今日は家内の誕生日だ。昭和13年生まれ、73年、風雪に耐え、よくぞ頑張ってきたものだ。
 特に私の妻となってからは、選挙選挙で明け暮れて、それも当選落選と目まぐるしく、長い浪人時代があって、随分苦労を掛けたものだ。
 子供は3人、孫も五人となったが、子育ても含めて心の休まる時も無かったと思う。
 初めての頃は、私が27歳で台東区議会議員初出馬の時であった。
 先輩都議会議員に約束を反故にされて、それどころか選挙事務所を出ていけとかポスターを変えろとか、執拗に嫌がらせを受けていた。
 宣伝カーに乗り込んで事務所を出発する時は、帰った時に事務所が無事なのかと、いつも不安を抱いていた。
 そんな時、必ず2階の窓から身を乗り出して、必死に手を振って送り出してくれたのが家内(嫁に来る前の)であった。
 今でもこれは変わらぬ習慣で、私が家を出る時は必ず玄関で手を振ってくれる。実に48年続いているのだ。
 時々、こんな風に出来なくなったらどうしようと思う時がある。大体、いつも偉そうなことを言い、自信ありげに振る舞っているが、私は一人では決して生きられない。
 絶対に私より先に死んではいけない。
 歳の所為か、最近、特にそんな風に思い、祈るような心地でいる。

 「いよいよ、選挙も近いようですね」
 何のけれんみもなく、私の次の出馬を当然のことと考え、期待込めて言ってくれる。
 「政権交代して、本当に近頃の政治は駄目になった。しかし、民主党は負けるのが分かっているから、任期いっぱいやるのではないか。
 私も歳を取ってきたから、あまり周りに迷惑を掛けなようにしなければ等と考えてしまうのですよ。若い人を育てる為に、自民党政経塾をやっていますが、私のこれからの仕事ではないかと思います」
 「なにをおっしゃいますか!、先生はまだこれからです。時代が変わって年令に関係なく、働ける人に大いに働いてもらう時代ではないですか。私のところもそう考えてます」。びっくりするような真剣な眼差しであった。
 最近は、年金をどう払うか、年寄りに対する支出ばかりが議論されているが、逆に、歳に関わりなく働ける人に大いに働いてもらって、(納税などで)国に貢献してもらいたい。そうしないと国が持たないという意味である。
 さすがに近代的な経営者の発想は違うものだと、嬉しかった。

 確かに、今はひたすら若い人が求められる時代ではある。
 国会議員も若い人が大勢になった。なんとかチルドレンが大流行なのである。しかし、その経験の無さ、未熟さのゆえに、すっかり質の低下が著しくなっていると指摘する人は多い。
 若い人も年を重ねた人も、バランス良く配置され、各々の協力が相まって、初めてまともな政治が出来る筈なのである。年齢制限などナンセンス、誰を選ぶかは元々有権者が決めることなのだ。
 私の周囲には、有難いことに私への期待論が多い。あまりに張り切ってくれてこちらが戸惑うほどである。
 とはいうものの、正直、私の心のなかにも複雑な思いはある。
 もう随分お国に奉仕し、地元の為に働いてきたから・・・と。
 さて、来年どうなっていくのか、それは私にもわからない。時の流れ、時の定めに従っていくしかない。

 いずれにしても佐治信忠氏訪問は、心地よい余韻を私の心に残してくれた。

 世の中には色々の人がいて、様々な角度から見つめ支えてくれている。これからもそのことを大事に受け止めて、誠実に生きて行きたいものだとしみじみ思っている。

第255号 「東国原フグ毒事件」

深谷隆司の言いたい放題 第255号
「東国原フグ毒事件」

 11月10日の夜、フグ中毒に当たったという女性の事件が報道された。私はフグ大好き人間で、その上、かつて浅草フグ組合の顧問もしていたから、今時ふぐに当たるなど、一体どうしてと大いに興味を持った。
 
 事件を起こしたのは銀座の老舗「ふぐ福治」で、ミシュランで3年連続二つ星を獲得した有名店である。(私は元々ミシュラン不信論者だが)
 日本では都道府県の条例や食品衛生法で、調理師に対して有毒部位の提供を厳しく禁じている。肝をはじめ様々な部位に含まれているテトロドトキシンは猛毒で、呼吸麻痺して死に至るケースも多く危険なのだ。
 当然のことだがこの店の調理師の免許は剥奪された。刑事告発されたから警視庁も捜査に乗り出したが、話題としてはこれで一件落着かと思っていた。 

 ところが、この肝を注文した客が、なんと宮崎県知事を務め、過般は東京都知事選挙にも出馬した東国原英夫氏だとわかって俄然大きな話題となった。
 それも町でナンパして連れ込んだ女性が被害者になったというのだから、お笑いではないか。
 ふぐの毒で口をピリピリさせて飲むのが「通」と言いながらであったと聞いて、如何にも彼らしいと思った。
 本人は大分県では肝を出すと、得意になっていたというが、ここも勿論禁止されていて事実ではない。
 九州の知事をかりにも務めた人の発言とは思えない。もっと言えば、そもそも本来、知事になれるような人物ではなかったということなのである。
 落選したからよかったようなものだが、それでも都知事選挙で約170万票も集めたのだからあきれるではないか。

 近年の選挙では、ろくに役にも立たない人が、ただ若いとか、ちょっと名が売れているというだけで当選する場合が多い。現在の国会議員の顔ぶれを総点検してみれば一目瞭然だ。
 永年政治一筋に生きてきた私から言えば、年々、政治も政治家も安っぽくなっていくようで何とも空しくてならない。
 どんな選挙であれ、有権者がもっと真剣に人物を選択していかないと、政治はますます悪くなる一方だと思う。

 週刊誌等では、被害を受けた女性とのやり取りが面白おかしく書かれていた。そんな中身はどうでもいいのだが、その後の彼女のセリフが面白い。
 「あんなおじさんとは二度と関わりたくありません」と言ったという。少し気付くのが遅かったようだが、率直な思いであろう。
 
 次の衆議院選挙に出ようかと、東国原氏は言っているようだが、「あんなおじさんには二度と関わりを持ちたくありません」と有権者は思うのか、そこのところが分からなくて、私の心配はつきないのである。

第256号 「原発事故収束宣言ほんと?」

深谷隆司の言いたい放題 第256号
「原発事故収束宣言ほんと?」

 12月16日、野田首相は記者会見で、「発電所の事故そのものは収束に至ったと判断される」と原発事故収束を宣言した。
 はっきり言って、本当なのかといった疑念がまず頭をよぎった。
 事故収束と言えば聞こえはいいが、要は「冷温停止状態を確認した」ということに過ぎないのだ。

 「冷温停止」とは原子炉に制御棒を入れて核分裂を抑え、水温が100度未満になった状態を言うが、今回は通常とは違うので、「圧力容器の底部の温度がおおむね100度以下」、「原子炉から大気への放射能の漏れを大幅に抑える」の2条件が出来た時を「冷温停止状態」と言い、これを以て「原発事故収束宣言」となっているのだ。

 だから一般的に考える「事故収束」とは、かなりかけ離れたものなのだ。我々が考える原発事故収束とは、放射能が完全に放出されていない、汚染水の処理も完全に出来ている状態を達成した時に言う言葉なのだ。
 今でも炉には溶けた核燃料があるが、放射性物質の密閉も出来ていない。それどころか溶けた燃料がどのような状態で冷やされているのかもはっきりしてはいない。
 通常の冷却システムが機能している訳ではなく、仮設の設備に頼っていて、相変わらず異常な状態のままなのである。
 一応、基準となっている圧力容器底部の温度が100度を下回っている状態になったのだから、解決に向けて少しずつ前進していることは確かだ。しかし、本格的事故収束とは違うのだから、せいぜい「現時点で安定した冷却が出来ている」という表現にとどめた方が適切だったのではないかと思う。

 野田首相は、少し功を焦りすぎてはいないだろうか。
 なんとか年内に一応のめどを示したいとの気持ちも分かるが、あまり前のめりに安全性をPRしていると、再び炉内でトラブルでも起った時どう説明するのだろうか心配になる。その可能性は大いにあるだけに余計そう思うのだ。
 そういえば野田首相、就任直後の9月、国連総会の演説で事故収束の年度内決着を表明していた。
 今度の慌ただしい発表はこの国際公約にこだわった為かも知れない。しかし、残念ながら各国の反応も極めて厳しいものであった。

 原発事故から9カ月たった。しかし、今も福島県では15万人もの人たちが避難生活を送っている。一体いつ帰れるのか見通しもつかず苦労している。
 瓦礫の処置もままならず、放射性物質の汚染処理も進んでいない。
 いわゆる風評も広まっていて、安全なものまで敬遠されて地元の人々は苦しんでいる。
 44もの国と地域が日本の農産物の輸入を規制している。日本を訪れる外国人観光客の数も減っている。
 福島第一原発は廃炉が決まっているが、これが完了するまでに最長40年はかかるといわれている。

 いたずらに安全宣言など出すよりも、もっと現実的な対策を次々に打ち出して、一日も早く復旧復興を進めなければならない。
 原発事故収束宣言を聞きながら、少しの安堵感も起こらず、かえって焦燥感が強まっているというのが多くの国民の気持ちではないだろうか。

第257号 「今更、慰安婦問題?」

深谷隆司の言いたい放題 第257号
「今更、慰安婦問題?」

 12月18日、日韓首脳会談が京都において開かれた。約1時間、李明博大統領は終始一貫、慰安婦問題だけを語ろうとしたという。
 去る14日には、ソウルの日本大使館前で、慰安婦問題で「日本政府の謝罪と賠償」を求める集会が開かれ、元慰安婦の少女時代を題材にした記念像まで設置した。
 当然、この問題が中心になることは誰が見ても明らかなのだが、政府の判断は全く甘く、14日の記者会見で藤村修官房長官は、記念像は議題にならないとの見通しを示していた。
 野田首相は、途切れていた首脳同士の「シャトル外交」を復活させるため、10月に韓国を訪問、李大統領の年内来日を強く求めていた。
 竹島問題や慰安婦問題など懸案には焦点を当てず、日韓の経済連携協定(EPA)交渉再開や、貿易・投資の議題に力を注ぐ考えであったという。
 そんなに日本に都合よく事が進む筈もないのに、なんで来てくれと頼むのか。
 韓国では、米韓自由貿易協定を巡って政府批判が強まっている最中だ。慰安婦問題で千回も集会が続いた。記念像の撤去を求める日本に、益々いきり立っている状況の中である。
 「歴史問題が未来志向の韓日関係の障害になってはいけない」と、この問題に言及しなかった大統領だが、4か月後に総選挙を控えているのだから、ここは強く出るのは当たり前なのだ。
 なんと野田政権は外交音痴なのか、呆れるというより悲しくなるではないか。

 韓国政府は慰安婦問題の協議を求めているが、日本側は1965年の日韓国交正常化で締結した協定で、韓国が植民地支配に関する請求権を放棄する代わりに、日本が経済協力資金を支払うことで「決着済み」としているのだ。
 当時の朴正煕政権は、日本からの資金を個人への償いではなく、経済復興に注ぎ、「漢江の奇跡」と言われる高度成長へとつながっていったのだ。
 ところが、91年元慰安婦らが、日本政府に賠償を求めて東京地裁に提訴するに及んで、この問題が再燃された。
 92年、宮沢首相は盧泰愚大統領に謝罪、翌年、河野官房長官も「お詫びと反省」を表明、95年には、アジア女性基金を発足させ、元慰安婦に一人200万円支払うなど07年まで努力をつくした。
 この間、国会で内閣外政審議室長が「慰安婦問題で軍の関与は無かった」と証言したりしている。関与があったか無かったかについては議論の分かれるところではある。

 問題は、国と国とでいったん決めた約束は、歴史の中できちんと刻み込まれ、両国の関係は、その上で誠実に構築されなければならないということである。
 国内の事情が変わるたびに、同じ話を蒸し返し、「謝れ、お金をよこせ」では、正常な外交は保たれない。
 野田首相は、会談で「この問題は決着済みです」とはっきり言ったようだが、この主張は正しい。

 同じことは竹島問題でも言える。
 16世紀末から日本人が渡っていった竹島は、1905年、どこの国も占有していないことを確認した上で、国際法に基づいて日本の領土と確定したのである。
 第2次世界大戦で日本が敗れて、一時期、GHQの訓令で沖縄や小笠原諸島と同様に、日本の行政権から外された。
 しかし、1951年のサンフランシスコ講和条約後返還され、日本固有の領土として認められたのである。 
 このことは米国公開公文書等でも明らかである。
 ところが、この条約批准、発効直後の1952年、李承晩韓国初代大統領は、突然、竹島を含む公海上に、韓国専用海域と称して海洋主権を宣言したのである。いわゆる「李承晩ライン」である。
 日本漁民4千人、漁船328隻を拿捕し、死傷者を44人も出した忘れる事も出来ない悲劇であった。
 この歴史の事実に知らぬふりで、自分の領土と言い張るのだから厚かましいではないか。

 ただ、何故こうも韓国は強気で出るのか、中国もそうだが、やはり日本の力が近年とみに後退していることと無関係ではないと思う。
 要は、なめてかかっているのだ。
 不幸なことに近年、日本には円高や、東日本大震災など次々と困難な事態が起こっている。その上、政治経験が少なく、不勉強な民主党政権になって無為無策な状況が続いている。
 野田首相は、この事を十分に認識して、外国に対して自国の主張を明確に伝えると共に、国力回復の為に、国内政治に全力を尽くさなければならない。
 自民党も妙に野党ずれせずに、この国の為に働いてもらいたいものである。

第258号 「さよなら談志師匠」

 深谷隆司の言いたい放題 第258号
「サヨナラ談志師匠」

 立川談志師匠のお別れ会が、ホテルニユーオータニで21日11時から開かれた。前半が案内状を持っている人たちだけで、後はフアンの人達となっている。 
 なんと案内客だけでも1000人は越えている。さすが生前の人気は大したものだと、改めて思った。
 弔辞は石原慎太郎知事だけで、献杯の後に落語協会など関係者の挨拶が続いた。

 知事は弔事というよりは、べらんめー口調で毒舌に近い言い方であったが、深い愛情にあふれていて、その関わりをよく知っているだけに胸が熱くなった。
 知事とは久しぶりであったので、長い立ち話をした。
 今の政治に対する批判と、特に自民党への不満を語り、「深谷さん、なんとか言ってくれよ」と繰り返していたが私も全く同感であった。
 途中、挨拶で何人かが私に声を掛けてくれたが、知事は「話し中だから」と、その度にそっけなく遮る。私の方が気を使いたくなるほどの断り方だが、時には傍若無人ともいえる談志と、云いあいながら、長く付き合ってきた知事らしいと思ったものである。

 会場で中央区の礒野義夫氏一家と会った。かつて区議会議長を務めた私の同志で、今はご子息が区議を務めている。彼は談志と格別に親交が深く、25年ほど前、弟子の何人かを引き取って面倒を見てきたことがある。
 築地場外市場で肉まんや焼売を売っている菅商店の社長も一緒だったが、まだ前座見習い中の、立川談春がこの菅商店で働いていた。今では切符がなかなか手に入らない超売れっ子になっている。
 私は今でも落語大好きで、志の輔や談春の会に出かける。落語家たちは義理堅いところがあって、世話になった人への態度は人気者になっても変わらない。 
 はからずもみんな揃って、お別れ会というよりも同窓会的雰囲気であった。
 会費1万円とこれも異例だが、香典をいくら包むか心配しないで済むのだから、気が利いている。
 客の顔ぶれは多彩で随分いろいろな人達と会えた。参議院議員を務めたことがあるのに、政界人の顔は見えず、甘利、小坂両議員と私ぐらいであった。

 最後はデキシーキングスの演奏となっている。前にも書いたが談志はジャズが好きで、このグループの後援会長を務めたことがある。
 もう30年も前のことだが、彼らの演奏会で談志と偶然会い、会場内を二人で籠を持ってチップを集めて回ったこともある。
 そのメンバーであった花岡詠二夫婦と会場で一緒だったが、実は昨夜も会っている。浅草のジャズクラブHUBで「柳澤愼一バンド」に客演していたのだ。
 余談になるが、往年の人気スター柳澤愼一がまだ頑張っているとは知らなかった。現在79歳、優しい老人になっていて、ドラムも叩くし、声も全く衰えていなかった。

 帰りに談志の息女松岡弓子の「父談志との258日」の著書が配られた。
 今年の3月緊急入院し、気道確保の手術以来の闘病生活が、11月21日、亡くなるまで克明につづられていた。
 天才と言われ、落語に人生を賭けてきた談志にとって、声を出す事も出来ないままの闘病生活はどんなに苦しかったことか。

 毒舌と奇行にもかかわらず、誰からも愛された大師匠のお別れ会は、彼に相応しい賑やかさであった。
 本の題名になっている「That’s  a  Plnty」はデキシーランドジャズの名曲だが、談志師匠は家族とこの曲に送られて2011年11月23日、荼毘に付された。
合掌

第259号 「金総書記死去の対応の稚拙さ」

深谷隆司の言いたい放題 第259号
「金総書記死去の対応の稚拙さ」

 今年は東日本大震災に始まって波乱にとんだ年だったが、最後に北朝鮮の金正日総書記の死去で終わるとは思っていなかった。
 このところ、各地を視察する報道が流れ、健在ぶりをアピールしていただけに突然の病死には驚かされた。さっそく謀殺説まで流れた。まさかそんなことはあるまいと思いつつも、でも、あの国だから何でもアリかと考えてしまう。

 1994年、金日成が死去したが、以来金正日が国の指導者として君臨してきた。
 独裁体制を敷き、父と同様、自身を神格化させ、社会主義国としては前例のない権力の世襲をしたのである。
 この国では、金正日に絶対の服従を強いられる。彼に対する忠誠心が求められ、これに反する者は躊躇なく投獄される。
 17日に死去し、2日後に正式に発表されたが、大泣きの人々の姿が何度となく報道されていた。我々の常識を超えた異常な激しい泣きっぷりには驚いたが、こうした反応を態度に出さないと、忠誠心の無さが問われ弾圧されること必定なのだ。そう考えるとあの芝居がかった泣き方が納得できる。

 北朝鮮から逃げ出してきた、いわゆる脱北者から、ベールのカーテンに阻まれて何も見えなかったかの国の実態が垣間見える。
 大規模な援助をしてきたソ連が崩壊して以来、災害も相次いで、餓死者が出るほど国家経済は困窮した。90年半ばからひどい状況は変わらず、2005年から復活を目指すが一向に好転することは無かった。
 2400万人の国民のうち、穀物の配給制度の恩恵を受けている人は平壞市民と軍人の一部の400万人程度といわれている。いつも100万トン前後の穀物が足りず、外国の支援なしにはやっていけない国なのである。
 09年、デノミネーション等、愚かな政策を行ったが、インフレを抑える事も出来ず大失敗に終わっている。国民総所得は韓国の39分の1と言うのだから、想像できない困窮ぶりである。
 そんな中、贅沢三昧に暮らすのが金正日一族と軍など国の要人たちなのである。

 北朝鮮による大規模なテロや国家犯罪は枚挙にいとまがないほどである。
 1983年10月、ミヤンマーを訪問中の全斗煥大統領一行は地雷によって21人が爆死、47人が負傷した。幸い大統領は到着が2分遅れて難を逃れた。いわゆるラングーン爆破テロ事件である。
 例の金賢姫が起こした大韓航空機858号の爆破事件では乗客乗員115人が亡くなった。
 前にも書いたが、そんな犯人金賢姫を恩赦されたとはいえ、日本に招いて手厚くもてなした民主党中井バカ大臣がいたのだから恥ずかしい。
 日本人拉致事件など腹立たしくて、今更言いたくもないが彼らの悪行の一つである。
 にせ札製造(スーパーKと呼ばれる精巧なもの)から麻薬や武器輸出(スカット・ミサイルやテポドン等性能がいい)、果ては核兵器製造をちらつかせて援助を求める厚顔さで、世界中に紛争と火種をまき散らしてきた。

 こんな国の独裁者の急死、後継者が28歳の金正恩と言う若造(失礼)だけに、これからどう動くか全くわからない。軍を含めて彼が完全に権力を掌握したとは考えられないだけに不安である。

 万が一、多数の難民が日本に流れて来た時はどう対応するのか、その数20万人にも及ぶと予測する人もいるが、民主党政権は、そんなことは考えてもいない。
 今度の金正日死去という一大有事にも官邸はほとんど動かず、無能ぶりが目立った。
 午前10時に北朝鮮が「重大発表をする」と予告しているのに、新橋で街頭演説をするために出かけ、死去の報道が出てから慌てて戻るという醜態をさらした。蓮舫大臣など、そんなことも知らずに会場で愛嬌を振りまいていたというのだからあきれる。
 正午の発表なのに何のコメントも出さず、やっと6時25分、ぶらさがり記者会見でコメントを言う始末であった。
 あらかじめこうした事態を察知しなければならないのに、玄葉光一郎外務大臣は、何も知らぬまま、のんきに訪米中であった。

 あらゆる意味で、今、日本は危機的状況を迎えている。
 政府は反省を含めて、国家国民を守るために、ともかく全力を尽くしてほしものである。

第260号 「迷走与党」

深谷隆司の言いたい放題 第260号
「『迷走与党』新党結成は税金目当て」

 野田首相は、消費税増税法案の素案作りについて、税率・実施時期を明示して、年内にとりまとめて欲しいと民主党に強く求めている。
 ところが党内には反対する議員も多く、党税制調査会でも議論百出で大混乱になっている。
 自分たちが選んだはずの首相の指示がさっぱり浸透せず、迷走が続くようでは政権与党たる資格はないが、とうとう離党者まで出てきた。
 なんだか聞いたこともない連中だが、すでに無所属になっている松木謙公衆院議員らと新党を作るという。

 辞めた一人斉藤某議員は記者会見で、「民主党は政策理念が全く国民の期待と逆方向、「デフレ脱却なしで(意味不明?)増税なし」「反TPP」という同じ志を持つ仲間と結集したいと 思った」と語っていたが、党内でその主張を通そうとしないで外に飛び出して、何ほどのことが出来ると思っているのだろうか。
 政権交代をあれほど声高に叫んできたのに、やっぱり駄目でしたから党を離れますでは、無責任も甚だしいではないか。国民に対する責任も果たさずに、自分の主張が通らないから辞めますは無いだろうと腹立たしく思う。
 小沢一郎元代表を訪ねて、一応はとどまるよう説得されたようだが、こんな動きから小沢別働隊ともいわれている。

 一番不愉快なのは、年内に新党を作ろうとしていることだ。明らかに駆け込みで国からの政党交付金を狙っているのだ。
 政党に対して、国から、(国民の税金から)議員一人あたり2340万円の政党交付金が出る決まりになっている。
 政党と認められるためには、国会議員5人以上、あるいは国会議員1人以上で直近の衆院選挙又は最近2回の参院選挙で、得票の2%以上を得ている事との規定がある。
 そしてこれは1月1日を基準にしているから,新党は年内に結成しなければならない。1月2日以降の新党結成なら翌年まで待たなければ一銭もお金は出ないのだ。 
 なにをするのも勝手だが、国家国民の事を第一に考えない者は議員たる資格が無いと言わざるを得ない。
 これからあと数日間、彼らの動きを監視しなければならないと思っている。

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