第899回「種々雑感」

 深谷隆司の言いたい放題第899回

 「種々雑感」

 8月24日、東京パラリンピック開会式が行われた。この障害者スポーツの祭典には161の国・地域と難民選手団が参加、史上最多の約4500人がエントリーした。日本選手も過去最高となる254人が出場する。

 自分の体のハンディを乗り越えて、勇躍参加する選手たちをテレビで見つめながら、昭和56年10月に、千葉県稲毛で開いた「国際アビリンピック」を思い出していた。

 私が労働政務次官の時代で、計画づくりから予算づくり、更には外国との交渉まで一手に引き受け、完全な裏方に徹して実現させた身障者国際技能競技大会である。

 アビリティ(技能)とオリンピックを結んで「アビリンピック」としたのだが、この命名も大きな話題となった。

 54ヶ国の代表800人が参加し技能を競い合ったが、当時の皇太子両殿下が来られた。今の上皇殿下ご夫妻だが、今から40年前のこと、私が45歳であった。あっという間に時は流れ行くと思った。

 東京オリンピックは開催して本当によかった、大成功であったと改めて思う。

 橋本聖子会長が開会前、「祝祭感を出来るだけ抑えるのが大きな課題だ」だといっていた。五輪に反対する声に押されてのことであろうが、私はまさに国際的な世紀のお祭りで良かったと思っている。

 国を超えての友情も芽生えた。男子陸上800メートルで交錯して転倒してしまった2人の選手が、お互い責めあうどころか、にっこり笑って再びレースに参加、声を掛け合いながら同時にゴールインした姿など、素敵なシーンも多かった。 

 優しさや労りといった感動的なシーンが随所にみられたが、まさに国際的お祭りであった。

 ただ始まる前は反対の声が酷かった。マスメディアや野党が五輪を利用して、コロナと絡めて政府を貶めるために五輪反対を叫んだからとしか私には思えなかった。

 「五輪の開催で国民の気が緩んで人流が増え感染が拡大する」と、専門家代表尾身会長が言ったが、東京都の主要繁華街の滞留は7月1日以降は減少傾向にあり、五輪が開幕した7月23日から減少が加速していた。

 「国民の気の緩み」などいう立証も反証も不可能な非科学的精神論など感染専門家の言うべきことではない。

 尾身会長は自分の立場がよほど偉いと完全に勘違いしている。

 25日の衆議院厚生労働委員会で、国際オリンピック委員長の来日に触れて不快感を隠さなかった。バッハ会長は23日来日し、24日のパラリンピック開会式に出席した。

 「なぜわざわざ来るのか。コモンセンス(常識)で判断できるはずだ。関連行事への参加もオンラインで出来るじゃないですか。銀座へも1回行ったんでしょう」

 国会とお茶の間の区別も出来ていないピント外れのアホな発言だが本人は全く分かっていない。

 無礼極まりない話で、国際的な礼儀もわきまえていない。彼の役目とは全く無関係なことを国会で述べるなど、あんたのコモンセンスはどうなっているのかと聞きたいくらいだ。

 更に「政府が感染対策と経済活動の両立を目指したことが、時に矛盾したメッセージになる」とも批判した。政治が感染対策だけで過ごしたら国家の存立そのものが破綻する。

 コロナを如何にして抑えるかを科学的、医学的に解明して政府の諮問に応えるのが彼の役目なのに、全然果たしていない。それが出来ずに、日本中を感染拡大の猛威に晒させた。彼こそ感染拡大の元凶だ。菅首相は一刻も早く彼を罷免すべきだ。

 自信のない顔をしないで堂々国民に訴え、国民と共にこの困難な時代を乗り切っていかなければならない。

 野党も相変わらずお粗末だった。

 蓮舫議員は「五輪を中止しなければ国民の命が守れない」と参議院予算委員会で菅首相に詰め寄っていた。

 首相の指示と組織委員会のコロナ対策は着実に管理・運営されていた。

 しかもこの時蓮舫議員は「国民と選手が同時に搬送された場合、どちらを優先して治療するか」と追及した。

 総理が「選手などが一般国民と交わらないようにする」と答えると、「総理、日本国総理大臣として、答弁はたったひとつ、守るべきは国民じゃないですか、ちょっと私びっくりしました」と言ってのけた。

 びっくりしたのは聞いている私の方で、「合法的に滞在している外国人に対して自国民と同じ法的保障と権利を確保する」は国際常識ではないか。

 外国人を無視する発言は許されないことで、人権問題がこんなに騒がれている時だから、マスコミは当然大きく取り上げると思っていたら、ほとんど話題にもしなかった。蓮舫議員などマスコミは存在も認めていないというなら、これも一つの常識か。

 相変わらず朝日新聞は最悪だった。散々反対したのに、五輪のオフィシャルパートナーとは最大の欺瞞ではないか。

 しかもいざ始まると、あきれたことに舌の根も乾かぬうちに五輪メダルラッシュを大喜びで報道し、五輪一色になっていた。商売一途なのだ。

 テレ朝などは終わるとカラオケ屋で、スタッフが打ち上げの飲み会を開き、果ては女性スタッフが酩酊してビルから転落、救急搬送され入院までした。テレビで詫びていたが、「お詫びで済ませることは許されない」と政治家の事件などでいつも言っていたのは誰かと聞きたくなる。

 ともかく思うことは多い。暑さの中だけに、苛立つことは老体に良くない。

 この上は素直にパラリンピックの応援にまわろう。

 普段彼らがどんなに苦労し、必死に鍛えてきたことかなどに思いめぐらしながら・・・。