第877回「政治家は襟を正せ」

 深谷隆司の言いたい放題第877回 

 「政治家は襟を正せ」

 一昨年7月の参院選広島選挙区をめぐる買収事件で、公職選挙法違反の罪に問われ、東京地裁から懲役1年4か月の判決を受けた河井案里被告が、ようやく議員辞職した。

 判決については納得しないと言いながら控訴もしないのだから、相変わらず支離滅裂、こんな人は政治家の資格もなく、人格的な面でもダメな人だと思った。その上、議員を辞めないで歳費を今まで2053万円も受け取ってきた。国民が苦労して納めた税金を平気で受取ってきたのかと思うと腹立たしいかぎりである。

 夫の元法相の河井克之被告も間違いなく有罪になる。しかし、その裁判の結論が出るまで歳費を受け取るのだから厚かましい。


 松本純国対委員長代理や遠山清彦公明党幹事長代理が、緊急事態宣言下、銀座などで深夜まで飲み歩いていたという。国民に不要不急の外出など自粛を求めている中、範を示すべき政治家がこれでは話にならない。

 しかも、夜は飲んでいませんとか、陳情を受けていたなどとあきれた言い訳、誰が納得すると思っているのか。

 更に後になって2人の若手議員も同席していたことが分かったが、まさに「恥の上塗り」とはこのことだ。

 昔は議員同士でも先輩後輩の秩序があって、先輩議員は厳しく若い議員を指導し、時には叱責したものだ。今は先輩が誘って一緒に飲み歩く、それが後輩への愛情とでも思っているのか。これでは若手のいい議員は育たない。

 五輪組織委員会の森会長が女性蔑視発言で又叩かれている。又、と言うのは、この人は昔から失言癖があって、何時まで経っても変わらないという意味である。

 茶の間か、酒席でしゃべるようなことを公の席で話す。不適切と陳謝したが、今度は会長を辞任せよと大合唱だ。

 森さんは私と早稲田大学でも一緒だったし、総理時代私は通産大臣で、彼のことはよく知っているつもりだ。悪気は全くなく、五輪についても一切の報酬ももらわず働いてきた。何度か癌の手術もし、決して体調も良くないが、五輪に人生をかけている。なんとか最後までやって欲しいと私は思っている。

 ロンドンブーツ1号2号の田村淳が、聖火ランナーを辞退した。「どうしてもオリンピックをやる」と言う森会長の言葉に違和感を抱いたというのだが、会長としての決意を言ったわけで当たり前のことだ。

 これとは別に「人気のあるタレントは人がたくさん集まる。田圃を走るしかないね。」と言ったことも理由だろうが、実際、コロナ禍がここまでひどくなると、密を避けることは大きな課題である。マラソン大会でも沿道の応援は自粛してほしいと言っていた。平時なら別だが今はタレントの起用はむしろやめた方がいい。

 先日の千代田区長選で、小池知事は街頭演説で大勢の聴衆を集めていた。密を避けるよう自粛を訴えていたのに「選挙は別だ」では通らない。

 気の毒なのは菅総理だ。野党やマスコミに批判され、国会や記者会見で何回も国民に謝罪して頭を下げている。なんと立憲民主党の枝野氏など、森発言まであげて「貴方の責任で辞めさせろ」と声を荒げて詰め寄っていた。何度も頭を下げさせる。一国のリーダーにこんなことをさせていいのかと、情けなくなった。

 安住国対委員長は「原点に立ちかえって、安倍前首相はじめ元農水大臣などを呼び国会で証人喚問を行う。桜を見る会を含めて疑惑について徹底解明したい」と意気込みを見せている。すでに何も立証できずに終わっている問題を持ち出して、延々と蒸し返すつもりなのだ。

 コロナ問題で最悪の時、国民が何を苦しんでいるのか、ワクチン問題も含めて政治はいかに対応するべきか、そんな真剣な思いは彼らにはほとんどない。週刊誌頼りで得意満面に追及する姿には、政治家としての自覚が全く感じられないのだ。

 菅首相にこの国の行方を誤らぬよう、政策をしっかり考えさせ、実行に移せるように、与野党ともに真摯に対応することこそ今まさに必要なことなのである。

 「政治家よ襟を正せ」と、声を大にして言いたい。