第876回「よみがえる一家団欒」

 深谷隆司の言いたい放題第876回

 「よみがえる一家団欒」

 このところコロナ騒ぎで自粛一点張り、家族で集まってにぎやかにやることはいけないようなイメージが続いた。

 緊急事態宣言が出されている今、不要不急な外出は勿論論外だが、まあちょっと家族だけでと、自宅で孫の誕生会を25日、ささやかに行った。みんな元気で安心した。

 丁度彼が生まれた翌日に私は杏林大学病院で大腸がんの手術をした。新しい孫が生まれるというので、手術目前の私が放置され、みんなが孫のところに駆け付けた。だから私にとって強い印象が残っている。もっとも、何時がんの手術を受けたかと振り返った時、孫の歳を数えればいいのだからこれは好都合である。

 相変わらず新型コロナの猛威は世界的に続いている。アメリカの死者数は40万人を超えたが、これは第2次世界大戦の折の米軍死者と同数、まさにコロナ戦争と言うべきか。

 都内感染者は、昨日(24日)986人で12日ぶりに3桁、25日は618人。都庁関係者は「緊急事態宣言の効果が表れているという印象がある」と言っていた。少し安心した風情だが、土曜、日曜は一般的に少ないのだから安心はできない。

 麻生財務大臣が記者の質問に答えて「これ以上10万円を給付することはない。後世の人たちに借金を残すわけにいかない」と発言したことで一部大騒ぎになっている。

 私が連載を書いている月刊誌「Hanada」が丁度届いたが、今月のテーマは「麻生さんと二階さん」。

文中で「麻生さんは失言などと批判を浴びるが、よく聞くとどれも本質をついていて正論であることが多い」と私は書いている。

 一体、この国のお金は大丈夫かと私は最近特に心配になっている。新型コロナウイルス感染者が神奈川で確認されてからこの1月16日で丸1年がたった。

 緊急事態宣言が出された時、当時の安倍政権は「収入が大きく下がった世帯に限って30万円を支給する」と発表し激しい批判を招いた。政府はこれを撤回して「全国民への一律10万円給付」に切り替えた。給付金に必要な予算額は4兆円から12兆円にハネ上がった。

 総計63万もの事業所・企業・店舗を抱える東京都も、休業に応じた事業者に、最大100万円の協力金を支給した。都の昨年度予算はコロナ対策費用だけで1兆円にのぼり、内8300億円を、都の「貯蓄」にあたる財政調整基金の9割を取り崩してしまった。

 100年に一度の緊急事態、そんな声に煽られて政府は20年度補正予算と21年度予算案を合わせて「15か月予算」と位置付け、多額のコロナ対策費を計上した。

 事業者支援のための持続化給付金の財源として5兆3000億円、PCR検査の拡充やワクチン接種などに4兆3581億円、コロナ予備費として5兆円、「ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環」に11兆6766億円、国土強靭化に3兆1414億円と、未曽有の規模になっている。

 コロナ対策に終始した20年度の歳出総額は175兆7000億円。その6割以上にあたる112兆円が新規国債、つまり借金として賄われている。これはリーマンショックに見舞われた09年度の倍以上で過去最大の国債発行額だ。日本は今や国の予算の4割をコロナに割くようになっている。

 今回の感染再拡大で、夜8時までの時短営業要請に応じた飲食店に支払われる1日最大6万円、月に最大186万円の「感染拡大防止協力金」である。コロナ前の売り上げが1日2〜3万円の飲食店など協力金で丸儲けだ。

 卸売業者、酒屋、おしぼりや、など飲食店の取引先・・これらにも給付金だ。これでは国は潰れる。

 償還期限1年の短期国債に頼るようになったことも問題。日本の財政には「借金を返すための借金」で「借換債」があるが自転車操業に陥っていて、まさに麻生さんの言うことが正論なのである。