第869回「昨今あれこれ」

 深谷隆司の言いたい放題第869回

 「昨今あれこれ」

 GoToトラベルの騒ぎにつられたわけではないが、友人の松村、桑山さん夫婦と私ら夫婦の6人で4日から8日まで東北の旅をした。様々な地域を回り、あわせて私が描いた絵(150号〜300号の大作)を飾ってある歯科医療グループ徳真会の診療所3か所を訪ねようとの趣旨で気楽な旅であった。

 新潟を皮切りに山形、岩手、宮城と車で回ったが、見事な紅葉の連続で、日本は何と素晴らしい国かと改めて再認識、感嘆の毎日であった。

 山形では庄内藩校「致道館」を訪れた。退廃した士道を刷新して藩政の振興を図ろうと文化2年(1805年)庄内藩酒井家9代忠徳が創設した学校で、明治2年廃校に至るまでおよそ70年、多くの人材を育成した。

 江戸時代の学校には武士階級の子弟のための藩校と一般庶民の子弟のための寺子屋があったが、これらは日本の教育立国の背景になっている。

 山形から岩手の途中秋田を通過したが、「道の駅」に寄ると、そこには「祝 菅総理誕生」との横断幕、秋田は総理の出身地だが如何に喜びで沸き立っているかがうかがえた。私は各地の土産として「菅せんべい」を、わざわざ東京から持参したのだが、なんとここでは同じものが山ほど積まれていた。

 岩手県では「やぶ屋」の名物わんこそばを食べた。若いころ神田のそば屋で100杯以上食べて「関脇」の称号をもらったものだが、今回は37杯止まり、歳は争えないものである。

 世界遺産中尊寺の金色堂は堂全体が金箔で覆われ、中央にご本尊の阿弥陀如来、まさに極楽浄土を現世に表している。平安仏教美術の最高峰であった。

 山形のあつみ温泉、瀬見温泉、岩手の世界遺産の隠れ宿温泉・・・、老齢になると温泉は一番の楽しみであった。とはいえ、毎晩の肉中心の美食と痛飲、ここいらは自慢にはならないが若い者に負けてはいなかった。


 楽しい旅の間、もちろん内外の様子も気になっていた。国会では6日まで衆参両院で予算委員会が開かれていたが、立憲民主党など主要野党は質疑時間の多くを日本学術会議の会員任命見送り問題に費やしていて、相変わらず国民不在、不毛の論戦であった。新型コロナウイルスの感染再拡大の中、失業率の悪化など雇用情勢は厳しさを増している。外交・安全保障面では米大統領の行方が予断を許さず、南シナ海や東シナ海での中国の挑発行為も続いている。議論しなければならない問題が山積しているのにこれは後回しである。「桜を見る会」などの政権追及に固執して、国民から批判を集めたことなど馬耳東風、あきれた連中ではないか。その中で国民民主党の玉木代表が学術会議に触れず、「コロナ5策」を提案したことが唯一救われる思いであった。


 一方、世界の注目を集めていたのが米大統領選挙である。民主党候補のバイデン前副大統領が当選に必要な選挙人の過半数を獲得、勝負あったと思ったら、共和党のトランプ大統領は逆転を狙い、法廷闘争を開始した。法廷闘争は大混乱の長期化を招き、世界を不安定な状況に陥れる。さしずめ日本なら「不徳の致すところ・・・」などと言って潔く敗北を認めるところだが、トランプ氏には超大国の指導者にふさわしいふるまいは見られない。  

 両者とも選挙に膨大なお金をかけ、しかも相手を誹謗中傷し悪口雑言の限りを尽くしていた。そこには世界をリードする民主主義国家の姿が見られない。

 日米同盟を基軸にしている日本の立場を考えると今後に不安は尽きない。

 バイデン氏に祝意を表するタイミングについて菅総理も悩んだようだが、世界で4番目、一応第1グループで祝意を表明したが、そのあたりが適切であったと思う。

 「昨今あれこれ」、色々なことが続く近頃である。