第851回「黒人差別問題で思うこと」

 深谷隆司の言いたい放題第851回

 「黒人差別問題で思うこと」

 警官による黒人男性殺害事件から、全米がデモと暴動で吹き荒れている。北米にアフリカ から黒人が初めて連行されたのは401年前、以後約250年にわたって奴隷制度が続いた。ようやく人権を認め差別を撤廃する公民権法が制定されたのは1964年だ。実は私は1970年、都議会から派遣されてアメリカを訪問したが、まだ差別は厳然として残っていた。白人と黒人はレストランも、トイレも別であった。(決してよくないが)日本人は白人のレストランに入れるとあって、ちょっと優越感を覚えたものだ。この時の道中記を行政通信社から「世界のきょうと明日」というタイトルで出版したが、黒人差別の実態を書いた部分は「問題がある」と全て削除された。あれから51年も経っているのにまだアメリカ社会の悪しき象徴が残っているのかと愕然たる思いがする。

 ただ注目すべきは、今回の抗議デモに白人の姿が非常に多くみられると米メディアが報じていることだ。長年の差別反対運動が効果を上げ、白人の黒人に対する偏見が和らいできていることは間違いないのだ。

 トランプ大統領は前回選挙で白人保守層受けする過激な言動で勝利したが、今回の言動は大きな批判を招き、世論だけでなく身内まで離反している。

 周りをイエスマンで固め、裸の王様になっているトランプ氏、誰かが強烈に諫めなければ国内だけでなく世界中に迷惑を及ぼすのではないかと危惧している。