第780回「あきれた国のあきれた裁判」

 深谷隆司の言いたい放題第780回

 「あきれた国のあきれた裁判」

 韓国最高裁が、新日鉄住金相手に韓国人4人が起こした訴訟で、新日鉄住金敗訴の判決を下した。この最高裁長官は昨年9月、文大統領に任命されたばかりの、高裁判事さえ勤めたことも無い男だ。しかも彼は自分と同じ左派系の裁判官を次々に任命しているという。明らかに文大統領の反日路線の連中が、裁判の結果まで歪めようとしているのだ。

 韓国では戦犯企業とレッテルを張られた日本企業が約300社もあって、この全てが今後訴訟対象にされかねない。資産が押さえられる可能性もある。戦時下日本に徴用された韓国人は約22万人、新たな訴訟が起こされたらどうなるのか。

 とんでもない事で、日本は国交断絶ぐらいの覚悟を持って、毅然たる態度で臨まなければならない。


 クーデターによって政権に着いた朴正熙大統領は日本との関係改善を目指し1965年日韓基本条約を締結、これに付随して交わされたいくつかの協約の一つが日韓請求権協定であった。この協定に基づき日本は韓国に無償3億ドル、有償2億ドルの巨額な経済支援をすることになった。

 当初、日本側は根拠のある請求権を持つ個人への直接支払いを提案、韓国側は個人を含む全ての請求権を韓国政府に一括し支払う事を要求、結局日本政府がこれを受け入れた。韓国が日本政府による個人への補償を拒み、韓国政府が義務を負う事を選んだのだ。これがやがて韓国奇跡の経済発展につながっていくのだが、こうした状況はほとんど韓国国民には知らされていなかった。

 この協定によって両国及び国民間の請求権が、完全かつ最終的に解決されたことは間違いない。


 徴用工をめぐる裁判の流れが変わったのは、2012年からで、この時の主任判事も、反日色の強い盧武鉉政権によって任命されていた。韓国の司法は民意におもねる傾向が強い。元々まともな判決は期待できないと私は思っていた。

 日本としては国際司法裁判所に提訴する方法もあるが、韓国が拒否すれば裁判は出来ない。韓国は国際協定も守れない前近代国家だと自ら宣言しているに等しい国だから、これを拒否すると思われる。仲裁委員会設置もあるが公平な第三国を選ぶ事は容易ではない。

 今、韓国政府が中心になって財団を設立し、韓国企業と日本政府、日本企業が参加する構想もあるという。全く馬鹿げた話で、慰安婦問題をめぐる平成27年の日韓合意の柱である「和解・癒し財団」の解散を示唆し、約束を破ろうとしている韓国相手に、同じ轍を踏んではならない。

 日本としては「韓国を相手にしない」、戦術的放棄を強めるしかない。