第750回「楽しみて以て憂えを忘る」

 深谷隆司の言いたい放題第750回

 「楽しみて以て憂えを忘る」


論語の中にある一節だ。人間だから辛いこと苦しいこともあるが、その中にも道を楽しみ、憂いを忘れる余裕と趣味を持つこと、の意である。

私の生き方もそうありたいといつも思い実践している。新年を迎えて家族との時間を楽しみ、友人達との痛飲の愉快な時も多い。


大相撲正月場所、今年は4回足を運んだ。江戸のことわざに「五日の相撲を七日行く」とある。昔、五日間の興行で、寺社の境内に小屋掛けする時から、全取り組みに熱中した上、小屋の解体作業まで見に行くという熱狂振りを言ったのである。勿論そこまでではないが、二所ノ関部屋後援会長を10年以上も引き受けているし、近頃は松村先生の依頼で友綱部屋の看板も揮毫しているから、半端ではない。二所ノ関親方が事故で大怪我して以来、心配で見舞いにも行っているが、みづえ夫人の報告では着実に回復しつつあるようだ。理事を外れることになったのは残念だが、一日も早い全快を祈るのみである。

不祥事が多く、相撲協会の自覚と改善は必要だが、問題はあるものの、連日満員で人気は変わらない。相撲道は大事だが本来娯楽と興行で、歌舞伎と同じく日本の独特の文化だから、目くじら立てずに見守っていきたいものだ。

23日、溜席(通称)砂かぶりの最前列に陣取って見物したが、テレビで何度も映るので、知人達から(大袈裟ではなく全国各地から)次々と連絡が入った。

現役時代は、テレビに映らないところを必ず選んだものだが、みんなが「元気でよかった」と言ってくれるから、たまにはここに座るのもいいかと思ったものである。

この日は松鳳山関が破れて残念だったが、千秋楽は千葉の二所ノ関部屋の打ち上げに行って檄を飛ばさなければならない。


「君子に三楽あり」は、一に父母健在、兄弟に事故が無いこと、二に天地に恥じることが無いこと、三に天下の英才を得てこれを教育することをいう。大相撲の後、自民党政経塾でいつものように熱弁をふるった。今回はNHK大河ドラマ「せごどん」にちなんで維新の三傑の1人西郷隆盛を語った。

あと1回講義を行ない、36日に12年目の塾終了式となる。いつも定員オーバーの満員盛況だが、既に2千人を越える人材を送り出している。

13年目も引き続いて私が塾長をつとめるが、次々と新しい人材が集ってくれることを思うと胸が熱くなる。渋谷の徳真会クオーツタワーでの温故知新塾も順調で、15日に3期生を迎えた。

とかく批判されがちだが、今の若い世代、意外に(と言っては失礼だが)真面目で頼もしい。「楽しみ」を持って私も前進あるのみである。