深谷隆司の言いたい放題第741回

 「選挙で見える人物像」


慌ただしく選挙は終わった。自民党が圧勝したが、マスコミは何故か「一強支配」と称して批判を繰り返している。日本のおかれている現状を見ると、よほど政治が安定していないと危機を乗り越えることは出来ない。「一強」だからこそ安定的な政治を遂行できる訳で、これがけしからんというのは筋が違うと思う。もっとも、「一強に胡坐をかくな」という意味なら、これは大事な示唆で、拳々服膺、安倍政権は決して奢ることなく、国家国民の為に粛々と政治を進めていかなければならない。


私は50年という長い間政治家として生き、今も深い関わりを持って暮らしているが、選挙ほどその人物像が明らかになる時はないと思っている。今回の選挙もその後先で、様々な人物の実態が明らかになった。

なんと言っても一番実像が見えたのは小池百合子都知事である。都知事選挙、都議会選挙まであれほど輝いていたものが、実態がわかって今はみんなからすっかり嫌われてしまった。

彼女はいつも権力者のそばに寄り添い、それを土台に自らをステップアップさせてきた。細川首相、小沢一郎幹事長、小泉純一郎首相、今は批判しているが安倍首相には大臣に抜擢されていた。

しかし、都知事当選以降、彼女自身が権力者そのものになった。初めての経験だけに、権力者のありようがわからない。何事も自分で出来ると考え、他人の声に耳を傾けず全てを自分で決め、いつの間にか独裁者になってしまったのだ。

都民ファーストの創立メンバー2人が離れた。一切、相手にされない状況に置かれ、小池氏に会えないだけでなく連絡もメールばかりだったと嘆いていた。

都知事の仕事もロクに果たせぬまま、今度は国政に参加と「希望の党」を作ったが、負けそうだと判ると自分は出馬しない。これを勝負勘が強いというのか・・・。しかも、民進党の中で気に沿わぬ人は入れないと「排除の論理」を強調する。「排除」など過激な言葉は一般に使われない。「暴力団排除」ぐらいしか思い当たらないのだ。まさに正体見たり、ではないか。

前原代表との2人の会談で何を話し合ったのかは全く不明だ。彼女は「情報公開が無い」といつも安倍首相を批判していたが、そんなことなどどこ吹く風の密室政治だ。

旧民進党の面々も自分の当選を考えて周章狼狽、希望の党に参加したものの、今になれば侃々諤々、文句の言いたい放題で大混乱である。

漁夫の利は枝野氏率いる「立憲民主党」で、すっかり同情票が集まって大勝した。彼等も最初は合流を当てにしていたのに、駄目になると「意志を貫く」ときれいごとで終始している。第一、何を政策としているのか判らない。共産党と組んだ完全左派で、リベラル(自由主義)とは程遠いことだけは明らかだ。

今回の離合集散劇を観ると、皆自分本位、バッヂ欲しさだけで、そこには政治家として絶対に必要な愛国心のかけらも見えない。

選挙は候補者の政策や信条よりも、有権者の、その時々の「情緒」で決まるといわれる。いわゆる「風」だが、そんな安易なことでいいのか。ここにも多くの問題があることを指摘しなければならない。

戦い終わって、地元の辻君も松島さんも、そして都連全体も大勝利したのだが、なんだか私の心の中には空しさだけが残っている。