第723回「政治を軌道に乗せよ」

 深谷隆司の言いたい放題第723回

 「政治を軌道に乗せよ」


加計学園問題で、文部科学省の前川喜平前事務次官がすっかり英雄気取りでまるで正義の告発者のごとくマスコミに出まくっている。

彼こそ加計学園の獣医学部新設を許可した責任者ではないか。この許可が誤りだというなら、その責任はまさに彼にある。今更、安倍総理の強い意向を忖度してと、責任を擦り付けるなどもってのほかである。

 第一、公務員のトップとして、その立場で知り得た事をベラベラ喋りまくる行為は、明らかな守秘義務違反にあたるのではないか。

元々、日本の大学に獣医学部が設置されたのは、昭和41年の北里大学のケースが最後で、以来獣医学部の新設は一切封印されている。いわば許認可権を握る文科省の思惑から、締め出されてきたというのが実際である。獣医師や日本獣医師会の反対があってのことだが、要するに競争相手を増やさないといった自己保存の圧力団体の力が背景にあるようだ。

獣医師が充分に足りているのならやむを得ないが、決してそうではない。

話題の地域愛媛県は、畜産振興事業のため県職員として獣医師を募集したが、必要な数に満たないで困っていた。

今治市は人口減少を食い止めるための有力施設として獣医学部誘致を図り、平成19年から8年間に、なんと15回も設置許可を申請した。その必死な思いに一瞥もせず、文科省は無視し続けて来たのである。文科省の「岩盤規制」は改めなければならない。


安倍首相と特別な関係があったからと、もっぱら批判されているが、第一次安倍政権の時も申請は却下されていた。もし、加計学園のために強引に事を進めるなら、この時認可されていてもおかしくない。こうしたことを報道するマスコミがほとんどないのは何故か。

第二次安倍政権になって、経済活性化策を進めるために規制改革など「日本再興戦略2015」が閣議決定された。これに基づき国家戦略特区として獣医学部新設の方針が示されたのである。決しておかしな話ではない。


前川前事務次官は週に3回も出会い系バーに通って若い子と交際を続けていた。このスキャンダルが報道されると、官邸のやらせと又騒がれた。

しかし、日本の教育を担う最も大事な文科省のトップが、こんないかがわしい人物であってよいはずは断じてない。当然糾弾されるべきだが、そんな声は小さい。「現地視察」など本人の馬鹿げた言い訳をまさか信じているとは思えないが・・・。

ただ残念なのは政府や関係者の、最初の対応だ。メモなど存在しない等と否定し、調査も拒んだが、あんな代物は全て出して、その中身が如何に意味のないものであるかを、明確に示せばよかったのだ。


今、北朝鮮の脅威など、国家国民にとって重要な問題が山積している。国会で充分な論議が必要な時ではないか。

早く政治が軌道に乗るよう念じてやまない。