深谷隆司の言いたい放題第708回

 「日米首脳会談」


 安倍晋三首相は210日、ワシントンのホワイトハウスでトランプ大統領と初の首脳会談を行った。

 選挙中から数々の型破りな発言を繰り返し、当選後も難民や中東・アフリカ7ヵ国の入国を一時禁ずる大統領令を出すなど、トランプ大統領のアメリカファーストの姿勢は波紋を広げていた。特に日本に対しても核武装容認発言や、在日米軍の駐留費負担増、更には日本が不公平な貿易や為替操作をしているなど、厳しい言葉で批判していた。

 一体どうなるのか不安視していたら、その態度が驚くほど一変して逆に大歓迎、ゴルフを含め丸二日間大統領と過ごす等異例の厚遇を受けた。

これは当選直後、いち早く訪米し面談の機会を作った安倍首相の積極的な行動や、なによりも安定的な長期政権になったことが背景にあると思った。


事前に訪日したマティス国防長官は尖閣問題が日米安保条約の適用を受けると明言していたが、日本の防衛は揺るぎないものであることが共同声明できちんと文書化されたことは大きい。

 もう古い私の想い出だが、現役時代の80年代、自動車の「輸出自主規制」が求められたり、米国車の輸入の「数値目標」まで出されて(1990年)随分苦労したものだ。

労働政務次官の時、米自動車労連との交渉のためデトロイトに飛んだこともある。「日米タバコ摩擦」というのもあって、その時もアメリカに派遣されたものだ。

トランプ大統領は環太平洋経済連携協定(TPP)を否定し、今後は日米自由貿易協定(FTA)を求めると思われるが、今回は言及しなかった。

私が通産大臣時代、WTO交渉で何度も国際会議に出席し激論を戦わせたものだが、多国間との全体交渉はほとんど効果を挙げず、結局FTAが今後の主流になると思っていた。その意味ではトランプ大統領の考えは理解できるが、さて実際となると、牛肉について関税の撤廃を求めたり、コメ、乳製品生産者が無理難題を吹っかけることも予測される。困難な問題はとりあえず先送りということで、日本は今後に向けて覚悟と準備が必要だと思われる。


日米間には数々の問題が山積しているから、今回の会談をもって手放しでの安心は決して出来ないが、一番大事なことは両国間の信頼関係が構築されることで、その点ではよい関係が出来たと大きく評価したい。

民進党の蓮舫代表は「ゴルフに興じる日本の首相の姿は誇れるものではない」と批判していたが、相変わらずの「ボケ」ぶりであった。