第685回「あわただしい動き」

 深谷隆司の言いたい放題第685回

 「あわただしい動き」


知事選挙の敗北から、責任を取って石原会長、内田幹事長等が辞任したが、次の新しい人事は私に委ねられていた。

選考委員長として、一定の間をおいて冷静に決めたいと、あえて時期をずらしてきたが、6日、7日両日委員会を開き、新人事を内定(改めて支部長・常任総務会の承認が必要)した。

新会長には下村博文元文科大臣を決め、幹事長は高島直樹都議、総務会長は萩生田光一官房副長官、政調会長は井上信治党副幹事長で、これは私の納得のいく顔ぶれであった。

ところが、マスコミは早速批判を始めた。想定内のことだが、高島氏は内田氏の側近、傀儡だというのである。

テレビで鈴木某評論家は、この人事は去年から出来上がっていた等、口から出まかせの発言をしていたが、決めた私から言えば呆れて物も言えないといった心境である。

高島氏は私がかつて開いた深谷政経塾(自民党政経塾の前身)の一期生で、気心の知れたよき後輩である。議長経験もあり、明るい快活な人物で、みんなの声を大事にする人材だ。

マスコミの取材に答えて、「知事とは円満な対応をする、なによりも都民目線で働く」と言っていた。「都民目線」は私が提案した言葉だが、それが彼の偽りのない思いなのである。

都連の幹事長は元々都議会議員枠、7日の朝、都議会自民党は総会を開き、満場一致で高島氏を決め、私に報告があった。だから当然のこととして受け入れたので、そこには何の思惑も配慮もない。彼は必ず期待に応えてくれると信じている。

小池知事は、築地移転の時期を117日から延期すると決めた。前回も書いたが、その理由は「安全性への懸念、巨額かつ不透明な費用の増加、公開不足」の3点だが、安全性以外は長期の検討を要する課題で、具体的な再開の日取りも明示されておらず、これでは業界関係者は大混乱に陥る。既に民間業者は数百億円も豊洲に投資している。延期しても豊洲市場の種々の費用は1700万円というから、これらの費用や補償を考えると、都の出資は膨大なものになる。延期は簡単なことではない、都民の血税がまた大きく使われる懸念があるのだ。

築地問題は今週の週刊新潮(915日号)に、私のコメントも含めて詳しく書かれているので参照して欲しい。

都知事の給料を半額にするという提案もするようで、これで又都議会が対応に苦慮している。都議の報酬より知事の額が少なくなるから、この条例案にどう対応したらいいのか困っているのだ。

おそらく都民は歓迎だろうが、報酬とはその立場にふさわしい額が設定されるべきもので、ただ減額すればよいというものではない。第一、知事には高い退職金が任期満了ごとに支払われるが、都議には退職金はない。ちなみに国会議員も、大臣も退職金はない。

行政府のトップの知事が給与減額するなら、その点から言えば、一斉に減額すべきは都の職員という理屈になるのだ。

選挙のときの公約は、票目当ての側面が多いから、現実と乖離がある。民主党政権が短期間で挫折したのもそのためだが、選挙で言ったから何でもそれを通すということだと、各所に亀裂や矛盾が出る。

知事当選以来、あわただしい動きが目立つが、短兵急に事を急ぐのではなく、もっと現実の場に足を据えて、知事にふさわしい思慮と、冷静な対応を考えていく事が必要だと思うのだが・・・。