第550回「朝日新聞の厚顔ぶり」

 深谷骼iの言いたい放題第550回
 「朝日新聞の厚顔ぶり」

 朝日新聞は8月5日号の2頁全部を使って「慰安婦問題どう伝えたか 読者の疑問に答えます」との特集記事を載せた。
 要は、今まで朝日新聞が書いてきた「従軍慰安婦問題」で、強制連行は「虚偽」であったなど、大問題にすべき内容なのだが、ほとんどが「自己弁護」で、深い反省の言葉も無いお粗末ぶり、これは絶対に国会で取り上げるべきテーマだと、怒りをもって思った。
 朝日新聞の「事実に反する記事」によって、誤った認識が世界に拡散され、日本がいかに酷い国であったかと、とり返しのつかない大変な誤解を世界的に与えてしまった。日韓問題がこれほどまでにこじれてしまった遠因も、朝日の誤った報道によるところが多いと改めて痛感した。

 1982年、「済州島で200人の若い女性を駆り出した。慰安婦にするために暴力をふるって連れ出した」とする吉田清治(戦時中、労務報国会下関支部の労働部長)の発言を鵜呑みにして、何度も(16回)記事にした。
 この男の証言内容について調べたが一切が「虚偽であったと判断し、記事を取り消します」と、まるで他人事のように平然とした顔で書いている。この証言は96年の国連人権委員会のクマラスワミ報告にも引用され、慰安婦の強制連行があったとする誤解が国際社会に拡大する一因になった。あれは嘘だと何度も言われていたのに20年以上も訂正せず放棄して来た責任は重大だ。

 1991年、「第2次大戦の直前から、女子挺身隊等の名で前線に動員され、慰安所で日本軍相手に売春させられた」と朝日新聞は書いた。又、「太平洋戦争に入ると、主として朝鮮人女性を挺身隊の名で強制連行した。その人数は8万とも20万ともいわれる」と翌年に書いた。しかし、朝日は今回の「読者のみなさまへ」で、女子挺身隊は、戦時下で女性を軍事工場などに動員した「女子勤労挺身隊」を指し、慰安婦と全く別です」、と悪びれた風も無く訂正している。 
 女子勤労挺身隊は当時日本人全てに課せられたもので、慰安婦と何のかかわりも無いことは誰でもが承知の事であった。
 「当時こうした研究が進んでおらず、誤用してしまいました。他紙も同様の報道をしました」だって・・・。呆れる言い訳ではないか。

 元慰安婦の初の証言報道は、元朝日新聞の植村驪L者によるものだが、この男の妻は韓国の「太平洋戦争犠牲者遺族会」の幹部の娘だ。元慰安婦の裁判支援をしてきたこの義母からの情報を頼りに、いい加減な記事を書いてきたと、もっぱら言われているが、「意図的な事実のねじ曲げなどはありません」。
 記者の心象など測りようも無いのに、何の根拠の示さずの弁解だ。こんな程度の話を、5大項目の中にわざわざ入れるのだから、まるで子供騙し、呆れるではないか。

 同じ日の朝日新聞の論説「慰安婦問題の本質直視を」で、「慰安婦問題に光が当たり始めた90年代初め、研究は進んでいませんでした。私達は元慰安婦の証言や少ない資料をもとに記事を書き続けました。そうして報じた記事の一部に、事実関係の誤りがあったことがわかりました。問題の全体像がわからない段階で起きた誤りですが、裏付けが不十分だった点は反省します。似たような誤りは、当時、国内の他のメディアや韓国メディアの記事にもありました・・・」。
 ここではっきりしたことは、朝日は十分な裏付けも無いままに記事を書いてきたという、驚くべき告白だ。
 「他の報道もそうだった」と言われると、「赤信号みんなで渡れば怖くない」という意味かと、こちらまで頭が狂ったのかと錯覚する。

 朝日新聞は当初、慰安婦の強制連行を問題にしていた。その根拠が崩れると今度は「強制性があった」と強調している。広義の強制性があるからといって、それで日本政府の責任を問うなどという理屈は通らない。論理のすり替えではないか。
 何が正しいのか、真実を究明することこそ、正しい歴史認識を持つということなのである。
 マスコミ、特に朝日新聞は信用できないと、まず思うことが読者にとって必要な事なのかも・・・。