第289号「催し色々」

深谷隆司の言いたい放題 第289号
「催し色々」

 3月17日、私の友人で世界的デザイナー芦田淳氏のフアッションショーが六本木のグランドハイアット東京で開かれた。
 昨春は東日本大震災の影響で自粛したから久しぶりである。
 幕開けはなぜかエキゾチックな装いで意表を突く。次第に芦田氏らしいシックな、エレガントな冬物コート、イブ二ングドレスと移っていく。
 そこはまさに「ジュン・アシダ」の世界だ。季節を先取りした秋冬コレクションで個性的作品が60点に及んだ。
 芦田氏は今年81歳、現役として意欲的、芸術的力を発揮した優れた作品ばかりで、嬉しくなった。
 近年、彼の作品を見ると、娘のミス・アシダを意識してか、若やいだ、華やかなものを求めているようで、無理しない方がいいのにと秘かに思っていた。
 今回の作品は、芦田氏らしいエレガントさで、まさに大人の雰囲気、申し分ない重厚さで感激したものである。
 いつものように私等夫婦の席は最前列、隣は評論家で著名な桜井よし子女史、更に女優の浅丘ルリ子さん,おまけに親しい中川秀直夫人だ。
 近くには都倉俊一夫婦、藤井元大使夫人もいて声を掛けてくれる。
 特に隣の櫻井女史、彼女の政治的発想は極めて私に近いし、昔、取材で会ったこともあり懐かしかった。浅丘さんも相変わらずきれいだし、私はご機嫌であった。

 3月18日は、浅草で56年ぶりに復活した「船渡御(ふなとぎょ)」を見学した。
 5月に行われる三社祭りは、今年で700年の節目を迎える。これを祝っての催しである。
 推古天皇の時代、隅田川で漁をしていた兄弟が、人形の像を網で拾い上げた。不思議に思って郷土の文化人に聞くと、これが聖観世音菩薩と分かり、寺を作って供養護持した。浅草寺の起源である
 後に前述の3人を神様とあがめ祀ったのが三社権現社(浅草神社)である。
 明治維新の神仏分離令で浅草寺と分かれたが、今も三社さまと親しまれている。
 江戸時代には3基の神輿を船に乗せる船祭であったが、明治以後は、今のように氏子各町を渡御するのみとなっていた。

 私は家族と共に隅田川に面した「浅草むぎとろ」の別館「芋串」の2階に陣取って、目の前を渡る3基の神輿を乗せた船、長さ18メートルの金竜を乗せた船など20艘の船団を見守った。天下随一の観覧席、贅沢な話である。
 次の機会は56年後か、ならばもう二度と見られないわけか・・・。

 この夕、6時からは、かつて私の選挙を手伝ってくれた若手婦人部の、いわば同窓会のような集まりがあった。
 場所は、浅草寺近くの「アリゾナ」(3843-4932)。ここは永井荷風がこよなく愛した昔風の洋食屋で郷愁を感じさせる店である。過日は自民党政経塾の弟子たちを連れてきて大いに喜ばれたばかりである。
 総勢18人、「船渡御」の打ち上げ宴となって大いに盛り上がった。
 他の客に、私と親交のある元祖「タイガーマスク」が居合わせた。なんでも前日、あの大仁田厚氏とプロレスで対決したとか。
 参議院議員を辞めて、ついぞ名前を聞かなかったが、まだ頑張っているらしい。
 やっぱり浅草は、人、食事、催し、何をとっても楽しいところであった。