深谷隆司の言いたい放題 第288号
「中井洽氏の渡航は日本にとってマイナス」

 衆議院予算委員長の彼が国会開会中に台湾に行くということで問題になった。実はモンゴルで日朝交渉を行おうとしたことも一因である。
 中井氏は元拉致問題担当相であったから、拉致問題解決の為にということらしいが、何の見通しがあるわけではない。
 この人は2年前、元死刑囚金賢姫を税金まで使って、国賓のように日本に招き、結局、何の成果もなく批判され、世界の物笑いになった人物である。
 会う相手は宋朝日国交正常化交渉担当相とのことだが、すでに拉致問題交渉については断られていて、日本人妻の帰国問題や日本人の遺骨収集、よど号事件関係者の帰国問題に絞っての交渉に限ってとなっている。これらは基本的に既に合意しているから、実はわざわざ再交渉する理由は無い。
 となると中井氏の単なるパフォーマンス以外には考えられないではないか。

 しかも、北朝鮮は昨日(3月16日)、4月12日から16日の間に人工衛星を搭載したロケットを打ち上げると発表したばかりである。
 あくまでも平和的な科学技術衛星だと主張しているが、2009年、人工衛星と称して、実際には長距離弾道ミサイルを発射している。すべて嘘っぱちなのである。
 
 北朝鮮は、短距離のスカット型ミサイルと中距離で日本の大部分を射程に収めるノドンミサイルなどを1000発以上保有しているといわれている。テポドンはアメリカ国土に直接到達する。危険極まりない国なのである。 
 この2月の米朝協議で、ウラン濃縮活動の一時停止や長距離ミサイルの発射や核実験の一時停止にも合意しているのに、平気で約束を覆す、とんでもない国である。
 一連の北朝鮮の動きは、故金日成主席の生誕100周年、及び金正日総書記の後継者金正恩氏の総書記就任に合わせての国威発揚と、若い金正恩の権威付けに狙いがあることは間違いない。
 こんな国を相手に、何の権限もない、たかが1委員長に何が出来るというのか。
 逆に相手に交渉の主導権を握られ、振り回され、日本にとってマイナスになることが目に見えている。外務省はこうした先を読んで、一切関わりを持とうとしていない。至極当然のことである。
 
 16日、なんと議長の特別裁定とかで、中井氏は台湾に行けることになった。
 国会開会中の議員の海外渡航は与野党の了承を得るという慣例になっているが、それを破っての裁定だ。なんと愚かな事であろうか・・・。
 ただ嘆息するのみである。