第267号 「岡田克也副総理の突出発言」

深谷隆司の言いたい放題 第267号
「岡田克也副総理の突出発言」

 22日のテレビで、岡田氏は「年金制度の抜本改革の為に必要な財源は、今回の消費税10%には入っていない」と発言した。さらなる増税が必要と言うのだが、就任わずかな時間を考えると、十分な協議や検討がなされた上での発言とは到底考えられない。
 あくまで彼の個人的な考えを述べたのであろうが、こんな重要な事柄を、何の相談も無しに発言しても問題が無いほど厚遇されているのか。これでは誰が総理なのかわからなくなる。

 野田首相は、先の内閣改造は「最善かつ最強の布陣」と自賛していたが最大の目玉は岡田氏の起用であった。
 世論の消費税反発は次第に強まっているし、民主党内での意見集約もままならない。そこで、二枚看板になってもいいから岡田氏を起用して、彼の発信力を活用しようとしたのである。
 首相官邸に部屋を持たせ、秘書官を5人も付けた。財務、総務、厚生労働、内閣の4府から送り込まれた人たちだ。
 更に最高意思決定機関である政府・民主三役会議のメンバーにも入れ、政府の重要方針を決定する「国家戦略会議」にも参加させる予定である。
 
 15日のNHKの番組では、国会議員の歳費削減や政党交付金の削減に言及したが、これも政府与党内で調整された話ではなかった。いくら良い発言でも、政府与党内できちんとまとめていなければ「言いっぱなし」で終わってしまう。これでは無責任で、決して許されないことなのである。
 自民党の大島副総裁は「発言は慎重にした方がいい。副総理が直接動き回ると、政党間協議はどうなっているのか」ということになる。与野党間の協議は本来幹事長同士でやるものだが、ここらあたりの筋の通しかたは大事である。
 官房長官の役目までやろうとしているのだから無理がある。
 公明党からも、「政府の人間がなんでも言及するのは謙虚さを欠く。立場を考えてもらいたい」と不快感を示していた。もっともなことである。
 早くも野党から、調子に乗っていると冷ややかな反応が起こっている。
 24日から始まる通常国会、大荒れ模様と思われているが、岡田氏の起用が吉と出るのか凶と出るのか、ここはじっくり見守る必要がありそうだ。