言いたい放題 第222号 「小沢裁判、今日から始まる」

深谷隆司の言いたい放題 第222号
「小沢裁判、今日から始まる」

 今日10月6日、朝からマスコミは小沢一郎氏の初公判でもちきりだ。テレビは裁判所の傍聴券の抽選を待つ人々を上空のヘリコプターから映し出したりしている。
 9月26日の3人の秘書の判決公判では46の一般傍聴席に対して422人の人々が抽選に臨んだが、今日は2,000人を超える人達に膨れ上がっている。如何に政治とカネをめぐる小沢問題に国民の関心が寄せているかの表れである。
 午前中に行われた小沢氏の冒頭陳述では、当然予想されたとうり彼は無罪を主張した。
 但し、何故無罪かについては全く触れず、「これは日本憲政史上の汚点、国家権力の乱用、小沢個人を標的にしたもので議会制民主主義の否定・・・」と、まあ、大上段に構えての言いたい放題である。秘書の有罪判決が下りた後の彼の発言は、国家権力の乱用は国民的危機であるかのような言いぐさで呆れたものだが、これだけの騒ぎを起こして、政治家としての反省や、国民に対しての謝罪など全くないのだから驚くばかりだ。検事役の弁護士は、土地購入の原資4億円について詳しく追及しているのに、小沢氏自身はこれに触れずじまいである。
 「検察審査会の起訴は全く不当で、直ちに裁判を辞めるべきだ」とも主張したが、国で決めている制度そのものを否定していることはお構いなしなのである。
 今度の裁判は、4億円もの土地購入代金の原資がどこから出たのか、何故政治資金収支報告書に載せなかったのか、そしてこれらについて小沢氏がどこまで関与していたのかが問われる裁判である
 これだけ巨額なカネの動きを、小沢氏が知らぬわけはないことは一般常識ではないか。検察審査会は二度にわたって起訴すべきと結論をだし、強制起訴となったのだが、この結論こそ限りなく常識的庶民感覚と言うべきではないだろうか。
 小沢側近と言われる政治家の中では、小沢無罪論に期待し、来年の代表選に向けての復権と、なんと天下取りさえ考えた者もいたと言われたが、先の3人の秘書の有罪判決で瞬時にそんなムードは吹き飛んだ。
 無罪論の根拠は、このところ続いた検察の不祥事、さらに、「小沢氏に報告し、了承を得た」との石川国会議員の供述調書が検察側の尋問のやり方に問題があるとして、裁判所で不採用になったからである。
 しかし、実はそんな調書など無くても、あまりに確定的な状況証拠が十分そろっていたのである。小沢氏自身から4億円を借り、そのお金で土地代金を支払ったことは本人も認めている事実である。にもかかわらず、わざわざ銀行から借りたことにしたり、その土地の購入そのものを04年の収支報告書に記載せず、登記の時期を翌05年にずらしたりしている。秘書たちが必死に小沢氏のカネの出入りをごまかそうとしている姿が目に浮かぶようだ。判決で「被告らはゼネコンとの癒着が公になることを恐れて犯行に及んだと」と明確に切って捨てている。
 小沢氏は資金管理についてほかに任せず、銀行のやり取りも自分でやっているとも述べている。また、管理運用を夫人に任せていると言ったこともある。
 小沢供述は今までくるくる変わり、みっともないくらいに変遷を繰り返してきた。
 そんな説明で世の中通用すると思っているとしたら大間違いである。
 これほど小沢公判が大きくとりあげられ、各界の人々がコメントを出しているのに、我が国を代表する野田総理大臣、一言も発しようとしないのはなぜか。(午後2時半現在)
 庶民派を売り物にし、政治を国民にもっと近づけると標榜しながら、都合の悪い時はノーコメントでは許せない。国会の廊下を通りすぎる度に、記者団から「総理総理」と呼びかけられているのに、これを全く無視して足早に去る姿に、絶望さえ感じる。せめて、「国民の皆様にご迷惑をおかけして申し訳ない」とか、「裁判の行くえを厳粛のに見守る」ぐらいのことは言うべきだ。民主党の中の小沢勢力は無視できない。下手なことを言えば党内融和が崩れる。それが怖いのだろうが、そんな内向き態度でこの日本を支え救うことなど到底できない。
 私から言わせれば、小沢氏の裁判の結論より、野田総理が毅然として対応するかどうかの方がはるかに大事だと思っているのだ。
 ああ、やっぱりだめなのか・・・・。