出足はまずまずかなと思って見ていたが、野田新政権、やっぱり、こりゃ駄目かなという感じになってきた。
 臨時国会の会期を、今度は一転して14日間延長すると決めた。この豹変ぶりにはびっくり、あきれるばかりである。

 すでに前にも書いたが、新内閣がスタートしたばかりなのに、会期は4日間と、与党の数で押し切って、強引に国会で議決してしまった。
 野党としっかり会話をし、協議していきたいと、あれだけ分かった風な話をし、連立まで口走っていたのに、この暴挙、強引さである。
 さすが野党は怒り心頭で、自民党を中心に7党は対決姿勢を鮮明にして、衆参両院議長に会期延長を要請したのである。至極当然のことであった
 本会議場で総理が所信を表明し、各党代表が質問する。その上で、予算委員会を開いて、内閣の政策や方針を更に詳細糺していく、というのが当たり前のことなのだが、それをやらずに逃げ出そうとしたのである。
 総理が訪米して帰国してから、休会中に予算委員会を開こうと輿石幹事長は提案していたが、そんな姑息なやり方が通用する筈もない。
 輿石氏は参議院議員だから、衆議院での「進め方」を知らないのではないかという人がいるが、だとするならば、そもそも与党幹事長は失格である。

 早く国会を閉じたいという思惑は分る。要は新米大臣ばかりでろくな答弁が出来ずに、たちまち立往生すること必至だからである。
 平野民主党国対委員長は,「今の内閣は不完全な状態で、国会答弁が出来ない」と平気で語っていたが、こんなことを公然という委員長もめったにお目にかかれない。
 その上、政府・首脳会議で、「閣僚のテレビ出演の自粛を求めている」と発言している。失言が怖いからということであろうが、今まで自分自身の発言で、野党の反発を買ってきたことすら自覚していないのだから困ってしまう。   
 おまけに就任9日目で辞めた鉢呂前大臣への任命責任追求も激しくなる。人の噂も75日、少しでも先送りすれば批判の声も薄くなると考えているのだ。

 4日間で閉会するという強硬姿勢を取ったからには、よほどの覚悟があるのかと思ったが、野党の強硬な反発にあうと、たちまち腰砕けになってしまう、野田政権は国会運営で早くも躓いてしまったのである。
 16日に、衆議院本会議で14日間の延長を決めたが、その直前に開かれた民主党代議士会は、当然のことだが、突然の方向転換に大反発が噴出した。
 松木、加藤両国対副委員長は早速辞表まで提出した。野田氏が第一に唱える党内融和も怪しくなってきている。

 余談だが、西岡武夫参議院議長は、自身の出身政党民主党の強引な4日間の決定に激怒して、議長職権を使って参議院で会期延長を決めようとしたという。
 昔、中曽根内閣の時、売上税の問題で私は大反対し、自民党の総務会で、後に総理になった小泉純一郎氏とタッグを組んで、数時間も反対演説を続けたことがあった。最後は総務会長が逃げ出して、私の主張が通るのだが、この時逃げ出した総務会長が今の西岡議長である。
 最近は、色々な場面で議長としての立場を守り、出身党に反発したりしている。なかなか気骨のある政治家になったものと往時をしのび感慨深いものがある。

 さて、これから開かれる予算委員会は、どんな形で推移していくのであろうか。野田政権の欺瞞性や大臣の無力さ、危うさを徹底的に追及して欲しいと思う。特に民主党の偽りのマニフェストの撤回を求めていくべきだと思う。
 しかし、一方で、それだけで終わって欲しくないと強く思ってもいる。

 いま日本は本当に危機的時代を迎えている。
 たとえ政権から離れたとはいえ、自民党はまぎれもなく今日の日本の発展に寄与してきた国民政党である。
 いま日本が抱えている諸問題をどう解決していくべきか、これまでの豊富な経験や知識を存分に生かして、積極的に具体的政策を提言し、政府にその政策を取り上げ、実行実現させるように進めるべきなのである。
 なにかというとすぐ「解散せよ」と口癖のように迫っている。勿論、間違ってはいないが、解散の可能性は実際のところ薄いし、何よりも自民党の支持率は低いままで、選挙をやっても政権奪取は難しい。
 ここはどっしりと腰を据えて、さすが自民党と言われるように行動すべきと思うのだ。
 はっきり言って、「どぜう」のようにのらりくらりとごまかしていても、所詮、自ら滅びていく運命であることは目に見えているのだから・・・・。