言いたい放題 第204号 「小粒代表選候補」

 週刊誌を見るたびに、よくここまで書けるものだと驚かされる。

 8月25日号の週刊文集、民主党の代表選挙に出馬すると思われる候補者の名前を並べて、「また馬鹿のかお」とグラビアつきだ。
 普通なら、けしからんと厳重抗議するところだろうが、誰もそんなことは言わない。マスコミと喧嘩出来る元気ある政治家がいなくなったのか、あるいは大人になったのか。
 それにしても、うまい比喩だなと、妙に納得できるから面白い。
 しかし、代表選で選ばれた人はポスト菅で、日本国の総理大臣になるのだから、事は重大で笑っては居られない。

 「また馬鹿のかお」を私なりに検証してみる。
 最初の「ま」は、前原誠司前外務大臣だ。在日外国人からの違法献金問題で大臣を辞めたばかり、出るとか出ないとか逡巡していたようだが、ここへきてやっぱり出馬したくなったようである。
 私は、かつて、彼に期待した時もあったが、偽メール事件で、この人の先見性の無さ、判断力の欠如、いつも自分がいい子になりたいタイプに、幻滅した。カッコはいいが、とてもこの国を委ねる人材ではない。
 
 「た」は樽床伸二氏だが、国対委員長を経験しただけで、大臣さえ勤めていない。そもそも名乗り出ることが厚かましいことで、総理大臣をよほど軽く考えているのか、さもなければ選挙目当ての売名運動としか思えない。
 「馬」は馬淵澄夫氏だ。衆議院議員当選わずか3回、国交大臣にはなったが、せんかく諸島沖での中国漁船衝突事件のビデオ流出問題で、問責決議案が出され、5か月で事実上更迭となった。大臣としては国交省内であまり評判は良くなかった。取柄は6人の子沢山、私の良く知る上野のジムでボデイビルに励んでいることぐらいか。 

 「鹿」は鹿野道彦農水相だ。彼は当選11回という大ベテランだが、5つの政党を渡り歩いて節操がないと言われている。自民党時代は故安倍晋太郎氏の秘蔵っ子、若手のホープであった。
 当時、日経新聞社長らが中心になって「大臣に育てる会」というのがあって築地料亭吉兆でよく宴が開かれた。呼ばれるのは私を含む5人ほどの若手で、鹿野氏もメンバーの一人であった。東北人らしく余計なことも言わず穏やかな人で、私は好感をもっていた。良き時代の思い出である。
 自民党を離れてからは会う機会もなく、公設秘書が「口利き」で逮捕されたことが話題になった程度で、政治家としての活躍ぶりは、ほとんど聞かなかった。

 「の」は野田佳彦財務相で、一応、本命と言われている。岡田幹事長等現執行部が強く推しているし、党内の抵抗感も少ないようだ。大連立を目指すと公言し、自民党に秋波を送ったがこれは通用する筈もない。
 問題は、松下政経塾出身者によくあることだが、決断力が無いことで、09年の時も出るとか出ないとかで散々迷った挙句、不出馬となった。
 増税路線を明言しているが、これは財務省の意向で、「代弁者」と批判されたりしている。 
 一番の問題は、彼にまつわるスキャンダルの数々だ。暴力団との関係、脱税で逮捕された人からの献金、死亡事故を起こした品川美容外科からの献金・・・。
 総理大臣になったら、予算委員会で早速追求されること必定だ。

 「か」は、いわずと知れた泣きの海江田万里氏だ。もう今更書く気もしないが、国の為に身命を賭して働く気概など感じられない。
 「辞める辞める」と言いながら、とうとう最後まで決断できない。これでは話にもならない。

 最後の「お」は、前にも書いたが、私の事務所で、昔、アルバイトに来ていた小澤鋭仁氏だ。
 過日、プリンスホテルで行われた谷垣自民党総裁夫人のお別れ会で、ばったり会った。「君もいよいよ天下取りだな」と言うと嬉しそうにはにかんでいた。
 少し縁ある者としてと、本気で激励したいのだが、いかんせん推薦人が集まらないようである。しっかり将来を見つめて、真剣に精進して欲しものである。

 以上、出馬の顔ぶれは一応揃ったようだが、何とも小粒で頼りないことおびただしい。
 しかも、最後の決め手は鳩山由紀夫氏と小沢一郎氏の判断だというのだから困ったものだ。
 特に約120人と言われる党内最大のグループを擁する小沢一郎氏にすり寄ろうと、全員が躍起になって小沢詣でがはじまっているのだ。脱小沢の菅政権が終わろうとするや、この豹変ぶり、呆れるよりは情けないという思いである

 日本は今、最大の危機的状況にある。
 大震災と原発事故への早急な対応、急激な円高、株安など世界的経済危機からの脱却、そしてこれらを克服するための財源をどうするのか・・・。
 こうした問題に正面から取り組み、具体的な政策を掲げて堂々の論陣を展開することこそ、今、候補者たちに求められているのではないか。
 断っておきたいことは、民主党政権誕生の時のような、いい加減なマニフェストは2度と掲げるなということだ。
 そして、絶対に求めたいことは、「この国を本気で愛しているか」ということである。一身を投げ出してこの国を救ってくれるのか。その気のない奴は断じて出てはならない。

 誰が総理大臣になるのか、どんな政権になるのか、この代表選挙は、嫌でも日本及び日本人の命運がかかっている。
 しかし、悲しいかな、総理を決める権利は民主党議員にしかない。
 我々は、ひたすら厳しい目で見続けるしかない。
 一人一人の国民にも訴えたい、民主党議員の動きをしっかり見つめ、次の選挙に必ず活かしてほし事を・・・・・。