7月23日夜、中国東部浙江省温州で発生した高速鉄道の衝突、脱線事故で、現時点で死者35人、負傷者192人という大量の犠牲者を出した。
 落雷で停車中の高速鉄道列車に、衝突、脱線したのだが、こんな事故は日本では全く考えられないことだ。
 しかも、一夜明けた24日早朝、追突した車両の運転席部分を、現場に掘った穴に埋めてしまったという。事故原因を究明する為に、本来ならまず運転席を徹底的に調べるのが当然なのだが、明らかな隠ぺい工作だ。
 衆人環視の中で平然と行い、「撤去出来ないから埋めた、どこが悪いか」と言わんばかりの姿勢は、まさに中国ならではの傲慢さだ。

 そもそも中国における高速鉄道建設は、中国の威信を世界に示すためのもので、そればかり優先して、安全性が軽視されてきた。
 運行を開始してわずか4年余りで、営業距離は8000kmに及び、2020年には1万6000kmの延伸計画で、日本をはるかに超えたと威張っている。
 今までの経過を見ると、経済大国を宣伝するものとして、高速鉄道は、概ね国家行事、大イベント前に突貫工事で進められてきた。この路線も建国60周年を控えた2009年9月に開業している。
 2010年の上海万博の時は8路線が開業したが、この時、最高時速486.1キロの試験走行に成功し、日本を超えたと大騒ぎだった。
 海外進出にも積極的で米国などに売り込み、トルコには国営企業が乗り込んでいる。胡政権が進めるハイテク輸出を担う看板事業だったのである。

 中国の高速鉄道は、日本の新幹線やドイツ、カナダ等から技術を購入して、中国の大手車両メーカ―などが開発している。いわば各国技術の寄せ集めなのである。
 ところが、こうした外国から購入した技術を「消化し、中国自らの独自の開発したもの」として、国際的な特許手続きも進めている。どこまで厚かましい国なのかと思うのは私一人ではないであろう。
 鉄道省の幹部は、「我々の技術はすでに日本の新幹線をはるかにこえた」と豪語していた。
 しかし日本の新幹線では、こうした事故は絶対に起こらない。自動列車制御装置(ATC)で間隔を常に調整し、落雷があっても非常ブレーキがかかるようになっているからだ。
 日本の新幹線は、開業してから47年目になるが、列車事故による乗客の死者はゼロだ。これだけ輝かしい歴史を持っているところは無い。
 中国では、鉄道建設に参加した技術者でさえ、「安全面で不安だから、自分は絶対に乗らない」と言っているとか・・・・。

 おまけに、相変わらず不正汚職事件も頻発している。この2月には入札を巡って賄賂を受けったとして、現職の鉄道大臣が解任された。なんともひどい国で、気の毒なのは国民だ。
 今回の鉄道事故は不幸なことで、多くの死傷者も出ているから、心から哀悼の意を表したいと思っている。
 しかし、一方で、最近の横暴極まりない中国の姿に、危機感を抱くものとして、こうした実態をきちんと認識しておかなくてはなるまいと、強く思っているのである。