菅首相が、浜田自民党参議院議員を一本釣りした人事について、民主党内でも続々と批判の声が上がっている。仙石官房副長官は「百害あって一利なし」と切り捨て、興石参議院議員会長も「なんでも数合わせすればいいという話ではない」と批判している。
 おまけに、首相が、解散総選挙の可能性までちらつかせたことについて、前原氏は「被災地の事を考えると、解散などあってはならない。悪い意味で歴史に残ってしまう」と嘆いている。
 エネルギー政策を次の選挙の争点にしたいなどとも言ったが、これはどの党も反対しない大きな課題で、選挙の争点になるわけもない。
 要は理屈ではない、選挙を怖がる議員心理を利用した、自らの延命のためのコケ脅かしなのである。
 しかし、これらの発言は、ある意味効果を上げていて、民主党の中で轟轟たる非難となっても、では首を取ろうという具体的な動きにまでにはならない。  
 こうした状況を横目に、菅首相は妙な自信さえ持ったのか、また相変わらずの高価な食事を楽しんでいる。
 29日など、昼はキャピトルホテルの中華料理「星ヶ岡」、夜は寿司店「赤坂 石」、六本木の焼き肉店「大同苑」、更に「ザ、キッチンサルバトーレ、クオモ六本木」と、なんと高級店三軒の梯子である。 
 もしかしたら、逆に先が短いと察して、今のうちに官費で食べれるだけ食べてと、さもしい根性なのかもしれない

 一方、自民党はというと、あまりに弱腰で、ここぞというのに強気で攻めまくろうとしない。
 30日のテレビ朝日の「スクランブル」に、当の浜田議員と自民党の猪口邦子議員が出ていた。てっきり、舌鋒鋭く浜田氏の誤りを指摘するものと期待したが、「その気持ちは分ります。今まで一緒にやってきたので、個人的な批判はしません」と、何とも物わかりのいいことで、かろうじて「これは自民党への挑戦」といった程度でおしまいだった。
 政治家として、自民党公認で当選したのだ。わずか一年もしないうちに正反対の政権に鞍替えするなら、当然、自民党や、まして支持した後援者に説明責任を果たすのが、最低の常識ではないか。
 急かされて時間が無かったと本人は弁解していたが、逆に言えば、そんなに簡単に応じたのかと、あきれてしまう。
 司会者の「自民党には戻らないか」の質問の時、「自民党は拘束がきつくて自分の判断では、なかなか動けない」とも言っていた。
 この人は、政務官になったら、もっと拘束されるということも知らないのか、とびっくりした。政権の意思、上司に当たる大臣の考え方、これに、きちんと添わなければ政務官はやっていけないのは常識だ。
 皮肉にも、録画で浜田氏が参議院で代表質問に立った時の映像も映し出されていた。自民党を代表しての質問だから、見事なまでに菅首相、菅政権をこき下ろしている。
 こんな政権では駄目だと、あれほど叩いた人が、その菅首相にポストと金(民主党の議員が総会で公然と発言していた)で一本釣りされたのである。参議院で、問責決議案が出されたときどう対応するのかと聞かれたときの周章狼狽ぶりはなさけなかった。
 「自分の良心に従って行動すると」とは言ったものの、その良心がいま咎めているのだから狼狽えていた。政務官だから自分の意志などで動けないということも承知はしているのだ。
 ご本人は「国民のために決断した」と、何度も繰り返していたが、都合のいい嘘であることは誰が見たってすぐわかる。
 こんな奴は次の選挙で叩き落としてほしいのだが、参議院は6年任期、解散もないから、あと5年、ぬくぬくと税金を受けとって、安易に暮らしていけるのだ。
 わが党の猪口議員、なんでそれらの事をテレビを通じて国民に伝えてくれないのか。もっとしっかりした人を、せめてテレビに出してくれないものか。

 今、自民党は野党だ。野党の立場は時の政権に対して、誤りは誤りとして断固指摘し、これを不退転の覚悟で糺していかなければならない。
 マスコミやいわゆる世論は、ともするとそんなことよりも、国民の為に協力せよという。いかにももっともに聞こえるが、ただ協力するだけならば、何の為の野党なのか。

 私が、予算委員会の筆頭理事として、細川政権と対峙し、一歩も引かずに戦った時、世論やマスコミは激しく批判の矢を私に向けてきた。
 しかし、短期間だったが、徹底的に問題点を追及し、続く羽田政権も含めて、わずか10ヶ月で政権交代に追い込んだ。この政権で、もし、政治の舵取りを間違えたら、日本の将来がおかしくなる。だから禍根を残さないように、嫌われても野党に徹して戦ったのだ。

 菅民主党政権が続いたら日本が危ないとみんなが言う。菅首相で大丈夫という声は全くと言っていいほど聞かない。だとするならば、断固戦い、これをつぶすために体を張って闘うのが野党ではないか。
 世間的にいい子にならなくてもいい。叩かれることを恐れてはいけない。
 日本の将来の為、菅政権では駄目だというならば、ここは野党に徹して批判し追求して、菅政権をぶっ潰す、野党自民党の役割はそれだと私は思っている。

 菅政権、とりわけ菅首相の人間性を見て、もはや、是々非々や、協力など考える余地はない、と思うのだが・・・・。