言いたい放題 第181号 「お主、悪よのう」

 菅首相はどこまでそのポストにしがみついていくつもりなのか。
 この数日間の動きをみると、いよいよ狂ってしまったのかと思われるほど異常である。

 6月27日、東日本大震災の復興のために新設する復興担当大臣の人事に関連して、菅首相は自民党の浜田和幸参議院議員を復興担当の政務官に起用した。一応、枝野官房長官から要請したことになってはいるが、どうやら党内にも相談していないようで 菅首相の独断であるらしい。
 ある閣僚は「誰も知らないやつを指名するとか、気持ちの悪い人事だ」(朝日新聞)と批判している。確かに浜田参議院議員など、私も知らない。
 それも道理で、昨年、鳥取選挙区から立候補して初当選したばかりの新米なのだ。新日鉄の出身で、はっきりいって復興担当に相応しい経験も知識もあるとは思えない。
 政務官は本来、大事なポストなのだが、今は有っても無くてもいいような軽い扱いになって、要は役職ポストが欲しい人の、順番ポストにすぎないのだ。

 私の近くにも中山某政務官がいるが、政治活動の話題や記事など皆無に近い。
 せいぜい、軽井沢での鳩山由紀夫氏の集まりに、小沢一郎氏が現れるや「気合いだ、気合いだ」とご機嫌取りに叫んだ話題ぐらいだ。
 もっとも、この数日は、政治献金問題で名前が挙がって大騒ぎではある。6月27日付産経新聞に、「原発所管の経済政務官が、電力2労組団体から850万円政治献金」と実に7段抜きで大きく出ているのだ。しかも、東電労組の収支報告書には献金の事実が記載されていない。
 如何にも後ろ暗い癒着ぶりを隠そうとしているようで、極めて不明朗なのだ。
 不思議なことに、まだ他のマスコミでは扱ってない。その程度の軽量ポストと見ているからかもしれない。

 そんな軽量ポストだから、菅首相が自民党からの一本釣りが出来たのであろうか。あきれたことに、浜田氏はポスト欲しさに、なりふり構わずすぐさま飛びついた。
 「震災で日本は国難にある。自民党にこだわっている時ではない。一人の国会議員として決断した」と報道陣に説明していたが、誰も本気で受け止める人などいる筈もない。
 長年国会に居た私に言わせれば「利いた風なことを言うな」で、なんとも腹立たしいかぎりである。
 自民党から離党するとかしないとか言っているようだが、こんな者は即刻首にすべきだ。

 菅首相は内閣の大改造を行って自分の延命を図りたいと考えていたようだったが、党執行部ともかなりの溝が出来ていて、思うようにいかず、二人の大臣の起用に止まった。
 原発担当相は細野豪志氏になったが、この人は、なんとかモナ女史との路上キスで、不倫議員と話題になった人物である。
 復興担当相は松本龍氏になった。彼が兼務していた環境相を外されて余程不満だったのか、28日の記者会見で「震災以来、民主党も自民党も公明党も、みんな嫌い」と意味不明のことを言っていた。

 いくら、ねじれ現象があるとはいえ、参議院の野党議員の一本釣りは禁じ手だ。当然、自民党執行部は怒り心頭で、今週中を目指していた原子力賠償支援機構法案の審議入りのメドも立たなくなっている。民主党の安住国対委員長さえ、「国会運営上プラスだとは思えない」と嘆いている。

 菅首相は、27日、自らの辞任について、「今年度第二次補正予算案の成立、再生可能エネルギー特別措置法案の成立、特例公債法案の成立」がひとつのメドになると明言した。しかし、相変わらず具体的な時期を示していないのだから、いい加減なものだ。

 法案にいつまでも反対していたら、延命に協力するようなものだし、さりとて唯々諾々と賛成するわけにもいかない。
 与野党とも、「菅氏やめろ」で一致しているのだが、首に鈴をつけることが難しい。
 このままでは、この国に救いがない。