言いたい放題 第180号 「重要政策を延命に使うな」

 菅直人という人は、なんと厚かましく破廉恥な人物なのだろうか。一体、いつまで総理の椅子にしがみついていくつもりなのか。
 あらゆるところから「菅、辞めろコール」が起こっているのに、一向に自ら辞めようという気配はない。
 しかも、今、総理の首を取ろうとしているのは、民主党で、その中心は仙谷由人官房副長官や岡田克也幹事長といった身内の面々なのである。
 もっとも、彼らも一番考えていることは自分自身の事ばかりで、およそ国家国民の為という発想はない。まあ、どっちもどっちと言ったところだ。

 政権交代という幻想をまき散らし、結果的に国民を騙したのだから、彼らも含めて同罪で、むしろ、民主党そのものが政権を返上するのが筋なのである。
 本当に菅辞任に追い込む機会は、先の「内閣不信任案」の採決の時で、小沢氏はじめあれ程多くの議員が揃ったはずなのに、最後はグズグズになって終わってしまった。
 要は無能な連中ばかり、茶番ドラマしか出来ないということなのだ。

 今のところ、第二次補正予算と特例公債法案の成立をメドに退陣する方向でまとまったとはいうが、これも当てにはならない。
 現に、菅総理は、ここにきて「再生可能エネルギー普及のための関連法案成立」を言い始めた。反原発の世論を意識して自然エネ意欲を示し、政権浮揚、いや自身の延命を図ろうとしているのだ。

 菅氏は、エネルギー政策について、これまで考え方が色々に揺れていて、確たる方針というものが無かった 。
 初当選後間もない1982年、衆議院科学技術委員会で、当時の自民党政権に自然エネルギーの利用姿勢をただしたことがある。しかしそれ以降、格別な動きがあったわけでもない。
 むしろ私から見れば、菅総理は原発推進の旗を振ってきたとさえ思っている、
 ご本人は、昨年10月、わざわざベトナムを訪問して日本の原発の受注を果たしてきた。あの時の「どうだ」と言わんばかりの得意げな顔は忘れられない。
 民主党の中山某議員などは、トップセールスの成果だと地元後援会で得意満面で演説していた。今は口を拭って黙っているが・・・。

 大震災で原発事故が発生すると、大きく舵を切って、5月には浜岡原発の全面停止を主導した。しかし、これからの日本のエネルギーについてどうするのか、本格的な議論もしていないし、深い熟慮があったわけでもない。

 今、全国に54基の原発原子炉があるが、その内定期点検などで運転停止中のものが35基ある。(福島第一原発を含む)
 これからの夏の電力不足を考えると、このまま再稼働の道が閉ざされるとなれば、国民の暮らしや、企業の経済活動に大変な影響を及ぼすこと必定である。
 そこで、海江田経済産業大臣は、6月18日、原発立地自治体に再稼働を要請した。総理の方針とは全く逆の要請ではないか。
 総理はなんと言うか注目していたら、「私も考えは同じ」とのたまった。
 国家国民にとって、最も重要な政策方針が、このようにいとも簡単に変わることなど許されるはずもない。

 自然エネルギーと、近頃はすっかり持て囃されているが、事はそう簡単に進むわけではない。
 昔からある水力発電は別にして、他の風力や太陽光、地熱などだが、それぞれに多くの問題をかかえている。
 世界的にみて、その中で比較的普及が進んでいるのが風力発電だが、日本ではかなり苦戦している。
 建設費が高い上、故障も多く修理費もかなりになって、北海道の興部町(おこつぺ)のように止めたところもある。(昨年10月)
 環境庁の調査で騒音被害も多く、1キロ以上離れた人からの苦情もあったという。住宅から最低500メートル離れることを条件にしたりしている。
 一定以上の強さで風が吹く地域ということで、日本では北海道や東北、九州といった場所に限られている。
 日本では、現在、残念ながら自然エネルギー供給量は、水力を入れても1割弱なのだ。これからよほど力を入れなければならないが、まだまだ時間も費用もかかるということを知らねばならない。

 エネルギー政策は、これからの日本にとって、本当に重要で、この問題に政治が取り組むことは当然のことである。
 だから、逆に言えば、こんな大事な事柄を、自分の延命の材料にしようとする等、断じて許されないのである。
 やっぱり、日本の将来を、身内からでさえペテン師呼ばわりされる人に任すわけにはいかない。
 届かないことを承知の上で、私からも菅さん辞めろと叫びたい心境である。