6月21日のTOKYO自民党政経塾に、講師として日本政策研究センター所長岡田邦宏氏を招いた。演題は「教科書はどう変わったか」で、中学生の教科書の問題点を語ってもらった。
  教科書検定は原則として4年に一度行われる。この3月末、平成24年4月から使われる中学校教科書の検定結果が発表されたばかりで、これから各地の教育委員会による「採択」作業が始まる。
 今回、検定を通過した7社の内容を検討した結果について、岡田氏は、やっぱりおかしいと疑問を呈したのである。

 実は今回の教科書検定の結果について、私も格別の強い関心を持っていた。と言うのは、平成18年に、安倍内閣の時だが、我々は教育基本法を改正した。改正後、初の教科書検定だから、きっと内容も変わって良くなっている筈と期待していたからだ。
 
 今まで日本の教科書、とりわけ歴史教科書は、あまりにも自虐的で、まるで日教組か、左翼団体の宣伝かと思えるような偏ったものが非常に多かった。
 元々、私は、子供たちに日本の歴史を語る場合、我々の先輩たちがどんなに苦労してこの国を作って来たのか、日本の長い歴史の中で先人たちが、どんな思いで素晴らしい日本を作り上げてきたのか、いってみれば子供たちが、思わず胸を躍らせて聞けるように伝えるものと考えてきた。
 別に都合のいいように書けというのではない。
 この小さな国が、世界の列強緒国の中で生き続けることは決して容易なことではなかった筈だ。その荒波の中、命を懸けて懸命に努力してきた先輩たちの姿を、しっかり伝えよ、それが歴史教育というものだと私は信じているのだ。
 我々の祖先が作り上げてきた文化、長い間培ってきた伝統が、如何に世界の中でも優れているか、それを受け継ぎ、さらに育てていくことの大切さも教えていかなければならない
 だから、新教育基本法では、前文で「伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育の推進」をうたい、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」と明記している。
 歴史的分野の学習指導要領に、「我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる」と書いている。
 要は歴史教育を通じて国を愛する日本人を創ろうということなのだ。

 しかし、結論を先に言えば、岡田氏が指摘しているように、今回の教科書も一部を除いて、少しも良くなってはいないのだ。
 一例をあげれば、なぜか「アイヌ」や「琉球」の記述がこれまで以上に強調されていて、日本があたかも一方的に侵略服従させたかのような書き方なのだ。
 アイヌの文化として、「オモロ」と言う古い歌謡を紹介し、その総数1554首に及び、万葉集にも匹敵すると書いている。しかし、肝心の万葉集が4500首を超えていることも、和歌が日本の中核をなす文化で、日本最古の現存する和歌集であることも書かれていない。
 「今から1200年も前に、身分や地域を越えた、国民的歌集が完成していた」と書いたのは育鵬社だけであった。

 中学3年で学ぶ社会科の「公民的分野」(公民教科書)について、学習指導要領は、目標として、「国民主権を担う公民として必要な基礎的教養を培う」「自国を愛し、その平和と繁栄を図ることが大切であると自覚させる」と書いている。つまり、日本という国家を自覚させ、愛国心を抱かせる教育を目指している。
 しかし、既存の教科書5社(検定を受けたのは7社)は、相変わらず「反国家」、「脱国家」というべき傾向にある。「地球市民」と言えば聞こえはいいが、地球はそれぞれの国家から成り立っているのだ。
 国家にとって極めて重大な領土問題でも、あきらかに不法占拠である北方四島について「不法」と記述しているのは3社だけだ。
 教育出版は、竹島や尖閣諸島について、韓国や中国も領有を主張していると書いているが、歴史的にみて明らかに日本の領土なのに、そのことをきちんと明記していない。一体どこの国の教科書なのか。

 外国人参政権について、税金を払っているのだから与えるべきといった記述まである。この主張と全く同じことを、民主党、とりわけ小沢一郎氏が声高に述べている。
 私の昨年出版した「こんな政治じゃ日本がダメになる」に詳細書いたが、本来、納税と参政権は無関係なのだ。
 日本の普通選挙制度では、20歳以上の男女すべてに選挙権が与えられることになっていて、納税の有無や納税額の大小など一切問われないのだ。被選挙権も同様である。
 納税は、国民がすべての公共サービスを受けるためのいわば対価だ。
 在日外国人も日本のあらゆる公共サービスを同じように享受している。だから税金を払う義務がある。それだけのことなのだ。

 この他にもたくさんの問題点があるが、とりあえずここまでにしておく。
 要は、立派な日本人を育てるべき教科書が、極めて偏っているということを多くの人に知ってもらいたいのだ。
 そして、都道府県の教育委員会に、教科書の正しい選択をしてもらいたいのだ。日教組や左翼思想の連中の激しい動きに負けることなく、堂々と誤りなき選択をして欲しいのだ。
 
 今のままの教育では、日本の将来が本当に心配なのである。