言いたい放題 第149号 「日本の経済の行方はどうなる」

 今回の大震災の経済損失についてエコノミスト達は、なぜか沈黙を保っている。被害がまだ拡大している状況の中で、数字を挙げることは不謹慎という声があるからだという。
 その気持ちは分るが、できるだけ正しい予想数値を出すことは、これからの対策上必要だし、なによりも彼等の責務だと思うのだが・・・・。
 一応、大和証券は地震の被害額を14兆円強と想定し、みずほ証券は被害が阪神淡路大震災の二倍ならば、20兆円に達するとみている。ただし、これらの数字は原発事故の今後次第で変わるという。

 決して楽観論を言うわけではないが、一般的には大震災の後、中長期的にみれば復興需要が高まるので景気は上向くといわれている。まずは建設機械、橋梁、道路関連が活発になり、陸運や海運は業績が拡大する。
 阪神淡路の時はおよそ15兆円の資金が復興のために投じられたが、今回はどの位必要なのか、目下の判断は難しいが、あの二倍くらいは必要という人もいる。 
 これらの莫大な資金は当然、復興に関わる会社や個人に回ることになる。そして日本全体に回ることになる。悲観論ばかりでなく、この奇禍を逆に日本経済を成長させるきっかけにさせなければいけないと私は思っている。
 国や日銀のこれからの対応が大事だが、いまの菅政権がどれだけやれるのか、それが最大の心配事である。
 こうした場合、インフレになるのではないかと心配する向きもある。しかし、我が国はこの何年かデフレで苦しんできた。国債発行もインフレ圧力にはなるが、その差は小さくなるものの逆転はしないと思う。うまく運営すればデフレ脱却の好機ともなる。

 このところ、近所の飲食店はガラガラで、客が来ないと嘆いている。私は浅草だが特にそんな店が目立っている。
 毎日報道される被災地で苦労している人たちのことを思えば、贅沢はできないという心境だが、国民全体に自粛ムードが広まれば、経済はますます後退する。
 こんな時こそ経済活動を活発にして、復興の機運を作り出すことが大事で、それが被災者を救うことにもなるのだ。
 今、私たちはどうしたらいいのかと聞かれて、「しっかり働き、しっかり外食しましょう」と答えた。私自身、できる限り近くの応援者の店を家族と巡っている。

 ああ…、それにしても原子力発電所は一体どうなっているのか。これからの全ての復興は原発の回復いかんにかかっている。
 現場の人々の必死の努力に感謝しつつ、早く何とかならないものかと祈るばかりである。