言いたい放題 第140号 「自然の恐ろしさに愕然」

 3月11日2時40分頃、かつて経験したこともない激しい地震に、自宅2階にいた家族全員、大パニックに陥った。家具も倒れそうになったり、愛用のバカラのグラスも何本も壊れ、あたりにガラスの破片が飛び散った。我が家の人的被害はなかったが、それが東日本大震災の始まりであった。

 平成7年(1995)1月17日早朝に起きた阪神大震災の時、私は直ちにヘリコプターで現地に飛び、この目で悲惨な状況を視察している。なんと6,300人を超える死者を出し住宅被害は全壊家屋43万等、避難した人は30万人に達した。
 しかし、今度の大震災は、強烈な揺れが何度も日本列島を襲い、恐ろしいばかりの津波が太平洋岸に押し寄せるなど、はるかに大規模なものとなった。

 マグニチュード8.8は国内観測史上最大のものだ。ちなみに阪神大震災の折は7.3であった。
 テレビは一切コマーシャル無しで、24時間被災した地域の状況を詳細報道していた。刻々と伝わる映像、特に津波が押し寄せ、あらゆるものを飲み込み、それを翻弄するように何度も繰り返す自然の破壊力の恐ろしさに、胸が潰れる思いであった。
 前日の新聞夕刊のトップ記事は、「菅首相の外国人からの政治献金問題」で、これは前原前外務大臣と同じで大問題になると思っていたが、運が良いのか悪いのか、それどころではなくなった。
 菅首相は危機管理の完全な対応は勿論のこと、情報の収集等あらゆる対策を講じ、国民の安全を確保し、被害を最小限に抑える為、総力を挙げて取り組まなければならない。
 衆議院解散や菅首相の退陣を求めて対決姿勢を強めていた野党も、地震被害の大きさが伝わると一変した。谷垣自民党総裁は菅首相に電話して、「政府の対策に全面的に協力する」と伝えた。人命最優先、今こそ挙国一致が肝要なのである。

 この災害がもたらす経済被災は甚大なものとなる。阪神大震災の経済被害額は約10兆円と言われた。政府の中央防災会議の試算によると首都直下型地震が発生した場合、最悪のケースだと発生後1年間で112兆円、近畿直下型で74兆円、中部直下型で33兆円が想定されている。
 今回は津波が内陸部の交通機関やライフラインにまで深刻な被害を及ぼしているから、さてどこまで広がるかわからない。
 当然、補正予算を編成しなければならないが、これについても野党は全面的に協力すると言っている。政治対決は一時休戦だが、私はこれをきっかけに国民の為に真摯に議論出来る正常な国会に戻して欲しいものだと思っている。

 嬉しいことは、日本の災害に対して、世界の国々が手を差し伸べようとしていることだ。国連は最大限の支援をすべく国際緊急援助隊の準備に入った。アメリカのオバマ大統領は、あらゆる面でいかなる支援をも惜しまないと、空母まですでに出動させている。
 今まで日本も世界の国々の為に様々援助協力をしてきた。私がテロ対策特別委員長の時に決めて、インド洋に派遣した海上自衛艦の国際貢献などもその一つだが、今度のようなことになると、そうした努力が生きてくるのだ。

 3月14日はロイヤルパークホテルで、3月29日は椿山荘で、それぞれ中央区、文京区後援会主催の私の叙勲祝賀会が開かれる予定だったが、このような状況となったので、自粛し無期限の延期とした。

 こうしている間も、テレビは相変わらず災害報道を続けている。亡くなった方、行方不明の方々の数は増える一方で胸がつまる。
 特に、原子力発電所での爆発もあった様子で、本当に心配だ。
 どうか皆を守って下さい、助けて下さいと、心の底から祈るしかない。