言いたい放題 第138号 「菅政権、いよいよ行き詰まる」

 前原外務大臣の外務相辞任は、それでなくても青息吐息の菅政権に、大きな打撃を与えた。その上、次なるターゲットは細川律夫厚生労働大臣で、野党は参議院での問責決議案の提出を本格的に検討している。
 次々と起こる大臣の不祥事には呆れるが、政権をなんとか追い込み、解散にまで持ち込もうと、いわゆるドミノ現象を野党は狙っているが、ここいらの戦術はきわめて微妙なものがある。
 国民の生活にとって大切な予算案、これを執行する為に必要な関連法案が、いつまでも棚ざらしになっていれば、いずれ政府機能の停止や金利の上昇といった危機が現実のものとなっていく。
 ここは政策遂行のために、議論し調整するなど、野党も大人の姿勢を示す必要があるのではないか。政権のお粗末な大臣を、勿論放置していい筈はないが、追求ばかりしか能が 
無いのかと思われたら、今度は国民の批判の目は野党に向けられるのは必定だ。
 かって例がないほどの最低政権だが、このまま攻撃と応酬の泥沼状態が続いたら、困るのは国民なのだということをいつも頭に置いていなければならない。
菅首相が辞を低くして、自らの非を認めつつ,真摯に対応していくことが大前提であることは言うまでもない。

それにしても、最近の大臣の質が落ちたことといったらない。
特に前原前外務大臣だが、一時はポスト菅とまで言われたものだが、今やその面影もない。いつも恰好ばかりつけていたが、深い思慮や配慮が欠けていて、言動の危うさや軽さがこれまでも指摘されていた。
偽メール事件で民主党党首辞任に追い込まれたり、八ッ場ダム建設工事中止を打ち上げながら、軌道修正を迫られたりと、彼の軽挙妄動は枚挙にいとまもない
しかもこれが外務大臣としての言動となると、事は一層重大で、国家の存亡に関わってくる。
尖閣沖の中国漁船衝突事件でのかじ取りも迷走を重ねた。対中強硬派と言われ、時に中国の対応はヒステリックだと批判したこともあった。しかし、最近は若干方向転換したような発言もあって、中国側から好意的にみられるようになったという。これも私から言わせればなんとも危ない話ではある。
北方領土について、前原前大臣は「不法占拠」とくりかえし発言し、ロシアの不興を買った。発言は正しいのだが言うだけで無策では、何にもならない。昨年十一月、メドベージェフ大統領は初の北方領土を訪れるという衝撃的行動に出たが、その遠因は彼の言動にあった。

ところで今度の突然の辞任の理由は、在日韓国夫人からの不法献金問題で責任をとるということだが、私には必ずしもそうではないような気がしてならない。

政治資金規正法では外国人からの献金を禁じている。外国人や外国企業が50%を超える株式をもつ企業からの献金も、原則として認められない。もし、外国人と知っていて故意に献金を受けていれば,3年以下の禁錮か六十万円以下の罰金となる。有罪になれば公民権が五年間停止になるから、選挙にも出られなくなる。こんなに厳しいのは外国人や外国の組織・政府から、日本の政治が影響を受けないようにするためである。
前原氏は「寄付は返金して訂正したい」と言っているが、たとえ訂正しても(受け取った)
事実は変わらない。 

「外務大臣という立場で、外国人から違法献金を受けたことを重く受け止めて辞任する」と、しきりに強調するが、もう一つの、「脱税事件に関与した人物の関係会社から献金を受けていた」ことの方が、はるかに大きな問題で、根も深いように思われる。
三月十日号の週刊文春に「前原誠司黒い献金スキャンダル」との大きな記事が記載されたのである。
実は発売前日、この話題は国会中を駆け巡り、特に民主党内は大混乱に陥っていた。そんな様子が私の関係する報道陣から刻々と伝わってきていた。
細かい話は記事に譲るが、脱税で逮捕された、うなるほど金を持っている人物から度々献金を受け、関係する会社の忘年会には本人は勿論、かの蓮舫議員も参加していたというのである。
それだけではなく、架空の会社からの献金まで前原氏の政治資金収支報告書に記載されているというのだ。 
記事では、蓮舫行政刷新相の政党支部に百二十万の寄付が入っている。更に野田佳彦財務相はパーティ券も買って貰っている。
 反社会的勢力とつながる組織やフロント企業から、もし前原氏等がお金を平気で受け取っていたとしたら、これは許しがたい大問題で、国会で徹底究明されるべき事柄である。
多少は同情論もある外国人からの献金問題で、ひたすら辞めると格好良く主張するのは、こうした問題を隠ぺいするためではないかと勘繰りたくなる。
 大臣を辞めたから、これ以上の追求は無しでは通用しないということである。

もう一人の細川律夫厚労相の無能ぶりには驚かされる。かねてからこの人の予算委員会での答弁を聞いて、なんと無知なのかとあきれていたが、要するに不勉強なのだ。
 厚労省は昨年十二月十五日、日本年金機構に対して救済実施の課長通知を出した。これで最大100万人に影響する救済策の適用が始まったことになる。
 ところが衆議院予算委員会で、大臣は「知らなかった」と答えたのである。しかも、救済策を批判されると、一月に始まった救済策の適用を一時停止するとの考えを示したのである
ところが、一月三十日までに2331人がすでに救済策の適用を受け、うち493人には三月十五日に初回の年金が支給される予定であることが発覚したのである。細川氏は再び弁明に努めたが、そんなことも知らなかったのだ。
 一体、役人は何をしているのかと思ったが、民主党になってから、政治主導とやらで役人を突き放し、事あるごとに冷たくあしらってきた。いわばそのツケが回ってきたというわけだ。

 私は長い政治活動を通じて役人を大事に扱ってきたつもりだ。五度も大臣をつとめて、
どれだけ助けられたことか。彼らは本当に優れた人材ばかりであった。そして彼らは、この国の為に働こうと大きな志を抱いてこの世界に入ってきたのだ。彼らを日本の国の為に活用しないでどうするのだ。

 こんな大臣ばかりでは、菅首相もさぞかし辛かろうと思うが、みんな自ら蒔いた種、任命責任が問われて当然のことなのだ。