言いたい放題 第123号 「予算編成の心構え」

 24日、菅内閣は、ようやく来年度(2011年)の政府予算案を閣議決定した。
 これからの日本をどうするのか、いわば「国のかたち」を明確に示し、その政策を進める為の基が予算案なのだが、残念ながらその中味は、借金頼みで、新しい意欲的なものは皆無といっていい。
 12月は、最も大切な予算編成シーズンだというのに、菅首相の関心は、小沢外しや、たちあがれ日本との連立を打診するなど、政局のことばかりで、予算そっちのけといった有様だった。
 だから、当然、この程度の中味にしかならなかったと私には思えた。

 一般会計の総額は93兆4116億円と過去最大だ。しかし、税収は40兆9270億円と少なく、当然、国債という名の借金に頼ることになる。新規国債発行額は44兆2980億円だから、2年連続で税収を上回る借金をするという異常な姿になってしまった。
 あれだけ大騒ぎだった事業仕分けの結果はどうか、削減が予算に反映されたのはわずか約3000億円だ。
 一度、廃止や削減と決めたものが、身内の副大臣らの折衡(せっしょう)で続々と復活したからだ。
 事業仕分けで、予算を生み出すなど、もともと出来ない相談であったのだ。
 すっかりスター気どりの蓮舫大臣だが、もう格好だけのゴマカシはやめてくれないものだろうか。

 国の財政悪化はいよいよ深刻なものになっていく。国と地方の借金は、今や国内総生産(GDP)の2倍になっており、先進国中最悪なのだ。
 昨年、なんとなく巨額な国債発行が許される雰囲気があった。それは、世界的な経済危機が起こり、その影響を受ける日本は、これをなんとか乗り越えなければならないという事情があったからである。
 しかし、こうした状況が仮に良くなっても、今や、国債という名の借金は当たり前という安易な感覚になっているのだ。
 これはとんでもない誤りで、決して許されるものではない。

 これから、財政支出は増えるばかりと予想される。例えば、社会保障予算は毎年1兆円ペースで増え続ける。少子高齢化社会を考えれば、これを抑え、縮小することは不可能に近い。
 だとすれば、徹底した無駄の削減こそ急務なのだが、予算案を見る限り、その努力はみられない。
 民主党が公約した公務員の定数削減はどうなったのか。党を支える労働組合の抵抗にあって、何も出来ない状況だ。
 ならば、これも約束の国会議員の定数縮小はどうか。国民の前で一番やれるのは、まず自らの肉を削り、定数を具体的に減らすことではないのか。
 現在の国会議員の実体をみると、不必要な議員が多すぎる。相当減らして当然と思うがどうか。
 昨年の選挙で当選した民主党新人議員の姿を見よ。次々とスキャンダルに塗れ、マスコミの好餌になっている。その上、小沢氏がいみじくも言った、「国会に出るよりまず選挙区をまわれ」との誤った教育を、そのまま鵜呑みにして、実践している愚かな議員のなんと多いことか。
 予算の中味を、今、多く語るつもりはないが、まず、こうした予算作成前の基本的な姿勢を変えることこそ急務だ。強く指摘したいと思っている。