このところ菅首相や岡田幹事長を中心に小沢一郎氏を政治倫理審査会に出席させようとの動きが激しくなっている。
 何で今更と、不信感を一層つのらせているのは私一人ではないと思う。
 どうして先の国会開会中に決着をつけなかったのか、別に小沢氏をかばう気は全く無いのだが、私の知る限り、そもそも国会閉会中に政倫審を開いたという前例がないのだ。
 おそらく、菅政権の支持率がいよいよ急落して、ギリギリの限界点になったことや、それを裏付けるような先の茨城県議選の惨敗などが、背景にある。支持率をなんとか浮上させなければならない切羽詰まった状況だから、せめて小沢切りで世間の声におもねようとしているのだ。なんとも姑息な見え透いた軽々しい判断なのだろうかとあきれる。
 確かに、小沢氏の存在は民主党のガンには違いない。来春強制起訴となる数々の疑惑の上に、更に追い打ちをかけたのが、旧新生党の資金流用問題だ。
 旧新生党の持つ約4億5000万円の資金を、なんと小沢氏の子分衆(小沢グループ)91人に500万円ずつ配ったというのだ。
 いうまでもないが、政党の資金の多くは国民の血税だ。税を使って「私兵を増やすのはけしからん」と菅首相は激怒したといわれる。しかし、これは明らかに不正行為、まず国民に「申し訳ない、事実を党として明らかにする」というのが、小沢氏を抱える党首として、当然発言すべきことなのだ。
 菅首相は12月20日小沢氏を官邸に呼んで一時間半も会談したが、小沢氏は政倫審には出席しないと譲らず、物別れで終っている。
 岡田幹事長は、直接小沢氏を説得する力もなく、党役員会で機関決定するといっていたが、現実には小沢派の後ろ盾の輿石参議院議員会長との貫禄負けで、ぐずぐずになってしまった。
 自公など野党にも協力させて、政倫審出席要請の国会議決をしようと動いたが、そんな話に乗る訳もない。自民党は、やるなら偽証罪を問うことが出来る証人喚問だと突っぱねたが、至極もっともな話である。
 あと、残されている手段は、民主党の幹事会で、離党勧告を行うことだが、はてそこまで決断出来るのだろうか。
 一方、小沢氏はといえば、相変わらず強硬な態度だが、相当追い込まれていることは間違いない。もともと泥船に乗る議員などいない。仮に離党しても、ついていく人は少ないことがわかっているのだ。
 最近小沢氏はテレビなどマスコミを通じて、盛んに菅政権の批判を始めている。「このままでは、国民に見放される」と公言していた。国民の批判が自分に一番向けられているのに、よく言うよとあきれるが・・・。
 勿論、彼の言うように、国民の民主党批判は、小沢氏一人に限る問題ではない。本質的には、彼らが掲げている政策面の未熟さや実行力の無さなど、民主党そのものに、政権担当能力が無いということだ。国民は正しく判断しているのだ。このままでは日本は駄目になるという危機感は、今や日本全土を覆っている。
 小沢氏の政倫審や証人喚問を行うことは、国会の良心にかけても実現すべきことである。
 しかし、現状のように、この問題の騒動ばかりが連日続くという無為な時を過していいのだろうか。日本の経済が低迷し、内外共に問題が山積している今、最も力を入れるべきは、これからどうするかという具体的な政策の立案だ。そして、それを裏付ける来年度予算案をこそ最重要課題なのである。
 ようやく、その予算案が出てきたが、これがやっぱり問題で、改めて次回論じたいと思う。
 小沢氏には「お主も悪よのう」という悪代官の台詞がピッタリだ。
 菅首相には、「お主は無能だのう」と、早く退陣することを求めるしかない。