言いたい放題 第118号 「深酔会旅行の感慨」

 実に46年間も続いた深谷隆司旅行会を、昨年で終了させた。時代が変って、バス利用の集団旅行が少なくなって、もっぱら個人旅行の時代になったからだ。
 だから、ピーク時は5,500人という大参加者であったが、次第に数は少なくなって、1,000人規模の旅行会となっていた。役員さん達にも、これ以上苦労をかけては申し訳ないと考えた。
 ところが、いざ終わりとなると多くの方から残念がられ、何らかの形で続けて欲しいという要望が出た。
 そこで、名称も「深酔会」と変え、去る11月28日と12月12日の2回に分けて実施することにした。
 深酔会という名称は、1986年(昭和61年)衆議院逓信委員長に就いた時、郵政省の将来有望なキャリア官僚を集めてつくった、私を囲む30人程度の勉強会である。随分熱心に学びあったものだ。ちなみに当時のメンバーは、次官や局長と次々に高位に登りつめたが、今は、全員定年で退職している。

 今回の参加者は約300名、千葉県の鴨川グランドホテルが宿泊場所であった。久しぶりに私は女房とバスで同行し、宴会場では得意の本格的?な落語、手品、ピアノの弾き語りなどで、サービスにつとめた。

 この、鴨川の隣に日蓮聖人を祀る誕生寺がある。1990年(平成2年)郵政大臣に就任した時は、この地の小湊ホテルが旅行会場であった。
 一般に大臣に就任すると、故郷に錦を飾るのだが、私は生粋の江戸っ子で、ふる里は無い。宿泊の小湊ホテルの宴会場で、後援会の人達が日の丸の小旗を用意し、私を大喚声で迎えてくれたものだった。
 その小湊ホテルはすっかり建て替えられて、かつての面影を残していない。
 誕生寺を訪ねたが、実はこの日が初めてだ。
 当時、旅行会は一週間以上も続き、合計3000余の人が参加したのだが、私は大臣としての公務が忙しく、連日東京との往復で、参拝することも叶わなかったのだ。
 あれから20年も歳月は流れ、私の立場もめまぐるしく変った。境内に一人立って、私は様々な思いで感慨にふけったものである。