政府は法人税の下げ幅を3%にするとの方針を固めたと12月5日の産経新聞に載っている。
 他の新聞はまだどこも扱っていないから、これは産経新聞のスクープかもしれない。
 それにしても一体、菅民主党政権は何を考えているのか。くるくる考えを変えるのはいつものことだが、本当に腹に据えかねるというのはこういうことをいうのであろう。
 ついこの間まで、政府税制調査会は法人税は5%引き下げの方向で検討すると打ち出していた。
 前にも書いたが、中国は20%台、タイなど30%ではあるが、一定期間控除するなど、他国企業法人の参入を歓迎している。
 ところが、日本は法定実効税率40.69%が続き、これでは経済の活性化にならないし、何よりも、法人税が安く労働コストも低い他国に、会社を移す動きを防ぎきれない。いわゆる日本の空洞化は進む一方で、これでは、大企業に結びついて生きている中小企業はたまらない。
 まずは5%以上の法人税の引き下げが必要との声は、産業界だけではなく、今や世論となっている。

 民主党の公約の中で、特に大きかったのは子ども手当だったが、これを最初の予定の半額で抑えれば、2兆3千億円は浮くはずだ。それを法人税減税にあてれば、5%どころか10%引き下げも可能だと、かねてから私は主張し続けて来た。
 もっとも、政府は最近、この子ども手当について、やっぱり全額支給は無理だと言い出した。そして来年も半額支給とするが、世間に約束違反などと言われないように、3歳未満に限っては、月7,000円を上乗せすると閣議決定をした。
 一体、何を根拠に7,000円なのか、さっぱりわからないが、これだけでも約2,500億円もかかるのだ。
 本来、子ども手当は、深刻な少子化に歯止めをかけるということが最大のテーマであった。一律支給で、どれだけの政策効果があるのか、「大いに疑問だ」というのが今や一般的意見になっている。
 少子化対策は、安易にお金を配ればいいというものではない。不足する保育園数の充足や、子育て環境の改善、子育てサービスの充実、教育も含めて様々な事柄や、種々の工夫の組み合わせが必要不可欠なのである。つまり、国家的戦略を立てて取り組むべき課題なのである。

 経済の安定や景気の回復も少子化への歯止めとなる重要な要素であることはいうまでもない。
 あらゆる角度から見て、法人税の引き下げは急務なのだが、今回の政府方針は、なんと5%どころか、わずか3%引き下げでお茶を濁そうとしている。全くお話にならない。
 しかも、3%引き下げに必要な財源として、今まで行われてきた企業優遇税制の縮減でまかなおうとしている。
 優遇税制は、景気回復や経済安定のために、企業の活性化を考慮して実施されてきたもので、一つとして無駄なものはない。
 これを縮減するとなれば明らかな増税である。いくら「税制中立」と言われても、とうてい納得出来るものではない。
 民主党は、「予算のムダを排除して財源を捻出する」と大見得を切っていたではないか。
 しかし、鳴りもの入りの事業仕分けも、さしたる金額を生み出すことは出来なかった。しかも、今や民主党の仕分け人と、民主党の説明員(各省の三役)とがやりあうという茶番劇になっている。
 山口二郎北大教授が、いみじくも、「ちゃぶ台をひっくり返したような大騒ぎ」と言ったが、まさにその通りなのである。

 財源確保のために、やるべきことが山ほどある。国会議員定数の削減、国家公務員人件費削減(人事院勧告を超えた削減を9月の民主党代表選挙で菅首相が公約)等、周囲に与える効果も大きい。しかし、全て見送りとなっている。全くやる気がないのだ。
 支持率が急下降しているが当たり前のことだ。
 過日(11月27日)、菅総理と鳩山前総理が、赤坂の中華料理店で会食した。
 その折、菅総理は「たとえ1%の支持率になっても辞めない」と言ったとか言わないとか。
 鳩山氏から流れた話だが、おそらく一種の嫉妬心からなのだろう。言う奴も言う奴だが、宣伝する奴もする奴だ。鳩山氏は政治家も辞めると言ったのに、いつまでしゃしゃり出るつもりなのか。
 揃いも揃って、こんな程度の人間が総理なのかと、本当に情けない。
 何をやろうとしているのかさっぱりわからず、ただ変更、言い訳、逃げの一手で、しかも、石にかじりついてでも辞めたくない、なのだ。
 国家観のない人に総理大臣たる資格はない。
 そんな人が政治の座に在ることは、国家国民の今と未来にとって不幸なことだ。
 一日も早く辞めてくれと、声を大にして言いたい。