言いたい放題 第112号 「北朝鮮の暴挙」

 それにしても北朝鮮という国は、あきれた無謀国家だ。23日、韓国の大延坪島(てよんぴょんど)やその周辺海域に突然、一方的に砲撃を行った。
韓国軍も応戦して北朝鮮軍基地に砲撃を行ったが、一歩間違えれば朝鮮戦争の再発の危機をはらんでいた。

 目下の情報では、韓国兵2名と一般住民2名の死者、そして大勢の重軽傷者を出したようである。
 現場海域では、22日から韓国軍が演習を行っていた。
 一応、表向きの理由は、その演習への対抗措置だとしている。
 「我々の領土を侵犯すれば、無慈悲な対応打撃を加え続ける」というのが北朝鮮側の警告なのである。
 尖閣諸島問題や、韓国との竹島、ロシアとの北方領土問題など、このところ日本にとっても、次々と領土問題をめぐる対応が表面化している。
 決して他人事ではないのである。
 自分の国から見て、「気にくわねば断固たる措置を講ずる」とは、随分独りよがりで身勝手な言い分だが、我が国に対しても似たようなことを言った国もある。

 この水域は1953年朝鮮戦争が休戦した後、国連軍が引いた北方限界線(NLL)なのだが、当時から北朝鮮は無効だと主張し続け、独自の境界線を発表していた。
 領土領海については、どこの国も自国の利益を守る為に決して譲ることはない。このことに意外に寛大なのは日本国民ぐらいではないか。
 この3月黄海で韓国哨戒艦が沈没した。国際軍民合同調査団は北朝鮮の魚雷攻撃と断定したが、北朝鮮は否定した。しかし、今回の攻撃を見ると、やはり北朝鮮の仕業と判断せざるを得ない。
 かつて、金正日総書記が正式に後継者と決まった80年以降、ラングーン事件(韓国高官が多数死傷)、大韓航空機爆破事件が起こった。
 多くの考え方は、これは金正日が関わる事件で、軍を掌握統制力を強めるためだとしている。
 今回の攻撃は、明らかに山を越え民間人の住居場所を狙っている。超強硬行動だが、折から、三男正恩(じょんうん)氏が後継者と決まったばかり、私はこの世襲と決して無関係ではないと思っている。
 最近、核兵器の開発につながりかねないウラン濃縮施設の存在も確認されたばかりだ。北朝鮮は、今、後継者への権力委譲にあたって、その体制を如何に盤石なものにするかで必死なのである。
 オバマ大統領のもとで六者協議は一度も開かれていない。強硬な行動を起こすことで、アメリカの完全無視の姿勢を少しでも変えさせようとしているとの説もある。しかし、もしそうなら今回の行動は逆の結果を招くことになろう。

 国内では、相変わらず国民は極貧状態で苦しんでいるという。
 当然くすぶっている不満の声を他国と戦争を起こすことで、転じさせようという手は、かつてはよくあったものだ。しかし、今やそんな手段は時代遅れも甚だしい。もっとも、時代遅れの北朝鮮だから、あり得ることかもしれないのだが・・・。
 資力も国際的信用も無い北朝鮮を唯一支えようとしているのは中国ぐらいだ。
 国連を中心に圧倒的批判の国際世論をつくりあげ、この中国の動きを少しでも封じ込めることも大事な戦略だ。
 日本は、米韓と一層緊密な関係を結んでいかなければならないことは当然だ。

 菅総理や仙石官房長官が「不測事態に備えて、国民の安心安全確保に万全を期し・・・」と発言した。
 ようやく国防に気づいたかと思ったら、その後の言葉は、「陸海空自衛隊の情報収集体制を強化することを指示した」で終わってしまった。
 情報収集も必要だが、その結果が最悪な事態と予想された時、日本国と国民をどう具体的に守るかが最も重要なのに、そのことには触れようとしない。考えてもいないのだ。
 自衛隊を「暴力装置」などと平気でいう官房長官のいる政権では、真の安全保障や国防など、とても期待できない。
 やっぱり、早く政権交代することこそ急務だと強く思うのであった。