言いたい放題 第110号 「法務大臣の資格無し」

 はっきりいって、民主党政権の閣僚にはろくな人が居ないが、中でも最低と思われるのが、柳田稔法務大臣だ。
 国会の答弁を聞いていて、これくらい厚顔無恥な人も居ないと何度も感じた。要するに大臣としての自覚もないし、なによりも不勉強で、法律問題についてのイロハも知らない。本来、法務大臣は軽量大臣では無いのだが、近年、大臣の顔ぶれを見ると、何故こんな人かと思える軽い人ばかりが続いた。

 かつて私が若い議員だった時代、稲葉修先生という魅力的な政治家が居られた。
 法務大臣、文部大臣など数々の要職をこなし高い評価を集めていた。
 いつも和服姿で飄々としていて、人を煙にまいたりしていた。
 横綱審査会のメンバーで、当時人気を誇った栃錦や若乃花とも親交があって、私も誘われて、よく駒形どぜうで痛飲したものである。
 なによりも深い教養を持ち、特に自分の担当する分野については当然のことながら専門的知識を持っていた。その言動は常に筋が通っていて、国会答弁に窮することはなかった。
 野党になんといわれても断固正論を貫き通し、まさに明治の人の風格があって、私は秘かにあこがれる思いであった。それに比べて、同じ法務大臣なのに・・・。

 柳田大臣は、予算委員会で、例の中国船長が釈放されたことに関して質問を受け、あの時全く誤った答弁をした。役人が直ちに訂正しているのにも気付かず、何回も同じ答弁を繰り返し、最後は慌てて陳謝して失笑を買った。
 なんとその大臣が、今度は、11月14日、自分の地元広島での大臣就任祝賀会で、またも大失言を行ったのである。
 「法相はいいですね。(国会答弁では)2つ覚えておけばいいんですから。『個別の事案についてはお答えを差し控えます」。分からなかったらこれを言う。だいぶ(この答弁で)切り抜けてまいりました。あとは『法と証拠に基づいて適切にやっております』と言えばいい。」と発言したのだ。とんでもないことで、しかもこれは単なる失言ではない。大臣失格発言だ。
 予算委員会で、「こんな言い方で国会を切り抜けるなど国会軽視だ」と野党議員から激しく追及されたが、なによりも国民軽視で、決して許されることではない。
 彼は今までも紋切り型答弁が多かったが、今回は自らそれが意図的であったことを暴露した。
 早速参議院で問責決議との声が上がったが、野党が多数を持っている院だから出せば通るはずだが、果たしてどうなるのか。
 自民党時代なら、こんな大臣は即刻クビにしたものだ。少なくとも、それが常識だった。
 本来、問責決議の前に、菅首相が彼を更迭するのが当然なのだが、今までどんな問題大臣にも寛大だった?政権だから、このまま放置する可能性もある。
 本人は国会で、「仲間内の話だから」と弁明したが、事の本質を全くわかっていない。テレビカメラの前で、公然と語っているのだから、今更、仲間内でもない。それよりも、自分の大臣としての心構え、当然あるべき知識の欠如、つまりは、大臣としての資格が問われていることを自覚すべきなのである。こんな人では、法治国家は守れない。これでは国民の安心安全を守ることなど期待出来ない。自ら責任をとって辞職すべきなのだ。

 同時に、もう一言私の思いを率直にいえば、こんな答弁を平気で許してきた野党側の責任はどうなのかという点である。
 国家国民の今と未来を託しているのが国会だ。もっとしっかりしてくれないか!と、私の心中は毎日穏やかではない。