前回、解散権という総理大臣の強大な武器と、あとは国会運営に気を配れば、なかなか解散選挙にはならないだろうと書いた。
 今回、閣議決定した予算を見ると、直前に2,500億円の追加となったが、早速気配りが始まったなという感じだ。
 これで、補正予算を柱とする経済対策規模は5兆500億円あまりとなった。
 この一連の動きの背景には、文字通り野党や連立相手へのかなりの配慮が表れている。
 国民新党の亀井静香代表は、「連立政権なのに、党首会議も開かず予算の内容も決めないのはおかしい」と、社民党も道連れに民主党幹部に談判した。結局予算の積み上げに成功したのである。
 地方自治体が自由に使える「地域活性化交付金」の創設について、今度の経済対策に盛り込んでいるが、元々公明党が求めていたもの、明らかな公明党対策になっている。
 野党第一党の自民党への配慮もあるが、これらは一種の保険のつもりであろうか。前日、厳しい質問をした自民党稲田女史に対しても、自分の答弁の言葉に行き過ぎがあったと、わざわざ陳謝している。
 あのイラ菅といわれた人のびっくりするような変貌(へんぼう)ぶりだ。

 政権維持の為に態度を変えることを否定はしないが、政策面であまりにこれが行き過ぎると、民主党の挙げてきたマニフェストと逆行し、国民に嘘をついてきたということになりはしないか。
 現に、今度の経済対策は、彼のいうように「各党からの提言をふまえて策定した」が、中身を見ると、道路整備など公共事業が積み上げられ、彼らが掲げた「コンクリートから人へ」の理念はいつの間にか失われている。
 私はもともと景気回復の為には、公共事業が大事で、特に地方経済を考えると、いたずらにこれを削ることは問題だと主張していた。
 民主党政権は、今年当初、公共事業を1.3兆円削ったが、今回その大半が予算上復活することになった。
 私が、問題だと思うのは、政策にあまりにも一貫性がなさ過ぎるという点だ。中身を極端に変えるなら、まず彼らのスローガンの変更を国民の前できちんと示さなければならない。「人からコンクリートへ」などと・・・。

 質問戦は参議院に移ったが、どうも自民党の迫力の乏しいことが気にかかる。本当にやる気があるのかな、と思ったりしている。
 なによりも自民党参院議員会長の中曽根弘文氏が、前日の6日に、輿石東民主党参院議員会長らと会食までしていることだ。一体何を考えているのか私にはわからない。本会議の代表質問前夜に、相手党の最高幹部らと会食するなど聞いたことがない。
 一応、議員総会で申し訳ないと謝罪し、「補正予算や法案への協力云々の話はしていない」と弁解していた。当たり前のことだ。そして、「解散総選挙に追い込み政権奪還することが基本だ」と変わらない姿勢を強調した。しかし、今更そんな釈明をしてもはじまらない。どこまで本気で闘おうとしているのか、頼りなさが拭えないと感じるのは私だけではないと思う。。
 片山さつき議員は、例の蓮舫大臣が、国会内でファッション誌の取材に応じたことを取り上げた。今や超売れっ子で、スターになった蓮舫女史、もはや恐いもの無しで、なんでもOKと錯覚している。
 国会議事堂の中央広場2階の柱を背景に、白いジャケットでポーズを決めた姿は、確かにかっこよいかもしれないが、そもそも国会の内規には「私的な宣伝、営利目的の撮影は許可しない」とある。
 ところが、彼女の出した申込書の「議員活動の記録の為」とは真っ赤な嘘で、実際は何着もの衣装を着替えてのファッション撮影だったのだ。おまけに「VOGUE NIPPON」11月号に掲載されたジャケットやスーツは、何と「ヴァレンティノ」の131万2,500円という超高価なものであった。
 ご本人から、一応お詫びはあったものの、「政治に関心を持ってもらうために取材に答えるのも大切」と、やっぱり開き直っている。さすがに西岡武夫議長から口頭注意を受けたというが、当然のことである。
 見方によって賛否両論、色々な意見もあろうが、私は、国会を最も神聖な場所と心得、生きてきただけに、なんだか国会の権威がおかされたように思えて許せないという心境だ。
 しかも、現職大臣ではないか。
 日本が内外共に最も厳しい困難に直面している今、こんな浮ついた気持ちで、しかも国会軽視の行動が許されるはずもない。
 片山女史は、相当激しい追求をするだろうといわれていたのだが、直前でほとんど取り止め状態で「事業仕分けをやった方が1着百数十万円のドレスをとっかえひっかえ着ておられる」と軽い皮肉なジャブで終わってしまった。
 彼女自身も同様に、かつて国会内撮影の過去があったからだという。なんとも、締まらない話だった。
 小泉チルドレンとして豪快に政界にデビューしたが、次の選挙に破れ1年近く浪人した。過日の参議院選挙では自民党でトップ当選で見事返り咲いた。久しぶりのさつき節を期待していたのだが・・・。
 この件では、自民党の小池総務会長は、「外国では議会でコンサート等も開かれている、閉ざされたままの方がおかしい」と記者会見で擁護している。
 女性同士の故か、随分もののわかったような、お優しい発言だが、そうかな、公私混同した言い分で、ちょっと次元が違うのではないか。やっぱり闘おうとする側から見れば、これで良いのかなと首をかしげたくなった。

 責める側にはまず、物事に屈しない強い意気や気概が必要だ。
 自民党は政権の座を追われ野に下ったのだから、ここは野党に徹することが大事だ。まさに野党としての役割を果たさなければならないのだ。
 いつまでも有権者を意識して、妙に物わかりの良い態度をとり続けたり、逆に相変わらず反省反省とへりくだっていては話にならない。
 国民の視点に立って、政治の誤りを断固許さず、小気味よく切り捨てる野党としての対応が不可欠なのだ。
 野党として闘う為には、「百万人といえども、我行かん」の、物事に屈しない強い決意と行動が必要だ。
 これが国家国民の為にマイナスだと思ったら、断固完膚(かんぷ)無きまで追求し、堂々の論陣をはって、正しく変えさせる。それでも駄目なら、退陣を迫り、解散選挙で国民の信を問い、自民党政権を奪還させなければならない。
 今の自民党にそれくらいの気構えが必要なのだ。
 12日から予算委員会が始まる。石原幹事長、石破政調会長とエースの出番だが、果たして成果は如何に、是非期待したいものである。