言いたい放題 第81号 「無責任代表選」

 連日、民主党代表選をめぐる菅、小沢両氏の全面対決のニュースで騒がしい。
 それでなくても、日本列島猛暑の夏、暑苦しいことこの上ない。
 この大混乱ぶりに国民は熱中症で倒れそうだ。

 いくら考えても不思議で、あきれるのは、鳩山前首相はじめ、この混乱に登場する面々の心境の変化ぶりだ。
 鳩山氏の一貫しない政策上の無能ぶりと、何よりも数々の不祥事、政治とカネの問題から、自ら辞任したのはわずか3ヶ月前の6月2日のことである。
 それも、いかにもカッコ良く、共に数々の疑惑のある小沢氏を道連れにして、「クリーンな民主党に戻そう」と辞めたのだ。
 その上、一時は国会議員まで辞めると言ったのだ。引き際だけは、いさぎよいなと感心したのだが、その舌の根も乾かぬ内、変心である。開いた口がふさがらないとはこのことだ。
 鳩山氏は数日前まで菅氏支持を表明していたのに、あっという間に180度の変わりようだ。その言い訳が、「自分の一存で小沢先生に民主党に入ってもらったのだから、(代表選で)小沢氏を応援するのが大義だ。」である。
 更に「自分を総理にまでしてくれたのは小沢氏だから」と、その恩返しといわんばかりである。そんなことはあくまで私的なことなのだよ!
 今更、小沢さんへの熱い思いを語るなら、一体、なんであの時、道連れ辞任をしたのか、まずその説明をして欲しいものだ。筋の通らぬ言い訳だけではないか。
 今、「反菅」を言う民主党議員達にも聞いてみたい。国会で、民主党議員全員の支持で菅総理大臣を誕生させたのではなかったのか。
 いわば、国民に対して、菅総理こそ最適任者だと表明したばかりなのに、もう「駄目です」とはどういうことなのか。
 別に、菅総理が素晴らしいとは思っていない、むしろ、最初からダメだよと言っていた私だ。しかし、それにしても菅政治はまだ始まったばかりではないか。
 参議院で敗北したからといって、さあ辞めろでは、あまりに矛盾、無責任、国民を馬鹿にするのもいいかげんにしろと腹が立つ。

 軽井沢の広大な鳩山氏の別荘で、小沢氏を招いて、最後はビール片手に「気合いだ、気合いだ」と馬鹿騒ぎをした議員達。かの朝日新聞は(8月27日)「景気低迷と猛暑にあえぐ多くの国民には、能天気と映ったに違いない。」「菅、小沢両氏の調停役を気取っている鳩山氏には、失敗の反省はないのだろうか。「気合いだ」の議員ともども頭を冷やせと言いたい」と書いている。全くもって正論だ。

 民主党代表に選ばれれば、イコール日本国総理大臣となる。
 憲法75条の規定で、「国務大臣はその任期中、内閣総理大臣の同意がなければ訴追されない」となっている。
 大変な特権だ。勿論、むやみに行政を混乱させてはならないという配慮で、別に大臣を守る為の規定ではない。
 いうまでもなく、小沢氏は数々のカネにまつわる疑惑を抱えている。
 小沢氏自身の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件では、検察審査会の2度目の議決が迫っている。
 すでに1度目は、起訴相当となっているから、今度再び同様の結論になれば、強制的に起訴される。
 小沢氏はここで出馬しなければ、党内の小沢支持は一気に薄れて、政治生命を失うという危機感を持っているといわれている。しかし、本当に恐れているのは、起訴されることではないのか。
 今回の突然の出馬が、なんとか起訴から逃れたいという魂胆からなら、断じて許されないことだ。
 辞めれば刑事被告人になり得る人が、もしかしたら総理大臣になるかもなど、決してあってはならないことなのである。

 目下、各種世論調査では、小沢氏は出るべきではないという声が80%近くと圧倒的に高いようだ。
 いたって当然の国民の声だが、少なくとも民主党内の代表選にかける動きは、こうした国民の声とはあまりにもかけ離れていないか。
 こんな政治じゃ日本はダメになる・・・、今も、つくづくそう思っている。