言いたい放題 第79号 「小沢出馬で大混乱の民主党」

 過日の私のホームページで、夏のお化けとのタイトルで小沢、鳩山両氏の動きを揶揄したが、9月1日告示の代表選に向けて、民主党内の動きが一層激しくなっている。
 ここへ来て、ついにというか、とうとうというか小沢氏が出馬に踏みきった。
 菅首相との真っ向勝負となるのだが、実際にやってみないと、どちらに軍配があがるのかわからない。
 しかし、はっきりしていることは、菅首相続投なら、あの優柔不断ぶりでこの厳しい状況をとても乗り切れなそうもないし、小沢氏となれば、独裁、唯我独尊、その上、カネまみれで、日本の行方が危ない。
 いずれにしても民主党政権では、日本の政治が良くなるとは思えない、というのが悲しい現実ではないか。

 それにしても代表選をめぐる昨今の民主党内の動きを見ると、情けないばかりだ。いずれか天下を取るのか、どちらについたら自分に有利か、政治そっちのけで、もっぱら自らの保身ばかりを考えて汲々としているのだ。

 まず、菅首相は、大慌てで、1年生議員を集めての意見交換会を開いた。なにしろ全議員の3分の1を占めるのが新人(米)議員だから、まずここを押さえたいという見え見えの魂胆だ。
 しかも、なんとこの日程は、8月25日の日本青年館で行われた「小沢一郎政治塾」と合わせていて、いわば塾への出席を牽制しているという図になっている。
 一番困ったのは156人の1年生議員で、さて、一体自分はどちらに出たらいいのかと右往左往だ。
 時の総理大臣と直接対談できるのだから、なによりもここを優先的に考えるのが普通なのだが、小沢氏の腕力を知っている新米議員にとっては、そう簡単に判断を下すことができない。
 テレビ等報道陣が執拗に追いかけて取材していたが、彼らのコメントは、どちらからも嫌われないようにと、一体何を言っているのかさっぱりわからない。「しどろもどろ」とはこんな状況をいうのだと改めて思った。
 次々とテレビに出てくる一年生議員達、さっぱり見たこともない顔ばかりでなんとも頼りない。若いのはいいのだが、私から見るとまるで坊やか娘といった風情で、一体こんな人達に政治がわかるのだろうかと、そちらの方が心配になる。
 かつて小沢氏は、新人議員に、「国会の仕事よりも、まずは選挙区を徹底的に歩くことが大切だ。次の選挙に勝つことを優先的に考えて行動するように」といった指導を何度も行ってきた。
 しかし、それでは1年生議員は研修生ということか。そんな研修生に高い税金を払うなど全く無駄ではないか。
 様々な人生の経験を重ね、政治家としての勉強も積み、即戦力として国政の場で働ける人が本来選ばれるべきなのだ。これから勉強します程度の人には、高額な歳費(給料)や豪華な議員宿舎等々、諸々の議員特権などを与えるべきではない。
 近年の選挙を見ると、やたら若ければいい、若い女性なら尚いいといった安易な風潮になっているが、本当にそれで良いのだろうか。

 8月24日には、鳩山氏は平野前官房長官と共に、小沢氏との対談を行った。 彼は何度も菅氏続投を明言してきたが、その裏で小沢氏へのご機嫌取りにも忙しい。
 要は、菅氏と小沢氏の間を取り持つふりをし、どちらにころんでも、自分がキングメーカーになれるようにする思惑だったのだ。だから、小沢氏が出馬表明するや、「自分は小沢氏を支持するのが大義だ」と前言を翻して平然と言ってのけた。彼独特のいつもの豹変ぶりだ。
 一方、小沢氏は、出なければ党内の求心力を一気に失うことが目に見えている。ここで決断しなければ自分の政治生命は終わりかねない。なによりも「カネ」の問題で検察に呼ばれているし、検察審査会の決定も抱えている。なんとしても総理になって、特権をもって、全ての疑惑を不問とされることを考えているのだ。

 折から、円高と株安は、益々深刻な状況になって、ついに一時、円は83円台となった。24日夕には、12日に続く2度目の野田佳彦財務大臣の「口先介入」が行われたが、円高を沈めるどころか、逆に失敗に終わってしまった。
 当たり前のことだが、市場は政府や日銀が無策であることを見透かしているのである。
 株価も日経平均で9,000円を割り込んだ。日経平均は輸出関連比率が高いから、円高で輸出企業の業績が悪くなれば、当然のように株価は落ちる。
 今、アメリカやヨーロッパはドルやユーロの通貨安をテコに、輸出主導で景気回復をしようとしているから、確かに協調介入は難しいと私も思っている。しかし、だからといって、何もしなければ、いよいよ手詰まりになるばかりだ。
 かつて小泉政権の時、政府は市場でドルを売って円を買った。円安に誘導する為の巨額為替介入を行い、成果を挙げたという実績がある。勿論状況は違うが、政府や日銀は、何らかの円高対策をスピーディに打ち出すことが重要なのだ。
 菅首相は経済界からの話を聞いて「検討したい」と、今になっても具体的なものに触れずに呑気に語っている。

 民主党代表選挙で頭がいっぱいで、そこまで手がまわらないというのが本音なのだろう。しかし、こんな姿はまさに本末転倒だ。
 代表選よりも日本の今と未来の為にどう対応するのか、生命をがけで働くべきなのだ。
 民主党政権よ、直ちに行動を起こしてくれ。
 野に在る私は、本当にやりきれない思いにかられている。