今週発売の週刊文春(7月22日号)に私の小さなコメントが載っている。テレビと違って目立たないが、ちょくちょく、各週刊誌には、依頼されるまま、私は談話を寄せたりしている。
 今回は「武蔵川理事長と中井洽国家公安委員長の疑惑の料亭密会」というセンセーショナルな特集記事の中でだ。

 今、大相撲の世界では、野球賭博が蔓延し、しかも、暴力団との結びつきの実態が次々に明るみに出て大問題になっている。
 NHKも中継を止め、懸賞金を出す会社も次々と手を引き、何よりも名古屋場所は初日でさえ満員御礼の幕も下りず、2日目にはわずか4000人という寂しいばかりの観客であった。なにしろ、理事長はじめ親方や力士31名が謹慎休場しているのだから、当然の不人気ぶりである。
 今、書店で拙著「こんな政治じゃ、日本がダメになる!!」(角川学芸出版)が売られているが、その第3章でも角界のことを書いている。
 私は、今も松ヶ根部屋の後援会長を引き受けているが、元もと相撲界とは比較的深い関わりを持っていた。 
 この数年来続く不祥事に心を痛め、相撲界に寄せる批判と期待を込めて、私の思いを書いているのだが、その上の今回の大事件だ。
 思い切ってメスを入れ、徹底的にウミを出さなければ伝統文化ともいうべき相撲界の明日はない。
 6月21日には、臨時理事会が開かれ特別調査会の設置を決めるなど、大揺れだったが、なんとこの日に、取り調べる側の警察権力トップの国家公安委員長と、相撲界のトップが密会したのだから、これは大変なことである。しかも、場所は花街神楽坂の有名料亭だ。

 今、警察は本気になって捜査に乗り出している。
 暴力団に恐喝された琴光喜、大嶽親方など、すでに事情聴取を受けているし、野球賭博に手を染めていた力士ら29人に一斉調査を行っている。
 そんな重要な時期に、疑惑の密会が行われたことについて、元国家公安委員長経験者の私の意見を聞きたいというのが同誌の依頼であった。
 私のコメント記事をそのまま記す。
 「21日といえば、もう問題の背景が明るみに出ている時期です。私の経験からいえば、国会公安委員長は当然、表に出ていない捜査情報も承知している。そんな立場にいる人が、疑惑の渦中にある相撲協会の理事長と平気で酒を飲むなんて、常識を大きく逸脱しています。国家公安委員長の資格はありません。一刻も早くクビにすべきです。」

 中井大臣は、2010年4月1日号の週刊新潮でも女性スキャンダルがスクープされている。その時も、私は頼まれてコメントを寄せている。
 中井大臣はホステスと付き合って、赤坂で連夜のように逢瀬を重ねていた。自分の経験から、あんな多忙な大臣の時に、しかもSPや秘書官にも内密にして、よくそんなことが出来たものと驚かされた。しかし、それ以上に重大なのは、国会議員議員宿舎の自分のキーカードまでその女性に与え、出入りを自由にさせていたことだ。国家公安委員長は25万人の警察官の頂点に立っている。当然、公序良俗に反する行為が許される筈もない。
 それどころか、総理大臣の下、国の安全保障会議の主要メンバーである。最も危機管理が求められる立場だ。スパイ事件の続発する時代、こんな大臣では、国家国民の安全は守れない。
 自民党政権なら、即クビが当たり前だが、なんと官房長官の厳重注意だけで終ってしまったのだ。

 この宴席の後、警視庁は琴光喜に対する恐喝容疑で元幕下力士を逮捕し、賭博開帳図利容疑で、相撲部屋の一斉捜査も行っている。
 一体、疑惑の宴席では何が話し合われたのか。捜査情報漏洩の可能性もあるし、陳情や依頼が行われたと思われても仕方がない。
 15日の定例記者会見で、中井大臣は、「そのような事実はありません」と否定した。
 しかし、その上で、「捜査当局に迷惑をかけているなら法的処置を執るが、『気にしないで』とのことなので、(報道を)放っておく」と述べた。
 下手な弁解じみた発言だ。事実でないというなら、断固法的措置を求めるというのが、立場上当然のことではないか。そのくらい、国家公安委員長の立場は大きく重いのだ。
 9月には内閣改造といわれているが、こんな大臣は今、直ちに更迭すべきである。
 改造という形でウヤムヤにすごすことは許されない。菅首相にそれが出来るかどうか、対応をしっかり見守る必要があると私は思っている。