言いたい放題 第64号 「正しい判断を」

 「巧言令色鮮(すくなし)仁」というが、菅総理の演説を聞いていると、本当にそうだと思う。
 今まで長い年月、国会という場で、いわば近くから見ていたが、口が達者という以外、他に深い印象は残っていない。
 特に彼のテレビなどの議論をみると、かつてのオウム真理教の上祐氏のように「ああ言えばこう言う」といった感じで、その場限りの思いつきばかりで、とても国家の命運を任せられる人物とは思えない。
 今度の選挙で、いきなり争点となった消費税問題でもそうだ。
 「自民党の案を参考にする」と自分に責任が来ないように、後の言い訳のために余計な一言を加えることを忘れない。要は狡猾、ずるいのだ。
 そして、批判が起こると、「議論することを提唱しただけだ」と平然と弁明する。おまけに低所得者層には、さも配慮するかのように、税の還付などを打ち出したりする。
 それも収入200万円の人から400万円の世帯までくるくると数字が変わる。その数字の上下で、莫大な支出になることにはお構いなしだ。400万円なら46%の世帯になってしまい、還付金の上に事務経費その他諸々の出費が加わって、消費税値上げ分はふっ飛んで、無くなるどころか余計な税の支出になると試算されている。
 民主党政権になって、全く良いところ無しで、結局、鳩山・小沢両氏の退陣となったが、その全てに責任のある副総理は誰であったか、本来菅さん自身も退陣すべき立場なのだ。
 彼らの参議院選挙用のマニフェストをみると、昨年もそうだったが、目先の集票だけを考えた、政権政党の政策として、とても評価出来る代物ではない。
 民主党政権になってから、なんと55項目にわたる成果も書かれている。内容を読むとよくぞ書けるものだなと思える程の厚顔無恥ぶりなのだ。
 彼らがよく口にする、「まだ政権を得て日が浅いから」という言い訳は通用しない。短期間しか経っていないという理屈をつけるのなら、およそあり得ない成果など列挙するべきではない。腹立たしい程厚かましい話ではないか。
 彼らのウソを端的に示しているのが、例の宮崎県の口蹄疫問題だ。
 7月に再び発症して、まだ解決していないのに、具体的成果の1つとしてあげている。
 むしろ、今回の大惨事になった原因は、あげて、民主党政府の対応の遅れと、何よりも対策の稚拙さにある。しかも当時の農林水産大臣は赤松広隆氏だったが、あの騒ぎの渦中、なんと9日間も中南米の外遊で日本を離れているのだ。自民党政権時代なら即刻首だった。
 結果は承知のように、実に27万6000頭の牛や豚を殺処分するということになった。関係者にとっては死活問題だ。
 2000年、同じような口蹄疫が発生したとき、当時の自民党の迅速適切な対応で、わずか740頭の処分で解決しているのだ。これほど力の差を示す例も少ないが、この1例だけみても、民主党のお粗末さは明らかだ。
 一事が万事、とても民主党政権にこの国を任せることは出来ない。
 このところ、民主党及び菅内閣の支持率は急激に下がり始めたというが、だからといって自民党への評価が急上昇した訳ではない。
 両方ダメだからと、「みんなの党」が上げ潮にのっているというが、もとより政権を担当できる大政党ではない。

 「こんな政治じゃ、日本がダメになる!!」
 ようやく、角川学芸出版から出した私の新刊本が書店に並び始めた。一人でも多くの人に読んでもらって、現実の姿を共に考えてくれないだろうか。
 もうここいらで日本の今と将来を真剣に判断しないと、本当に大変なことになるのだが・・・。