言いたい放題 第62号 「なぜか空しい参議院選挙」

 24日から、いよいよ参議院選挙が始まった。
 午前中、東京選挙区の中川まさはる候補の応援に青山の事務所へ出掛け、私の役目は必勝ダルマの目入れだ。なんだか長老扱いが気にくわないが、自民党東京都連最高顧問と紹介され、まぁ、そんなところかと自らを納得させた。
 次いで、四谷の保坂さんぞう事務所開きへ、今度は、全国比例だから、今までとは大分勝手が違う。ここでは選対総本部長という立場だから私の責任は重い。宣伝カー上で挨拶、全体的には低調なスタートだが、私の心に少しずつ熱が加わっていくことを感じる。
 これから17日間の選挙戦、暑さと梅雨に候補者は大変だ。しかし、出たからには勝って欲しいものだ。

 ところで、この選挙では、消費税問題が一気に過熱気味に焦点となった。
 元々、自民党が消費税の必要性を早くから打ち出したのだが、菅首相はなんと相乗り宣言を国会答弁という形で打ち出した。
 それでは、民主党の公約、「4年間、消費税を上げない」、論議さえも避けようとしてきた主張は、ウソだったというのか。

 今更、財源が苦しいから等の説明を聞いても、そんなことはとっくにわかっていることである。むしろ、一層財政状況を悪化させたのは、去年の選挙に勝たんが為のバラマキ公約からではないか。
 「与野党間で議論をスタートさせて、消費税増税の道筋をつけよう」と首相はテレビでも語ったが、困った問題については、自民党や公明党を道連れにして、責任を回避しようという魂胆が見え見えなのである。
 自民党の谷垣総裁が、「財源無きバラマキのマニフェストをまず撤回しないと、とても一緒の議論などできない」と演説したが、全くその通りである。
 自民党の場合、先の麻生政権において、消費税を上げた場合は社会保障の分野に充てると明確に決めている。社会保障費は少子高齢化で、増える一方で、今年は27.3兆円、一般会計の約3割を占めている。
 消費税値上げの時は、毎年1兆円規模で増大する社会保障費に使うと、使途を明らかにした上で国民に問うべきだと私は思っている。
 民主党は、この点も自民党の主張をそのまま借りただけの無責任ぶりである。
 菅首相は、大阪市での第一声で、「低所得者に負担をかけないようにする」といい、なんと「支払った分を全額還付できるような制度を考えなければならない」とまで強調した。如何にも国民受けを狙っているのだが、これでは又、票欲しさのバラマキ公約と同じではないか。実際、簡単に出来ることでもない。
 何かあると、やたら「低所得者、低所得者」と失礼なことを言わないで、むしろ、食料品など生活必需品への配慮など、家計を安定させることの方が大事だと私は思っている。

 この選挙の前哨戦を通じて思い続けてきたことだが、参議院という存在そのものが、国民にとって本当に必要なのだろうかという疑問だ。
 あの終戦後、占領国に支配された状況の中で新憲法が出された。GHQで代表される占領国側の主張は、議会は衆議院のみの一院制であった。
 しかし、時の政治家達は二院政を主張し参議院を残した。あの占領下で抵抗することは大変難しいことであった。
 4年任期、解散有りの衆議院は、現実政治の有り様に全責任を負い、6年制解散もない参議院では、日本の今と未来をじっくり考え、誤りなき方向性を打ち出させようとしたのである。
 しかし、今まで参議院は、どれだけその期待に応えてきたのだろうか。
 衆議院と少しも変わらぬ政争の場であり、衆議院とそっくりのカーボンコピーに他ならなかったではないか。
 今度の候補者の顔ぶれを見て、一層失望を感じるのは私一人ではあるまい。
 衆議院などの選挙で落ちこぼれた人達がゾロゾロで、まるで救済機関だ。
 新人はと見ると、オリンピックメダリストやスポーツで名を売った?顔ぶれや、バラエティ番組がすぐ作れるような芸能人ばかり、それもほとんどが過去の人達なのだ。こんな人達が当選して一体何が出来るというのか、笑止千万だ。
 この選挙を通じて、これからの参議院をどうするのか、少しはそんな議論が出来ないものか。
 民主党得意の事業仕分け作業で、国会議員の無駄をどう排除するかについての議論は皆無だ。一体どうして踏み込もうとしないのか。
 この選挙を空しいものにして欲しくない。それは国民の側にも求めたいことだ。せめて将来に希望のもてるような中身の濃い論戦にして欲しいと心から願っている。