言いたい放題 第61号 「出発点から誤り」

  菅直人首相が誕生したとたん、17%まで下落していた内閣支持率が、なんと一気に60%まで上昇した。
 民主党政権は何も変わらず、単に看板を代えただけなのに、この高い支持率は一体何なのだと絶句してしまった。
 鳩山政権は駄目だったことは、今や国民的評価だが、それを支え、駄目を手伝ったのは、副総理であった菅氏ではないか。
 同じ責めを受けるべき立場の者への、あまりに寛大な国民の対応に、あきれてしまう。
 もっと厳しい目を向け、民主党政権の誤りをきちんと糾弾しなければ、日本の今と将来に禍根を残すばかりだ。
 拙書「こんな政治じゃ日本はダメになる!!」(角川学芸出版)を、是非、一人でも多くの方に読んで欲しいと切望している所以だ。

 菅総理は、出発点から議会政治のルールを踏み外している。
 新しく総理になったのだから、本会議での所信表明と各党からの代表質問に答えるだけでなく、予算委員会と党首討論は行うべきであった。
 本会議の質疑は大切だが、質問も答弁もここでは一方通行で、双方の主張や差異が明確にならない。一問一答形式のやりとりで、政策をより鮮明にさせるのは、まさに予算委員会なのだ。
 自民党等野党からは、衆参各三日づつの要求があった。当初、民主党も各一日の予算委員会を提示し、又、党首討論も行うと言っていたのだが、突然、このいづれも行わず、国会は予定通り16日に閉じると一方的に通知してきた。
 全く強引な方針転換に野党は猛反対したが、数の力で押し切られてしまった。
 多数をもって長年政権を維持して来た自民党でも、数の力にまかせて、こんな横暴な対応をしたことはない。
 思えば、今国会で、民主党は度々法案の強硬採決を繰り返してきた。
 数さえあればなんでも出来るという考えは、議会政治にとって危険この上もない。
 政権政党として経験も浅く、未熟だからという人がいるが、そんなことで許される話ではないのだ。
 菅首相は、今まで多弁といわれていたから、党首討論くらいは応じると思ったが、短気で「イラ菅」といわれる人だけに、少しでもボロを見せまいと、ひたすら逃げの一手を打ったに違いない。
 そういえば初の本会議でも、感情をほとんど封印し、もっぱら原稿を読む場面が目立っていた。

 財政健全化についてや、沖縄基地問題についても、ほとんど具体的なものは無い。
 特に政治と金についての答弁にはがっかりした。
 曰く「鳩山首相は自ら政治責任をとり、辞任した意味は極めて重い」「(小沢一郎前幹事長については、)首相として踏み込んだ発言は慎むべきだ」・・・。
 二人が辞任したことで「けじめ」をつけたといわんばかりだが、国民はそうは思っていない。これでは「クリーン政治」など、ただの掛け声ではないか。

 いよいよ24日から参議院議員選挙に入る。
 くれぐれも甘い判断をしないよう、声を大にして訴えたい。
 それにしてもろくな候補者が出て居ない、お寒い状況だ。
 せめて中川まさはる、保坂さんぞう両君、しっかりやってもらいたいものだ。