6月2日、鳩山首相は小沢幹事長を道連れに突然、退陣すると発表し、号外が出る大騒ぎとなった。
 ついこの間まで、総理が一年ごとに交代すると、あれほど自民党を批判していたのに、御本人の場合は、わずか8ヶ月で投げ出す結果となった。かつて私が退陣に追い込んだ細川首相と同じで本当に短い期間であった。

 この数日前、鳩山首相は、日中韓首脳会談の為に、韓国へ出掛けたが、なんと専用機のタラップを幸夫人と手をつないで登っていった。あれほど批判があり、しかも社民党離脱の日なのにである。
 辞める気になって、最後のハネムーンのつもりだなとホームページにも書いたが、私の予感がまさに的中したようである。

 実は、拙著の新刊本「こんな政治じゃ日本はダメになる!!」が完成し、角川学芸出版の池田氏が自宅に届けてくれたのが、まさにこの辞任の日であった。
 鳩山政権が生まれてから8ヶ月間、私はその実体のひどさに怒りを覚え、多くの人々に真実を伝えなければと、ホームページは勿論のこと、あらゆる機会をとらえて訴え続けて来た。
 鳩山政権では、その場限りの、内容の無い甘い政策、特に選挙目当ての大盤振る舞いのバラまき予算が目立った。
 厳しい財政状態からみれば、そんなことは不可能で出来ないことばかり、たちまち馬脚を現わして、変更、訂正、中止と次々に音をたてて崩れていった。
 一番ひどかったのは沖縄基地移転問題で、真剣に検討もせず不用意な発言を重ね、あまりに不誠実な対応から、やがて沖縄県民の不満は爆発、米側へも最大の不信を与えてしまった。
 日本の大切な国防問題で、今ほど危険にさらさせた無責任な総理はかつて見たことがない。
 このままいけば、日本の今と将来に、取り返しのつかない禍根を残す、一刻も早く鳩山首相を辞任に追い込み、民主党政権を倒して、正常な国政に戻さなければならないと私は真剣に考えた。
 残念ながら、今、私は無冠だ。ならば何万もの人が見る私のホームページ、「深谷隆司の言いたい放題」で訴え続けよう。講演も含め、あらゆる場面で私の思いを発信していこうと必死に努力を積み重ねてきた。その集大成が今回発刊の拙著であった。
 今、ようやく私のこの熱い思いが天に通じたのかと、ほんの少し満足感がある。

 しかし、困ったことに、私はこの本の中で、「鳩山首相、小沢幹事長は辞任せよ」と書き続けている。
 「ようやく辞めた」今、当然、これらの文言を変えなくてはならないのだが、すでに本は完成した後、さあどうするか戸惑った。今更直しようがない。結局、不都合な部分は読者に寛容を願うしかなかった。

 もっとも、民主党政権はしばらくは続く。
 代表選挙を行った後、新首相が選ばれるのだが、別に新しい顔が生まれるはずもない。
 変わり映えのしない顔ぶれで、今までの政策を踏襲していくだけではないか。
 いや、もしかしたら150人のいわゆるチルドレンを率いる小沢氏が依然として影響力を保ち、彼の傀儡政権になる可能性もある。
 だとするならば、「こんな政治じゃ日本がダメになる!!」ことに少しも変わりはないのである。
 多少の文言に違和感はあっても、私の新刊本で、民主党の本質を改めて検証し、今後の判断材料にしていただくことも、意味のあることではないだろうか。
 予定通り、拙著出版を進めることとした。

 政治の世界では、一寸先は闇である。これから、一体、どのような動きになっていくのであろうか。
 いずれにしても、政治家や政党の都合ではなくて、この国と国民の為に、真剣に取り組んで欲しい。その為に私も引き続いて役立つよう頑張っていかなければならないと強く思っている。