5月末出版予定の私の新刊本が、いよいよ仕上げの段階に入ったので、連休も含め箱根と自宅で連日机に向かっていた。多い時は1日7時間椅子に座りっぱなしだったが、ようやく最終稿を角川学芸出版に渡した途端、ぎっくり腰にやられてしまった。かなりひどくて立つことも歩くことも非常に難儀だ。
 本の題名は、「こんな政治じゃ日本がダメになる」と何とも直截的なタイトルだが、鳩山政権8ヶ月間を徹底的に検証したものだ。
 鳩山首相、小沢幹事長、そしてそれをめぐる民主党の動きを様々な角度からチェックすればするほど、あまりにひどくて、日本の今と将来に大きな危機感がつのる。思わず辛辣な文章となってしまうが、この急激な腰痛はもしかしたら、彼らの祟りではないか。(そんなことはないか・・・)

 私の本もすでに10冊目になるが、今回ぐらい、日々書き加えることの多いことはない。なにしろ、鳩山首相自身の政策についての発言と動きが、日替わりランチのようにくるくると変わるからだ。
 特に沖縄の米軍基地をめぐる対応は、為政者にあるまじき思いつきばかりの安直発言の連続だ。
 そもそも、昨年の選挙で、沖縄普天間基地移転について、鳩山氏は何度も「一番良いのは海外移転、最低でも県外」と言い続けてきた。
 10年以上もかけて、ようやく日米間で合意したものを、選挙の票欲しさで虚偽の発言をくり返し語り、「もしかして」と沖縄県民の心をすっかりその気にさせてしまった。
 今更、「やっぱり一部負担を沖縄の皆様にお願いするしかない」では納得するはずもない。
 しかも苦しまぎれに、あれは民主党の公約ではなくて、代表たる私の発言だと言い訳をする。たとえマニフェストに書かれていなくても、有権者にとっては党の代表の発言は公約と同じ重み、公約そのものといってもよい。
 まして、突然予期せぬ徳之島案を持ち出すに至ってはあきれて開いた口がふさがらない。地元の反対運動は最高潮に達し、三町長は絶対反対と官邸を訪ねて断言した。

 辺野古沿岸部の埋め立てでなく、杭を打つ工法で飛行場をつくるというが、千本も杭を打ち込み、当然埋め立ても伴うのだから、環境問題は少しも改善されない。それより、すでに米側から「テロの危険がある」との理由で明確に否定されていた内容なのである。
 米側は、地元の同意の無いものは受け入れないと主張してきた。もっともなことである。今まで、もったいつけてきた鳩山首相の腹案なるもの、どこから見ても誰の了解も得られるものではないのだ。

 一番驚いたのは、米海兵隊の抑止力についての鳩山首相の発言だ。「(政権交代前は)海兵隊の存在が(戦争の)抑止力になるとは思っていなかった。しかし、学べば学ぶほど、海兵隊と米軍全体の連携の中で抑止力が維持できるという思いに至った。浅かったといわれればその通りだが・・・」と述べたのである。
 一国の総理大臣なるものが、日米安保の意味も、まして国の安全に関わる認識も全く持っていなかったと告白したのである。
 歴代総理の中で、これほど愚かで無能な総理大臣を私は見たことがない。5月決着といっていたのに、5月に入っての今頃、慌てて沖縄に出かけたのは、あくまでゼスチャーとしか考えられない。
 本人は愚直作戦というが、低姿勢で沖縄に乗り込めば打開できると判断したとは、いくらなんでも思えない。
 「僕はやることはやりました。でも、出来ないんです、ごめんなさい。」と言うつもりなのではないか。あの母に甘えた坊ちゃんの姿が目に浮かび上がってくるようだ。

 もう、どんな弁明も聞きたくない。こんな首相の元、あんなでたらめな民主党に、この国を任せるわけには断じていかない。鳩山氏は、ただ自ら辞任するしか道はないのだ。
 来週中に拙著の最終稿があがる。ああ、その後でまたどんな変化が起こるのか。出版直前の今、腰の痛みの中で私も少し困っている。