――「鳩山首相献金疑惑」――
 「この件に関して、改めて国民の皆様方にお詫びを申し上げます。」
 鳩山首相は、自身の献金問題に質問が及ぶと、何度も謝罪の言葉を繰り返した。勿論、別に謝罪を求めて質問している訳ではない。当然のことながら、明確な説明責任を求めているのである。
 更に、全ては秘書のやったことで、「自分はこの問題を全く把握していなかった。このことに問題があると思います。」と他人事のようないい訳をする。
 柴山昌彦議員が指摘していたが、鳩山氏自身、かつて鈴木宗男衆議院議員が、いわゆるムネオハウスの受注に絡む業務妨害事件で逮捕されたとき、「以前から鈴木議員に辞職を求めてきた。議員の分身といわれる会計責任者の逮捕は議員本人の責任だから、改めて辞任を強く求める」と語っている。(平成14年5月2日夕刊フジの記事)
 又、土井たか子元衆議院議員の秘書による給与流用事件でも、「私は政治家と秘書は同罪と考える。政治家は金銭に絡む疑惑事件が発生すると、しばしば、あれは秘書のやったこと」とうそぶいて、自らの責任を逃れようとするが、とんでもないことです。秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきです。」と述べていた。(平成15年7月23日のメールマガジン)
 きわめて名言、拍手を送りたい正論だが、今、鳩山総理は、まさにそこを攻められているのだ。最後は「地検が捜査をしているので、そこにゆだねたい」とひたすら捜査中と、逃げ口上ばかりで、全くもって、みっともない話である。
 総理の献金疑惑は、自分や母親のお金で、政治活動を行い、それをひた隠すために、偽装するという、明らかなマネーロンダリングだ。
 なんと献金リストには死亡した人まで含まれていて、これでは、「個人献金」ならぬ「故人献金」ではないか。
 6月30日の弁護士同伴の記者会見で、偽装献金は4年間で193件、金額で2177万円で、これを訂正すると発表した。
 しかし、これは実名献金の分で、5万円以下の小口匿名献金とは別である。
 個人献金は全体で2億円超となっているが、その6割にあたる1億3千万円が小口匿名献金なのだ。仮に最大額5万円の寄付ばかりと考えて計算しても、その献金者の数は実に2600人にのぼる。
 この匿名献金のリストは届け出なくてもいいことになっているが、その記録は残すことが義務づけられている。
 これらについては、まだ調査は全部終っていないからと明らかにしていないが、帳簿を見れば直ちに分かることではないか。

 柴山議員が追求したように、恐らくお金の出どころは、鳩山総理自身の個人口座と、膨大な資産を預かる鳩山家の資産管理会社「六幸商会」という株式会社からであることは間違いない。しかも、六幸商会からお金を引き出すときは、鳩山氏の「指示書」を必要とするのだから、御本人が知らない筈はないのである。
 マスコミを通して、様々な疑惑が報じられているのだが、世論の反応はいま一つという感じである。不思議なことだ。
 おそらく、大金持ちが、自分や身内のお金を遣っているのだから「まぁいいか」といった安易な気持ちからなのかも知れない。
 しかし、これは実にとんでもない話で、政治資金規正法違反は罰則付の違法行為、つまり犯罪なのである。
 柴山議員は、「これは脱税も含め、国に対する詐欺行為だ」と訴えている。

 今、国土交通副大臣になってすっかり収まっている辻元清美代議士は、2003年公設秘書の給与を削り、私設秘書の給与や活動費に回したとして、詐欺罪で逮捕された。ワークシェアリング(仕事の分担)と主張したが通用しなかった。
 社民党の山本譲二氏も同様のことで、栃木県黒羽刑務所に服役した。
 民主党内でも当選11回、細川内閣で自治大臣になった佐藤観樹氏は、2004年同様の罪で逮捕され、民主党除籍、議員も辞職した。いずれも厳しい処分が待っていた。自民党の松岡利勝農水大臣は、事務経費のごまかしを国会で追及され、ついに自ら生命を絶ったという悲惨な結果となった。
 この後、農水大臣が次々と同様の疑いで批判され、辞任に追い込まれたが、これらは政治と金にまつわる世間の厳しい批判の背景があった。
 鳩山総理大臣に対しては、何故か寛大なのである。

 論客で鳴る石破茂自民党政調会長は、「鳩山総理は、さきの本会議の答弁で、全容が(地検の捜査で)解明することを祈念しますといわれたが、祈念するのはあなたの仕事ではない。(事実を自ら)明らかにすることがあなたの仕事だ」、「実務担当者との接触が禁止されているから出せないというが、今までどういうことを知っていたのかを進んでいうべきで、これは捜査妨害にもならない」と、いかにも石破氏らしく諄々と諭すように語っていた。
 つい2日前の朝日新聞(11月2日)には、又、新たな疑惑が報じられている。昨年、株を売って得た7226万円余りを所得申告していないことが明らかになったのだ。
 「どこまでつづく ぬかるみぞ」といった感じだ。かつての細川政権は、結局、自身の政治資金疑惑で崩壊したが、さて、鳩山政権はこれからどのような道を辿っていくのであろうか、充分に注目しなければならないと思う。

――「衆議院予算委員会を総括すると」――
 これはテレビには映らなかったことだが、テレビリポーター所太郎さんの私への質問の中に、「今回の委員会質疑に点数を付けたらどのくらいですか」というのがあった。
 私は即座に、「鳩山総理は60点以下、つまり不合格です」と答えた。
 よく喋るが、時に開き直ったり、弁解や詭弁が多すぎる。一番肝心な具体的な政策や、これからの進め方が見えてこない。しかも、一度公約したことが度々変って、ブレが激しい。まして自分の政治献金問題になると、ひたすら逃げてばかりいる。
 麻生前総理のことと比較して、マスコミも世間も鳩山氏に対してあまりに過保護と思われてならないが、宇宙人にはみんな鷹揚で甘いのかも知れない。

 今回の特徴は脱官僚で、大臣以外は答弁に立てない。あらかじめ役人に書かせた文章を読むこともなく、意外にすらすらと答弁していた。今回の場合、どちらかというと、主要な弁のたつ閣僚が指名されていたし、質問のポイントも、かなりわかりきっていたから当然かも知れない。しかし、この形だと、やがて大臣の優劣が次第にはっきりしてくるようになって面白いかもしれない。
 但し、私だったら角度を変えて、ちょっと意地悪質問をすれば、たちまち立ち往生させることうけあいだ。
 う~ん、いつもの席に居られなくて残念・・・。

 所さん、「ところで自民党側は何点ですか?」
「70点くらいはあげられると思う、なかなか上品で真摯な質問姿勢だった。」
「あと何があれば100点なのですか?」
「迫力が足りない。野党なのだから、与党政府の誤りを徹底的に追求し、これを糺すことに全力をあげなければならない。自民党大敗の後だけに、世論やマスコミに気兼ねして、どこかに徹底追求を躊躇する気持ちがあるのではないか。」

 細川政権時代、支持率は70%を超えていた。激しく追求する私や野中さんのひどい顔が?連日テレビに映って「武闘派」のレッテルを貼られたりした。
 かなりの顰蹙(ひんしゅく)もかって、(一部の心ない人達からだが)嫌がらせや脅迫めいた電話が一日中鳴ったこともあった。
 しかし、何事もお国の為、日本の将来に禍根を残さぬ為と、一途に信じて、不退転の決意で臨んだものであった。
 後に、あの時代のわれわれの行動は語り草となって、それなりの評価を与えられている。
 一歩も引かぬ追求には、気合いと度胸が必要だが、今の人に求める方が無理なのかもしれない。

 他のテレビの場面で、元政治家であった北川某というコメンテーターが、私と野中氏の映像を見て「古いです」と一言。アホか・・・。
 鶴田浩二の「傷だらけの人生」の台詞(セリフ)にこんなのがある。
「古い奴だとお思いでしょうが、
古い奴こそ新しいものを欲しがるもんでございます。
どこに新しいものがございましょう。
生まれた土地は荒れ放題、今の世の中、
右も左も真っ暗闇じゃござんせんか。」
 ついでに歌の部分も紹介すると、
何から何まで 真っ暗闇よ
すじの通らぬ ことばかり
右を向いても 左を見ても
ばかと阿呆の からみあい
どこに男の 夢がある
 昔、中曽根康弘先生が酔うと、歌詞を変えてよく歌ったものだ。
 鶴田浩二の歌を想い出す・・・やっぱり私は古いか。

 いずれにしても野党の役割は、時代が変ってもそう違うものではない。
 野党が静かになって、無気力となったら、時の政権は勝手気まま、やりたい放題に事を進められる。
 ひょっとしたら、独裁政治への道を歩み始める危険さえはらんでいるのだ。
 独裁政治といえば、今回の委員会での、与党民主党の野次や拍手は一体何だ。
 応援団の小沢チルドレンを中心に、総理や大臣の答弁の度ごとに、(拍手の必要ないときも)小学生のように喚声を上げ拍手となるのだ。まるで北朝鮮の光景を見るようで気持ち悪い。
 思わず町村理事が、委員長に詰め寄って彼らの退席を求めたが、至極当然のことであった。

「あと、迫力と不退転の気合いが入っていたら100点です。」と所さんの質問に答えたのだった。