言いたい放題 第12号 「鳩山政権初の予算委員会から・・・」

091105スーパーモーニング取材01.JPG テレビ朝日の「スーパーモーニング」から、又、取材の申し込みがあった。
 11月5日、自宅で1時間あまり、リポーターの所太郎さんに問われるままに、予算委員会について語った。この前もそうだが、かつて細川政権の野党として、激しく追求した私のイメージが、余程強く残っているようで、このところ、こうしたマスコミの取材が多い。
(実際には翌朝の8時半、全国ネットで放送されたが、取材時間の10分の1程度の短い時間であった・・・。)

 11月2日、衆議院予算委員会は、新政権になって初の委員会で、NHK中継でも6%をこえる、かなり高い関心度であった。
 私は久しぶりにテレビに釘付けになって見ていたが、時間が無かった分は、質疑速記録を取り寄せて読んだ。


――「なんでも友愛」――
 全体的に感じられたのは、鳩山由紀夫総理の答弁は、やたら詭弁が多く、具体性が無いということだった。
 どんなテーマでも、最後は「友愛」で片付けてしまう。内政も外交も含めて、そんな甘い、すぐ溶けやすいソフトクリームのような言葉で解決出来るほど、生やさしいものではない。
 わが党の加藤紘一議員も、「友愛は博愛」と応えた小沢鋭仁環境大臣(彼は昔、東大生の頃、私の事務所を手伝ってくれた人だ)の言葉を受けて、「アジアでそれぞれの国が、歴史的、宗教的なバックグラウンドが違ったからどうするかというと、博愛でいけばいい、なんでも博愛だと解決が付くんですね。でも、これほど曖昧な概念が一国の総理の口から、しょっちゅう出てくるということは、我が国としてあまり良くないことだと思います。」と、彼らしくソフトに批判していた。
 又、前段で、鳩山総理が本会議の答弁に立ったとき、谷垣禎一自民党総裁に、「あなたに言われたくないよ」と言ったことについて、あまりにも友愛精神にほど遠く、「総理のセリフではないと思う」と、これは明快に指摘した。
 ところが驚いたことに、鳩山氏は「不信感をお与えしたことを遺憾に思っております」と、あっさり謝罪したのである。思えば答弁の中で、度々「反省します」、「お詫びします」という言葉がやたら沢山出てくる。頭から謝られるとそれ以上追求しにくくなるのが人情だが、なんでも詫びればいいという訳じゃないぜ!と私は思うのだ。


――「無責任外交方針」――
 大島理森自民党幹事長の、「外交問題で集団的自衛権、個別自衛権について、今までの政府の見解を継続しますか」という問いに、「新政権になったばかりだから、当面今までの解釈を変えるつもりはありません」と答えていた。
 これは、民主党の小沢一郎幹事長の解釈とは全く異なるものだ。小沢氏は国連決議があれば自衛隊はどこにでも出せるという考えを変えていない。いわば憲法に関わる基本的問題で、政府と民主党の考え方に大きな乖離(かいり)がある、ということだ。
 これでは、今までマニフェストに書かれているように、「政府与党一体」と言い続けてきた約束とは全く違ってしまうではないか。

――「先送り沖縄問題」――
 沖縄の米軍基地に関しての鳩山総理の答弁はあきれるほどお粗末であった。
 民主党はかねてから、米軍基地を大幅に縮小させ、県外、又は国外へ移転させると主張してきた。
 しかし、「旧政権が日米の閧ナ合意したことを、政権がかわったからと無視してもいいんだと、そんなむちゃなことは、なかなか言える立場でない」と、如何にももっともらしいことを語っていた。「だからこそ、色々な選択肢を模索している状況だ」とも。
 そんなことは、前からわかっていることで、当然、充分な議論がなされ、方針が決まっていなければおかしい。今更、模索などと悠長なことを言われたのでは、沖縄にとってもアメリカにとっても、迷惑千万なことである。
 一体いつまでに具体的な方針を示すのかと、かなり執拗に追求していたが、「この問題がスタートして13年もたっているのだから」と、さも自民党政府の責任といわんばかりの言葉を弄して、「さまざまな選択肢を用意して、その調査を始めた段階です」と平然と言ってのける。
 「えっ、これから調査?」
 おそらく名護市長選挙や知事選挙を意識して、これを不利にさせたくないために、ともかく、結論の先延ばしをはかろうという考えであることが見え見えであった。

 答弁の中で重大な失言もあった。オバマ大統領訪日までに方針を決めるのかとの問いかけに、「アフガニスタン問題に対して我々の考え方をしっかり打ち出すことの方が大事」といわんばかりの発言をしたのである。
 沖縄問題よりアフガニスタン問題が大事とは、少なくとも日本の総理にあるまじき発言で、絶対に許せないことだ。
 基地問題では、各大臣の発言はまちまちだ。鳩山総理は、10月7日に日米合意を容認するようなことを言い、翌日、「そんなことは一言も言っていない」と訂正する。
 北澤俊美防衛大臣は日米合意でいいと考え、岡田克也外務大臣は嘉手納統合論を私見と断った上、打ち出している。一体外務大臣に「私見」など許される筈もないが、いずれにしても総理や大臣が勝手なことを言い、軽率な発言が目立って混乱に拍車をかけている。
 町村信孝議員は「10月28日の衆議院本会議で、「政治主導だから各大臣が考えを開陳することは構わない」と総理が言ったが、これにはもう開いた口がふさがらない。一昔前だったら(自民党政権時代)、内閣不一致で即総辞職ものだった。今は、支持が高いから、何となく許されるような雰囲気になっているが、この各閣僚の思いつきバラバラ発言が、アメリカにしろ、沖縄にしろ、国の内外にどれだけ悪影響を与えていることか」と強く指摘した。
 「最終的に合意が得られたときに、当然、一つにまとまって行動するから、閣内不一致ではない」と鳩山氏は強弁を続けた。あげくの果て、「私どもが政権を担当して、46日目、必死にこの問題に対して解決をしたいと思っているんです。ウソじゃありません。」と、まるで母親に阿(おもね)る風情で恥ずかしかった。


――「インド洋給油活動について」――
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(テロ対策特別委員会風景)
 私がテロ対策特別委員長時代、精根傾けて再現させたインド洋の補給活動は、世界から、日本の国際貢献として高い評価を受けてきた。
 国際社会の中で、日本がどれだけ汗をかいて努力しているのかが大事なのである。かつて湾岸戦争の時、135億ドル、1.8兆円に及ぶお金を投じたのに、日本はほとんど感謝されなかった。お金を出せばいいという考えは、世界では通用しないという苦い経験を持っている。(このときの幹事長は小沢一郎氏で、その独断が批判され、資金の行方についても疑惑の声があがっている。)

 ところが、鳩山総理は、「この臨時国会に法案は出さない。従って単純延長はない」と明言した。
 大島幹事長は、この「単純延長」という言葉にこだわり、「単純ではない延長もあるのか」と糾したが、「アフガニスタン支援全体のパッケージの中で考える」と、極めて曖昧な答弁で終始した。
 アフガニスタン支援の全体のパッケージとして、総理は農業支援や職業訓練を例にあげたが、勉強不足、認識の無さにびっくりした。
 これらの支援は、わが自民党政権の時代、すでにしっかり進めてきているのだ。町村議員は、パネルで海上阻止活動の給油、20億ドルの支援、治安、インフラ整備、農業、農村開発、医療、文化、人的貢献を中心に、具体的な6つの復興支援例を示した。
 給油活動には法律が必要だから、格別目立つが、アフガン支援のパッケージは前政権以来着々と進行中で、これから何か新しいものがあるかといえば、そうあるものではないと語ったが、もっともなことだ。
 岡田外務大臣は、突然、答弁の中で「例えばタリバンに参加している人達への生活費も含めた給付なども考えられるのではないか」と発言した。まさに苦し紛れの発言だが、これはむしろ失言というべきではないかと私は思った。

 2001年の9・11テロ事件後、アメリカの攻撃によってタリバン政権は崩壊した。アフガニスタンは、今、カルザイ大統領時代を、良し悪しは別にしてかろうじて迎えている。
 しかし、国内各地にはタリバン残党の武装勢力が活性化し、混乱に拍車をかけているのだ。

 岡田氏は、「思想信条としてタリバンに共鳴している人は別として、食うためにタリバンに参加せざるを得ない人も居る。そういう人達に対して支援する」という。
 危険極まりない現地の現状を知っているのだろうか?
 一体、どういうルートで、そして誰が現地で選別し、支援するのか。まるで、子供だましのように、出来ないこと、あり得ないことを、その場の思いつきで答弁する。結局は、又、お金を出すということで、あの湾岸戦争の頃に逆戻りしてしまうのだ。

 国会という神聖な場所を、一体、岡田外務大臣はどう考えているのだろうか。
 各国のテロ防止活動で、インド洋、ペルシア湾の平和は保たれている。日本のタンカーの9割も、そのおかげで守られている。給油活動はわが国の国益に合致しているのだ。
 世界の国々が求めているインド洋給油活動を止めるなら、日本は何をしようとしているのか、現政権は冷静に考えて、具体的な対策を内外に示していかなければならないと、私は思っている。